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専門家の知識量は凄いよね

 翌日。Eクラスの教室に入ってサーフェとナリが妙な絡みをしてくることはなかったが、何かこう温かく見守るような視線を向けられた。それは女生徒二人もそうなのだが、それはタオの方に向いていたので問題ない。何かこう、歯車が嚙み合っていないような、そんな気分だ。タオも同じなのか、視線が合うとなんとも言えない表情を浮かべている。きっと俺も。


 しているであろう誤解を解くのに、今日のお昼ご飯の時間も費やした。これでサーフェとナリは大丈夫だと思う。女生徒二人の方はタオ任せだが……錬金術ばかりではなく、そっちも気にして対処してくれよ。頼むぞ。本当に。


 そして、今日作るのは下級麻痺回復薬だった。これも工程は同じで、使う薬草の種類は別なのを作りまくる。……工程が同じということで慣れてきたために、おっちゃんが想定していた数を早々に作りきった。新たに下級睡眠回復薬を教えてもらう。これも工程は同じで、また別の薬草を使うようだ。もしかすると、下級は使う薬草が違うのかもしれない。下級睡眠回復薬も作りまくると――。


     ―――


 DEX 下級回復薬四種類を作れるくらいには器用


     ―――


 という感じになった。タオからは「中々器用だね~」とお褒め? の言葉を頂く。少し胸を貼りつつ「タオにもできるだろ?」と口にすると、タオはにんまりと笑みを浮かべ、俺が一本作るよりも早く一本作り上げた上に、同じ素材を使っているのに中級に届きそうな品質だった。


「まっ、そう落ち込まないで! これでも『薬学』とか薬師関係のスキルも手にしているから!」


 ドヤ、と笑みを浮かべ、胸を張るタオ。思わずマウマウ先生を探しそうになってしまった。凄い、と拍手する。タオのDEX値は思っている以上に高いとみた。生産職関係に強そうな気がする。実際、おっちゃんにタオはどんなものか尋ねると、これまで独学だったために基礎、土台、下地となる部分が足りないが、技術力や発想力は悪くないそうだ。今後は足りない部分を鍛えながら色々と学習させつつ、まずは魔力回復薬を作ってもらうつもりらしい。魔力回復薬の部分は是非とも頑張って欲しい。


     ―――


 翌日。Eクラスの教室に入ると、サーフェとナリは普段通りだった。妙な絡みはない。誤解は解けたようである。ただ、「信じていた」とか「抜け駆けするようなヤツじゃないよな」とか「まだ経験してないよな?」とかサーフェが言ってきて、ナリが俺に同意を求めていたけれど、どういうことだ? とりあえず、頷きを返すと二人は安堵するように息を吐いていたので、多分これで間違っていないと思う。女生徒二人の方は……タオ。なんとかしろ。


 昨日と同じくサーフェ、ナリと共にお昼ご飯を食べた後、家に帰る。タオは先にEクラスの教室を出ているので、既に錬金工房に来ていた。おっちゃんと合わせて挨拶を交わす。そこで、ふと気になったことを尋ねた。


「そういえば、タオはお昼になったら直ぐ教室を出ていっているが、お昼ご飯はどうしているんだ? 食堂に行っている?」


「ううん。違うよ。これまではそうだったけど、今はその時間も惜しいから、御者をしてくれる人にお願いして事前に買ってきてもらって、馬車の中で食べながらここに来てる」


 それは貴族令嬢としていいのだろうか? 駄目な気がする。なんというか、当の本人が一番自分を貴族令嬢扱いしていない感じだ。まあ、それで体調が崩れなければいいが……それくらいの判断はできると信じたい。


 そして、今日はおっちゃんから、下級混乱回復薬の作り方を教えてもらい、実際に作っていく。


 ……なんというか、作業をしていると無になりがちだが、案外頭の中は色々と考えるものだ。その中で思うのは、今回もまたこれまでとは違う薬草だったのだが、薬草といっても種類が多過ぎないか? ということだ。それに、形が大きく違う――葉の形や茎の本数とか、花が咲くならその色が違うとか、明確な違いがあるのならわかるが、ほぼ同じで細かな違いしかないのに、効能は真反対で危険とか……わかるか! 憶えられるか! 錬金術師とか薬師とか、これらをすべて憶えているのだろうか? ……憶えているから、錬金術師に薬師なんだろうな。俺には無理そうというか、なんだかんだと罠に引っかかりそうな俺だと、両方用意されていたら使ってはいけない方の薬草を使いそうである。


 そんなことを考えながら下級混乱回復薬を作りまくると――。


     ―――


 DEX 下級回復薬全般を難なく作れるくらいには器用


     ―――


 という感じになった。〇種類という表記ではなく全般となったのは……それだけDEX値が上がったということだろう。順調に上がっているようで何より………………ん? 順調?


 ――そこで気付いた。


 俺には「全適応」さんがついている。順調に上げていくのではなく一足飛びで上げることもできるのではないだろうか? 時間の短縮にもなるし、おっちゃんに相談してみよう。

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