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美味しいものが食べられるなら、そっちの方がいいよね

 地下35階


 階段を下り切ると、神殿内の通路だった。明るい。暗いところから明るいところに入ったので、少しだけ目を閉じる。少しだけ慣れてから目を開ける。明るいのは、天井の真ん中に一本の光り輝く筋が走っているので、それが光源となっているようだ。これ、どこかで見たことがある気が……そうだ。地下21階以降の神殿内の通路とよく似ている。まあ、同じダンジョン内な訳だし、似ていて当然と言えば当然だ。通路は真っ直ぐに伸びていて、途中で分かれ道があり、その一方の先が拠点となる広い部屋だった。構造としては、地下30階が近い。大リビングと言える大部屋があって、連なる小部屋がいくつかある。


「ここにある物は自由に使って構いません。と言いましても、無人ですからね。補給がないので、当然食料はありません。持ち込みです。ここにあるのは利用した者が残していった物や、火を起こすための材料と道具があるくらいです」


 マウマウ先生の説明を聞いて、小部屋をいくつか覗く。……確かに、主に木材が置かれていて、他にも石作りのベッドもいくつかある。また、床の一部には火を起こした跡も残っていた。人の気配は一切ない。確かに、ここは無人のようだ。


「では、今日はもう遅いですから一度休みましょう。食事はどうしますか? 私は携帯食場を持ってきていますが、アルンくんは?」


「あっ、食事ですか? おっちゃんと作った出来立てほやほやの作り置きが『アイテムボックス』に入っているので、そこから」


「なるほど。それは余分に作っていますか?」


「え? あ、はい。一応、何があるかわからないので、たくさん作りました」


「よろしい。では、私のもそこからお願いします」


「ん? いや、今マウマウ先生は携帯食料を持ってきたって」


「ええ、言いました。ですが、携帯食料よりも二人が作った料理の方が美味しいですよね?」


「ま、まあ、料理に適応していないのでとびきり美味しいとかは無理なので味は普通だと思いますが、携帯食料よりはマシだと思います」


「素晴らしい。だからです。携帯食料だと下手をすればやる気減退ですからね。普通の食事が取れるだけでも、ダンジョン内だとやる気上昇は確実です。明日への活力になります。わかりましたか?」


「……はい」


 マウマウ先生から絶対に譲らないという強い圧を感じて負けた。まあ、たくさん作ったからいいか。『アイテムボックス』から食事を出している間に、マウマウ先生が大部屋の中に魔法で火を起こし、室内がほんのりと温かくなる。……ほお。マウマウ先生と共に食事を取ってから、今日は明日に備えて寝る。もちろん、小部屋がたくさんあるので、寝る部屋は別々だ。


「アルンくん。夜這いは認められていませんよ」


「……はは」


 冗談かと思って軽く笑ってみたが、身の丈以上の杖が飛んできたので急いで小部屋の中に入って避難した。


「確かにここは拠点なので安全と言えますが、絶対ではありません。私たち以外居ませんので、何か起こった場合に備えて直ぐ起きられるように。それでは、おやすみなさい。アルンくん」


 マウマウ先生の声が聞こえた後、どこかの小部屋に入っていくのがわかる。まあ、どの小部屋かは「気配察知」範囲内なのでわかるが……いや、わかったところで何もしないが。ともかく、俺も今日は休もうと、小部屋の中にあった石作りのベッドの上で横になる。多分、というか間違いなく硬いベッドなのだが……VITが強いからか硬さを感じない。これならしっかりと寝れる……いや、警戒を切らさないようにしっかりと寝てはいけないのか。つまり、仮眠……仮眠………………かみん……KAMIN……あっ、今のなんかヒーローっぽい感じな気がしなくもない……Zz……。


《――100%。『マウマウ』に適応できるだけの経験が積まれました。適応しますか?――》


 う、わおっ――思わず叫びそうになった。大丈夫。意識を完全に失う前だった。


《――いえ、完全に眠っていました――》


 え? そうだった? まあ、今はもう起きている。意識はハッキリしているから問題ない。それよりも、なんだって? 何に適応?


《――『マウマウ』です。適応しますか?――》


 えっと、マウマウ先生にってことかな? ………………寝起きだからかな。意味がわからない。いや、寝てないから寝起きでは……まあ、それはいいとして……どういうこと? なんで聞いてきたの?


《――これまでの適応者の傾向と状況から、確認してからの方がいいと判断しました――》


 ……なるほど。アレか? 「迷子」に適応の時みたいなヤツか? ……つまり、マウマウ先生に適応すると、どうなるの?


《――はい。わかりやすいところでいくと『マウマウ』より魔力が豊富になります――》


 俺のMP足りない問題が一気に解決するってことか! それはいい! 適応をす――ちょっと待って。何か他にもありそうな感じだよね? 何がある?


《――はい。他にも『守備範囲拡大(合法ロリ万歳)』を獲得します。これはスキルというよりは称号に近いですが――》


 うん。適応却下で。MPが増えるのはいいが、そっちは俺が背負うには大き過ぎる。それ、MPだけに適応とかは?


《――できません。合わせて一つの適応ですので――》


 じゃあ、やっぱりなしで。


 できれば、先に「夜目」とかそっちの方に適応して欲しかった、と思っている間に寝ていた。

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― 新着の感想 ―
下の守備範囲ができるのならば上もか! さらには性別、種族、無機物などにも適応できるのでは? このスキル適応してたら妹にも適応するのでは?
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