1週間後 前編
大変長らくお待たせしました。
迷走しまくって心が挫けそうになりましたが、取り合えず書けた分だけでも投稿します。
フロリア地方の南部、王国最北端の貴族領との境界に位置する『安全領域』はその名の通り、義勇兵団の活躍によって開拓が進み、このフロリア地方において比較的安全が確保されたエリアのことを指す。義勇兵団の本部や商人達の拠点もそこにあり、このフロリア地方を訪れたばかりの新顔の大半は、義勇兵も商人も、この安全領域から活動を始めることになる為、別名『開始地点』、あるいは『初心者エリア』とも呼ばれている。
しかし『安全』と言っても、それはあくまで他の地域と比べたらの話であり、全く危険が存在しない訳では無い。厳しい寒さに深い雪、方向感覚を狂わす広大な森、人を襲う熊などの大型肉食獣、ランドラプターを始めとする小型の魔物達…
「ぬわあああぁぁ冷てええぇぇぇ!!」
そして、一度落ちれば体温を根こそぎ持っていかれ低体温症まっしぐら、そのまま放置すればあの世に直行すること間違いなしの、極寒の地を流れる絶対零度の川。
そんな死と隣合わせな川に足を踏み外してドボンしたのは、1週間前にDランク義勇兵としてデビューしたばかりのベンだった。
「べ、ベン!?」
「だから足元に気を付けろと!!」
そんなベンを見て、同じくDランク義勇兵であり同期でもあるエリーゼとリックが血相を変える。二人は慌てて岸から手を伸ばすと池ポチャならぬ川ボチャしたベンの腕を掴み、そのまま力強く引っ張り上げた。幸い、溺れるほど深い川では無かったので簡単に引き揚げることは出来たのだが、やはり水温が洒落にならなかった様で、水揚げされたベンは寒さで歯をガチガチと鳴らし、身体をブルブルと震わせ、顔色も死人のように血の気が引いていた。
「ししし死ぬ、さ、寒過ぎて死んじまうッ…!!」
「無駄口叩く暇あったらしっかり口開けろ、やれエリーゼ!!」
「うん!!」
そんなベンの頭をリックが掴んで固定し、エリーゼは自分の背嚢から赤い液体の入ったビンを取り出した。そして栓を抜くと、それをベンの口に突っ込んで中身を無理やり飲ませる。
すると、二人のその強引な行動にベンはむせながら悶えたが、震えは収まり血色も良くなった。一瞬にして冷えきった体温も、川に落ちる前と同じくらいに戻ったようだ。
「た、助かった…マジでありがと……」
「帰ったら今の薬の分、何か奢ってよね」
エリーゼがベンに飲ませ、彼の命を助けたのは『暖薬』と呼ばれるものだ。特殊な材料と製法、そしてルーン魔法で作られた秘薬の一種であり、飲んだ者の体温を劇的な早さで高める効果を持っている。義勇兵や商人達、極寒の地である北方で活動する者達にとって、いざという時の為の必需品と言えるだろう。
ただ、まさか先輩義勇兵に勧められ、試しに購入してみた翌日に使う機会が訪れるとはエリーゼ達も思わなかったが…
「まったく…折角依頼完了したのに、その帰りで川ポチャして死ぬとか笑えないからな?」
「いや、本当に面目ない…」
Dランク義勇兵としてデビューを果たしてから三日、同期である三人は行動を共にしていた。新しく小隊を結成するか、あるいは他の小隊に入るかどうかは一先ず保留中にして、互いに先行きが見えるようになるまでは、多少は気心が知れた者同士で行動をしようということになり、今日まで同じ依頼を三人で受け続けていた。
今日は指定された薬草を安全領域で採集してくる依頼を受け、各自の背嚢に詰め込めるだけ詰め込み、後は森の中を流れる川に沿って歩きながら本部まで帰るだけだったのだが、その途中で先程ベンが足を滑らせて落ちた訳だ。
