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表現方法を変えれば理解してくれる時もある

 DEXが「下級回復薬を作れるくらい器用」に変わったくらいでいい時間になったので、本日の錬金術講座は終わった。下級回復薬を基礎となる工程で作りまくっただけなので、錬金術を習った感じは一切していない。実際スキル「錬金術」を手にしていないので、本当に基礎の基礎なのだろう。まずはここから、ということなので、その内慣れるだろう。


 ………………。

 ………………。

 いや、慣れてどうする。いや、慣れていいのか? でも、目的はスキル「錬金術」を得るのではなく、スキル「罠感知」を得ることの方だ。それでスキル「気配察知」と合わせて、誰にも見つからないように学園のダンジョン攻略を進めるためである。今はそこに妹の状態も鑑みて、一気に進めないといけない。それを忘れてはいけない。まあ、何か物を作るって楽しかったけどね。なんかこう、色々と作りたくなった。


 明日からも頑張っていこう。


     ―――


 翌日。Eクラスの教室に入ると――。


「昨日はお楽しみだったのか?」


「……(うりうり)」


 サーフェがニヤつきながら訳のわからないことを言ってきて、何故かナリが肘で俺をうりうりと突っついてきた。なんか、また妙な誤解をしていそうである。


「おはよう。話はつけてきたから、今日からよろしくね。アルン」


 そこにタオが教室に入ってきて、俺に一声かけてきたので「ああ、よろしく。タオ」と返す。


「ひゅう~~~♪」


「……(うりうりうりうり)」


 何故かサーフェがどこかムカつく表情を浮かべ、ナリの肘突っつきが速度を増した。後、同じEクラスの女生徒二人も、俺とタオに向けて驚くような視線を向けている。こちらも何か誤解しているような気がするが、俺から言うのも違うというか、女生徒二人は何か知りたければタオの方に突撃すると思うから、あちらの対応はタオに任せよう。上手く言いくるめる……だと誤解が誤解ではないみたいな感じだから、上手く説明して誤解を解いて欲しいところだ。なので、俺はサーフェとナリの方の担当だが……とりあえず、気分的に二人共一発殴っていいかな? 大丈夫。さすがに全力で爆散させるとかはしないから。その前に誤解を解く方が先か?


 実行する前にマウマウ先生が来たので席につく。サーフェとナリが素早く席についたのは、マウマウ先生を恐れてではないと思いたい。誤解を解くのはお昼ご飯の時にしよう。


「何やら青春の香りがするような……いえ、気のせいですね。皆さん。おはようございます」


 真面目に授業を受けた。


     ―――


 授業が終わり、お昼ご飯の時間。


「行けr」


「行けるわよ。朝、話はついているって言ったでしょ。先に行っているから」


 俺が尋ねる前に、タオはそう言ってEクラスの教室を出て行く。女生徒二人は「ええ、どういうこと?」と言わんばかりに俺をチラチラと見ながらEクラスの教室から出て行った。もう少し、その興味がだだ漏れの視線を隠して欲しいところだ。それは、サーフェとナリも同じ。サーフェは再びニヤけた表情を浮かべ、ナリは興味津々といった態度。


「まあ、飯でも食いながら、詳しい話を聞こうじゃねえか」


「……(こくこくこくこく)」


 大きく息を吐く。お昼ご飯を食べながら、サーフェとナリに簡単に経緯を説明した。おっちゃんがレスキューフィンガーの衣装を作った錬金術師であることは、二人もレスキューフィンガーのことが大好きなようだし、下手に教えると暴走しかねないので、もちろん伏せておく。おっちゃんの名誉? のためにも。タオがおっちゃんから錬金術を習う、ということだけわかってくれれば十分だ。


 お昼ご飯を食べ終わる頃には、誤解は解けたと思う。


     ―――


 エリアスト王立学園を出て、家に帰る。学園のダンジョンに入りたいところだが、グッと我慢だ。このまま我慢を続けると、学園のダンジョンに入った時に大きく弾けそうだが……いや、やっぱり変わらないかな? その時になってみないとわからない。


 家に着く。まずは妹の様子を確認。……穏やかな寝息を立てていた。ホッと安堵。ただ、ベッド横にある小棚の上には水差しだけではなく、飲み干した後の空の瓶が置かれていた。多分、入っていたのは魔力回復薬だろう。飲む量が増えているのかもしれない。タオが魔力回復薬を作ってくれることで少しは効果があればいいのだが……。


 錬金工房に入る。


「ただいま」


「おかえり。アルン」


「お邪魔してるわよ~」


 おっちゃんだけではなく、タオも返してきた。おっちゃんとタオはよくわからない器具が置かれている机を挟んで話していたようだ。いや、タオは独自で学んでいたと言っていたから、どれくらいの腕前があるのか、おっちゃんが確認していたのかもしれない。まあ、今の俺は錬金術についてはさっぱりわからないし、タオのことはおっちゃんに任せよう。元よりそのつもりだし。でも、その前に、おっちゃんに今日することを尋ねて、下級回復薬と工程は同じだが、使う素材が二種類の薬草の、下級毒回復薬をたくさん作った。


 今日一日頑張った結果――。


     ―――


 DEX 下級薬二種類を作れるくらい器用


     ―――


 という感じに変化した。


 ……数値化すれば、きっと上がっていると思う。

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