表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
132/287

なんというか回収したなって時がある

 翌日。


「まあ、ありふれた言葉だが、ありふれているからこそ、しっかりと意味が伝わる。頑張ってこい、アルン。いってらっしゃい」


「ああ、頑張ってくる。いってきます!」


 おっちゃんと朝の挨拶を交わした後、エリアスト王立学園へと行く。今日は家に帰らない。明日も家に帰ら……まあ、必要な物が揃ったら帰るけど、ともかく、今のところは帰らない。学園のダンジョンに籠る日だからだ。最長二泊。やりきってみせる。


 気合は十分。特に緊張はしていないのでいつものようにサーフェ、ナリ、タオと朝の挨拶を交わし、授業で少し気力減少して、授業が終わるとマウマウ先生から許可証である一枚の紙が渡され、お昼ご飯で気力上昇させ、その時にサーフェとナリには今日から学園のダンジョンに籠ることを伝えて激励をもらい、気力を限界突破させてから、いよいよ学園のダンジョンへと向かう。


 ――う、おおおおおぉぉっ!


 やる気に満ちて叫びたい衝動に駆られるが、実際にやると周囲から「何この人?」と思われかねないので、心の中だけでやっておいた。でも、多分だけど、目はギラついていたと思う。


     ―――


 地下30階


 やってきました。地下30階。いや、別にこの階に用はない。転移魔法陣で移動した先なだけだ。ここから『簡易版魔力補充式転移魔石』で地下28階に向かって、地下29階と合わせてハイ・オーガを探す。今日こそ遭遇させてくれ。地下15階にはまだ行かない。今日授業が終わった後に、マウマウ先生から「先に教職員の仕事を片付けてきますので、そうですね……大体生徒がダンジョンから出る時間くらいに地下15階の拠点に来てください」と言われたので時間があるのだ。なら、ハイ・オーガ探すよね。見つけたいなあ……見つからないかなあ……欲望垂れ流しで探す。


     ―――


 地下28階から地下29階


 ………………。

 ………………。

 見つからなかったので戻る。


     ―――


 地下29階から地下28階


 ………………。

 ………………。

 なんとなく往復してみたが、これで見つかったなら、ここまで苦労していないし、そもそも学園のダンジョンに籠ろうなんてしない。そう思ってしまうことが結果を表している。見つからなかった。くそっ。レアボスでもないのにレア過ぎる。見逃しがないように少しばかり丁寧に探したので、時間が思っていたより経っていた。そろそろ地下15階の拠点に行かないといけない。仕方ない。行くか、と「自動地図化(オートマッピング)」で現在地だけ確認した時、気付く。ここは初回の時にオーガ三連に階段を引き当てたところの最初の分かれ道だった。そういえば、前回はここではないところを確認していたので、ここの確認を怠っていたな。……地下15階に行く前に、今度は逆で行ってみるか。


 最初の選択 右 ―― なので左に行く


 行き止まり。引き返す。


 二番目の選択 左 ―― なので右に行く


 オーガが居た。終わらせた後、引き返す。


 三番目の選択 左 ―― なので右に行く


 床から「罠感知」が感知した。調べた結果、落とし穴があった。下に通じているのではなく、ぶっとい針山がお出迎えだ。ただ、俺のVITは貫けなかった。そう。落ちた。落とし穴だろうと当たりを付けて調べて、実際に落とし穴が開き、中はどうなっているんだろうと覗き込んだ時、足を滑らせてしまったのだ。本当にうっかり。誰も見ていなくて良かった。こういう時に誰にも見られないので恥を掻かずに済むのはソロの利点だな。まあ、こういう時に救助がないのは欠点だけど。腹いせにぶっとい針山の針をすべて叩き折ってから飛び上がって落とし穴から出て、引き返す。


 四番目の選択 左 ―― なので右に行く


 オーガが居た。だと思ったよ。さっさと倒して地下15階に行………………あれ? ん? おや? ……確か人型で、人よりも大きな体躯に筋骨隆々な体付きで、頭部の額から突き出すように伸びた一本の角がある。それがオーガだ。でも、目の前に居るのは、少し違う。人型とか体躯とか体付きは同じか、より大きいくらいで、オーガは軽装だったが目の前に居るのは金属製の鎧だ。大鉈を持っているのは同じだが、より大きく、鋭くなっているように見える。それと、頭部の額から伸びている角が一本ではなく三本だ。なんというか、見た目からして、普通ではなくハイだ。……うん。ハイだ。そういえば、昨日冒険者パーティが戦っていたのは、こんなオーガだった。それを、ハイ・オーガっぽいと判断したのだ。ということは――。


「……お前、ハイ・オーガ?」


 聞いてみた。


「ウガアアアッ!」


 叫びが返ってきた。肯定か? 否定か? いや、肯定だろ。肯定だと捉えたところで襲いかかってきた。とりあえず倒すか。普通ではないクリスタルゴーレムに適応した今、敵ではない。ただ、もしハイ・オーガなら角が必要なので、間違ってもそこは砕かないように気を付けつつ、丁寧に倒した。「アイテムボックス」に入れる。ハイ・オーガで間違いないか、マウマウ先生に確認してもらうか。地下15階の拠点へ向かう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