幸い義勇兵団の装備は特殊な加工が施されており、防水性も備わっているので背嚢とその中身も無事で、身に付けていた帽子と隊服、それに担いでた小銃もそこまで濡れてはいない。しかし、極寒の地を流れる川の水の冷たさを完全に防ぐことは出来ず、暖薬で体温は元に戻ったとはいえ、ここに至るまでに蓄積された疲労は残ったまま。そして疲労の溜まり具合に関しては、川に落ちなかった二人も同じようなものだ。
「こんな状態で歩き続けるのも危ないし、時間も丁度昼時だな。ここいらで一度、昼飯兼ねて休憩しようか」
「「賛成でーす」」
早朝から薬草を探し続け、疲れた上に空腹感も強まってきた。まだ本部までの道のりはそこそこ残っており、川に落ちたベンを回復させる為にも休息は必要だろう。そして三人はその場暖を取る為の焚き火を作ろうと、背嚢と銃を降ろそうとした、その時である。
パシャン、パシャン、パシャン…
ふと三人の耳に、そんな音が聴こえてきた。一瞬、川から魚が跳ねたのかと思ったが、その後もパシャン、パシャンと音は鳴り止む気配を見せない。音量から察するに音の出所は、今居る場所から多少は離れているようだが、少し歩けば行ける距離でもありそうだ。
「何かが水に落ちて…いや、叩いてる?」
「そこそこ近いな、どうするよ?」
休憩しようとした矢先に聴こえてきた謎の音に、思わず顔を見合わせる三人。本音を言えば気のせいで片付けたいが、こうしてる今も三人の耳にはあの音が届き続けている。そして、このフロリアの地において、正体の分からないモノを放置すると、十中八九ろくな事にならない。
聞き覚えの無い鳴き声、嗅いだことの無い臭いを無視したら、実は魔物が近くに居て襲われたなんてこと、ここでは良くある話だ。
「念のため様子を見よう、もしかしたら報告案件かもしれないし」
実質の纏め役であるリックの言葉に、エリーゼは力強く、ベンは凄く嫌そうに頷いた。そして、いつでも撃てるように銃を両手で持ち、音の出所へと向かって歩き出した。
聴こえてくる音を頼りに、ベンが落ちた川に沿うように歩を進める一行。その間も、音は止むことはなく、パシャン、パシャンと一定のリズムを刻みながら鳴り続ける。
「ひょっとして、クマが水辺で魚でも獲ってるんじゃないか?」
「うっ…トラウマが甦る……」
ベンの言葉に、初期ランク試験の時に追い回され、死にかけた当時のことを思い出したエリーゼは顔色を悪くした。一応この辺りはクマの出没地点から離れている筈だが、餌の不足や外敵の増加、または縄張り争いの結果によっては、本来の棲処から追いやられてしまう個体が現れることもある。故に彼の予想は、充分に有り得る話なのだ。
「いや、でも何か微妙に違う気がするんだよな、この音…」
そんな中リックだけは首を捻り、怪訝な表情を浮かべていた。何かが水面を叩いているのは確かなのだが、元猟師でもある彼の経験上、聴こえてくる音の大きさとリズムからして、クマのそれとは違うものに思えたのだ。クマでなければ何なのかと問われると分からないのだが、獣に関してそれなりに詳しい自分が分からないとなると、魔物の可能性が高いわけだが、どちらにせよ正体だけでも確認した方が良いだろう。もしも危険な魔物だった場合、後々に背後から襲ってくるかもしれないし、種類によっては本部に報告しなければならない。
そうして最初より少しだけ緊張しながらも、川に沿って三人は足を進め、川の幅が大きくなった辺りで、遂に音の正体を見つけた。
「……魔物よりヤバいのが居た…」
開口一番にベンはそう呟いてしまったが、その言葉とは裏腹に彼らはどこかホッとした様子を見せた。
