防御魔法
わたしの得意な魔法は防御魔法です。大好きなお父様に教わったから。
小さい頃からお父様は家を空けがちです。お母様からは、出稼ぎに行っていると聞かされています。なので、お父様のことはお母様からよく話を聞いていました。
「騎士様だったのー?」
「そう。強くて、かっこ良い素敵な騎士様。」
「すごいね~!!」
そしてお父様は、たまに帰ってきてはわたしに防御魔法を教えてくれました。
「防御魔法は、大切な誰かを守れる魔法だよ。」
魔法がうまくいくと褒めてくれるので、よく自分でも練習しました。
学校に入学する歳になり、授業を受けるとお父様は難しい防御魔法も教えてくれていたことに気が付きました。
「はい、じゃあ、テキストを開いて。今日は防御魔法の基礎を勉強します。」
今は高学年ですが、今ごろ防御魔法の基礎の勉強です。なんでも、防御魔法は扱いにくい魔法なのだそうです。先生からの一通りの説明があり、
「では、やってみましょう。」
の合図で、生徒みんなが取り組みます。わたしはうまく成功することができました!
「マコト!ミカゲ!上手ね~!」
先生に褒めてもらえました。もう1人、ミカゲくんも成功させたようです。クラスの女の子たちの、ミカゲくんかっこいい~!という声が上がります。ミカゲくんは、クールで魔法も上手でかっこいいと女の子たちから人気があります。ミカゲくん本人は女の子たちのこと興味ないみたいですが…。そして、もう1人クラスの人気者がいます。
「やっぱ、ミカゲ、魔法すごいよな!」
ミカゲくんに声をかけている、ヒナタくん。クラスのみんなから慕われてている、明るい性格で笑顔が素敵です。
「別に、そんなことない。」
ヒナタくんにミカゲくんが言葉を返しています。一見正反対の性格のようですが、小さい頃からの付き合いでよく一緒にいるところを見かけます。