わたしだけの能力があります
さて、わたしには防御魔法の他に、もう1つ不思議な能力があります。学校に入学して1年経った頃のことです。その日もお母様からお父様の話を聞いていました。
「ねえお母様、お父様の騎士様のお話聞きたいです!!」
「そうねぇ。一生懸命で、真っ直ぐで、誰よりも強かったわ。」
「素敵ですね!」
「お父様の騎士姿、マコトにも見せてあげられたら良かったのにね。」
いつもお父様はラフな格好をしています。騎士の姿は見たことがありません。
「写真はありませんか?」
「…残念だけど、無いわね。」
お母様の顔が少し曇っていたことを覚えています。
「そうなんですね…。」
その時、お母さんがわたしの頭を撫でてくれました。瞬間。真っ白い立派な城門の前で佇む、立派な鎧を身につけた、男の人の映像が頭に浮かびました。顔立ちはお父様に似ているような気がします。ほんの数秒です。
「あれ?」
不思議に思い、頭を傾げました。それに気付いたお母様が、
「…マコト?どうかしたの?」
とわたしの顔を覗き込みます。
「今城門とお父様と似た騎士様が見えたような気がしました。」
わたしのお言葉にお母様はハッとした顔をします。
「…どんなお城だった?」
わたしは見えた景色を伝えました。
「マコト、それはお父様で合ってるわ。」
「かっこいいです!」
わたしは目を輝かせました。
「…マコト。マコトはわたしの過去を見たのだと思う。」
過去を見るなんてできるのでしょうか。お母様は続けました。
「わたしの血筋にみられる能力なの。誰にも秘密にしてね。」
普段のほほんとしているお母様ですが、この日だけは真剣な目をしていたので頷きました。
「…わかりました。」
わたしには他人の過去がみれる能力があります。