ベン達の視線の先に現れたのは、彼らと似たような装備で身を固めた二人の義勇兵だった。二人は仲良く並んで川辺に座り込み、片やその辺で拾ったのであろう長い木の枝で水面を叩き、片やその辺で拾ったであろう石ころを水面に投げ込んでいる。その度にパシャン、パシャンと、リック達が耳にしたものと全く同じ音が鳴っていた。聴こえてきた音の正体は、間違いなくそれだろう。
自分達の同期にして魔物の群れすら苦もなく撃退する期待の即戦組二人が、そんな謎の行動をしているのは些か気になるが、危険も心配も無いのは分かっただけでも充分だった。
「アリシアさーん、クロノさーん!!」
「あら、エリーゼじゃない」
初期ランク試験で助けられて以来、二人に懐いているエリーゼが二人組…アリシアとクロノに人懐っこい犬の如く駆け寄る。そんな彼女に気付いたアリシアは微笑ましいものを見るような表情を浮かべ、クロノは視線を川に向けたまま、エリーゼに軽く手を振っていた。
「何してるんですか?」
「魚釣り…かしらね、一応」
エリーゼの問いにそう返したアリシアだが、彼女が手に持っているのはなんの変哲も無い木の枝で、しかも先に釣糸が付いているようには見えない。隣のクロノに至っては、ただ石ころを川に投げ、水切りさせて遊んでいるだけにしか見えない。どこからどう見ても二人が釣りをしているようには見えず、エリーゼは頭上に疑問符を浮かべ、首をかしげた。
「来た」
「エリーゼ、少し水辺から離れてちょうだい、危ないから」
しかし、唐突にクロノがそんなことを呟いた途端、二人の空気が変わる。一瞬、エリーゼは戸惑ったものの、アリシアの言葉に素直に従い、川から少し離れた。その様子をやや離れた位置から見ていたベンとリックも、何事かと目を凝らした。
その瞬間、派手な水飛沫を上げ、川から巨大な何かが飛び出してきた。
「な、何だぁ!?」
ベンが驚きの声を上げる中、アリシアとクロノは一切動じることなく左右に別れて飛び退くと、水から飛び出てきた何かは、二人の間に納まるようにして着地した。
現れたそいつは大人の人間よりも一回り大きく、太い身体、鋭い牙が並んだ細長い口に固そうな鱗、そして前後に爪の生えた二対のヒレを持っていた。
「ワニ!?」
「いや違う、『クロガー』だ…!!」
『クロガー』と呼ばれるこの生き物は、れっきとした魚型の魔物である。性格は獰猛で縄張り意識が強く、自分の縄張りを侵す者は腹が減っているいないに関係なく、そして相手が人間だろうが魔物だろうが躊躇なく襲う。しかもエラ呼吸と肺呼吸の両方が可能な上、二対のヒレと爪を使うことにより、多少なら陸でも活動できるので、水から上がっていても襲われる場合がある。
しかし外見も生態も恐ろしいクロガーだが、鱗や骨は様々な加工品の材料に用いることが可能であり、そして魔物にしては珍しく肉も美味なため、市場では中々の高値で取引されている。
「そう言えば、掲示板にクロガーの捕獲依頼あったな…」
「それ、あんな化物を生捕りとか無理だろ、って俺が言った奴だよな?」
「多分」
安全領域に生息している個体は危険領域の個体よりも小柄なので、クロガー関連の依頼はDランクに分類される場合が多いのだが、そんなこと新人義勇兵であるベン達にとって何の慰めにもならない。
しかし、流石のクロガーも今回は相手が悪かった。ドスンと音を立てながら陸に上がった瞬間、持っていたロープでアリシアがクロガーの口を一瞬の早業で縛り付け、それと殆ど同時にクロノが尻尾を同じようにロープで雁字搦めにした。流れ作業のような手際で、あっという間に身動きが取れなくなり、無力化されてしまったクロガー。その成果を前にして、アリシアとクロノは満足げな表情を浮かべる、互いにハイタッチして軽快な音を鳴らしていた。
どうやらあの二人、最初からクロガーを捕まえるつもりだったようだ。水面を叩いて音を出していたのも、クロガーを誘き寄せるための行為だったのだろう。だとすれば成る程、確かに一応は魚釣りだ。たが、これだけは言わせて欲しいとベンは思った…
「俺の知ってる魚釣りと違う」
◆
「前も聞いたけどさ、アリシアって元々は良いとこのお嬢ちゃんなんだよな?」
「そうよ」
その返答に問い掛けた本人であるリックは『そうだよな』と言う気持ち半分、『いや嘘つけ』と言う気持ち半分になった。
流石に彼女の語った全部が全部とまでは思っていないが普段の言動や所作、整った容姿と優れた知能を考えるに、平民の自分とは違う世界に住んでいたのは本当なのだろう。父もよく『頭と顔と姿勢の良い奴は大体貴族か金持ち』と言っていたし、きっと間違いない。
けれど同時にアリシアと言う少女は、リックの抱く貴族像とかけ離れ過ぎていた。
「巨大魚の解体スキルなんて、どんな経緯で身に付けたの?」
少なくともリックの知ってる世間一般の御嬢様は、自分で仕留めた魔物を吊るしてマグロ職人の真似事なんか絶対しない、て言うか出来ない。
「これも淑女の嗜みよ」
「そんな訳あるかッ」
クロガー釣り(と言うより狩り)をしていたアリシアとクロノも、丁度あの1匹を区切りにして休憩するところだったそうで。それならと、折角だし5人揃って昼食をとろうという話になったのだが、休息に適した場所に移動し、焚き火の準備が出来た途端に始まったのがアリシアによる件のクロガーの解体ショー。
日頃から常備していると言う調理用包丁で大胆且つ器用に怪魚を捌いていき、その肉をあっという間に食用サイズの切り身に変えていくアリシアの姿は、その道うん十年の職人にさえ見えた。
おまけに、その切り身と持参していた調味料で即席のソテーを作って振る舞ってくれたのだが、これがまた美味しい。
「自分で魔物捕まえて、自分で捌いて、自分で調理できる上に美味しいとか、最早お嬢様じゃなくて狩猟民族の間違いだろ…」
自称淑女が調理用包丁なんか持参してる時点でおかしいが、それを抜きにしてもアリシアは色々とおかしいと思う。
家督を継げなかったり家が没落したりして、やむを得ず義勇兵になる貴族は割と居るらしいが、そう言った者の大半は温室育ち。そのため貴族出身は、義勇兵団での生活に慣れるまで平民より時間が掛かるとか。貴族の嗜みとして剣や猟銃の扱いに心得がある者も居るには居るが、それこそ所詮は嗜み程度。実戦で通用するような腕前の持ち主なんて、ほんの一握り居るかどうかだ。
アリシアがその一握りの内の1人だったと言えばそれまでなのだが、彼女の実力はそれだけで説明できるような次元に無い。魔物を狩る時も、捌く時も、調理する時も、元々の才能とか素質もあるのだろうが、アリシアの腕前と躊躇いの無さはどう見ても経験者のそれ。自分達と同じ時期に義勇兵になった…しかも幾ら冒険者だった祖父に憧れていたとは言え、温室育ちだった筈の元令嬢にしては、異様に手慣れているのだ。気のせいでなければ、猟師の家に生まれた自分よりも遥かに多くの場数を踏んでいて、より豊富の経験を積んでいると思う。
『お嬢様』と『歴戦の猛者』、真逆の肩書きが両方とも、こうもしっくりきてしまうような人間なんてそうは居ない。少なくとも、そんなチグハグで不思議な人間、リックの周りには居なかった。いったい彼女はこれまで、どんな生き方をしてきたというのだろうか。
「凄いです、流石はアリシアさん!!」
「ありがとうエリーゼ、でもクロノはもっと美味しいの作れるわよ?」
尤も、リックと違い隣の二人はその辺りのことは全く気にならないようだ。エリーゼはアリシアにキラキラと羨望の眼差しを向け、ベンは出されたソテーを黙々と食っている。
そんな二人の様子を見てたら、自分だけ小難しいことに頭を悩ませてるのが馬鹿らしくなってしまい、何より人の事情や過去を無闇に突ついたところで録なことにならない、そう思い至ったリックは、この件に関して考えるのをやめた。
「誉めてくれるのは嬉しいが、流石に本職には負けるよ。はい、スープお待ちどう」
そう言ってクロノが手渡してきたのは、熱々の中身で満たされたスープ皿。アリシアがソテーを作っていた傍ら、彼は鍋を使ってこれを作っていた。
王国東部でよく使われる味噌というものをベースに作られたそれは、普段食べ慣れたスープやシチューとは違う不思議な、それでいて食欲を刺激する優しい香りがする。皿と一緒に渡された匙で中をひと混ぜしてみれば、『せめてこのぐらいは手伝わせて』とリック達がその辺で採ってきたキノコと野草、そして一口サイズに切り分けられたクロガーの肉がたっぷり入っていた。
それらを小さな匙に乗せられるだけ乗せて、一口でパクリとやってみた瞬間、リック達3人は目をかっ開いた。
「ヤバっ」
「美味っ」
「凄っ」
味噌の香り、クロガーの肉と出汁、共に入れられた山菜の味が口の中で一気に広がり、そして疲労の溜まった身体を温め、癒やしていく。
そのまま二口目、三口目と匙を動かし、気付いた時には、3人はただひたすら無言でスープを掻き込むマシーンと化していた。
「口に合ったようで何よりだ」
「クロノ」
「いや早ぇよ」
誰よりも早く一杯目を平らげ、空のスープ皿を差し出しておかわりを要求するアリシアにクロノは苦笑を浮かべつつ、二杯目を注いでやった。そしたら、それを見たベンがそーっと空になった皿をクロノの前に差し出してくる。その様子にクロノが『まだたくさん残ってるから、遠慮しなくて良いよ』と言えば、彼の前に空のスープ皿が追加で二つ、やや遠慮がちに差し出されてきた。
その後4人による争奪戦一歩手前のおかわりラッシュで、鍋の中身はあっという間に空っぽになった。
「今更なんだけど、どうして二人はここに?」
食後の余韻に浸りながら、ベンがふとそんなことをアリシア達に訊ねた。ここに居る理由は、さっきから口にしてるソテーとスープの具であることは言った筈なので、それを改めて質問する意図が分からず、ベン以外の全員が怪訝な表情を浮かべた。その様子を察したベンは、慌てて言葉を続ける。
「あー違う違う、言い方が悪かった。俺が訊きたいのは、なんでAランク小隊に入った二人が、この安全領域でDランクの依頼受けてんのかってこと」
一週間前、アリシアとクロノはAランク小隊の『雪燕』に勧誘され、加入した。小隊に加入すれば個人のランクでは無く、小隊のランクに合わせて依頼の受注が可能になるため、Cランクの二人も上位ランク保持者を同行させるなどの条件付きで、Aランクの依頼を受けられるようになった。ましてや『雪燕』は危険領域のその先、未踏領域の探索を中心に活動していることで有名だ。なので、リック達のような初心者のDランク向けとされる、この安全領域で2人が依頼を受けているのは言われてみれば成る程、確かに気になる。
ベンの質問にアリシアとクロノは互いに顔を見合わせて暫し考えた後、視線を3人に向き直ってこう答えた。
「強いて言うなら…」
「軍資金集めってとこね」
〇クロコダイル・ガー(通称クロガー)
外見:ヒレに爪のついたアリゲーター・ガー
魚型の魔物であり、見た目通りの凶暴な性格の持ち主だが、その肉は外見を裏切る美味さ。
肉だけでなく頑丈な鱗や骨も様々な用途に使うことが出来るので、商人や職人達からの需要は高い。
安全領域に生息する個体は2~6m位のサイズだが、危険領域の個体は10m近くまで巨大化し、同じ水生の魔物である『人喰い鮭』こと『キラーモン』と川の主の座を日々奪い合っている。