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異世界ハーレム(物理)

作者: クソ雑魚ホモサピエンス

 やあ、俺は世界。お前らが暮らす世界だよ!

 俺ってば世界そのものだから、地球も月も太陽も銀河も、宇宙すべてを内包してる。お前らがどんだけ求めたって届かないもの全部持ってんだ。すげーだろ?

 もちろんハーレムだって持ってるぜ。古今東西全並行世界で指折りのカワイ子ちゃん勢ぞろいだ。


 元気いっぱい正統派のファンタジー世界ちゃん、

 ゆるふわ甘え上手のメルヘン世界ちゃん、

 真面目で頑張り屋のスチームパンク世界ちゃん、

 クールだけど寂しがりなサイバーパンク世界ちゃん、

 ミステリアスで何考えてるか分かんないけどそこがまた魅力的な漆黒深淵混沌世界ちゃん。


 みんな俺にベタ惚れだ!


 あっテメー笑いやがったな? スチームパンクの何がいいのか分からないとか、そのうち漆黒深淵混沌世界ちゃんに刺されるぞとか失礼なこと考えやがったな? 後者は強く否定できないから余計にタチが悪い!

 たかだか三次元しか知らないクソ雑魚ホモサピエンスのくせに生意気な。調子こいてると異世界転生させてやんねーぞ!

 転生って俺の中でグルグル生まれ変わるだけじゃねーぞ。俺の機嫌次第で異世界に転生させてやることもある。お前らの魂を適当にコネて俺のハーレムメンバーたちの中に放出するんだ。例えばファンタジー世界ちゃんなら


「あぁっ! 世界くんのが中に! 勇者来ちゃう! チートスキル付いちゃうのおおおおお!!」


てな具合だ。このときの感覚がそれはもう……おっと失礼、直接描写のない人外同士の交わりとはいえ詳細に書き過ぎると何かしらのルールに抵触してしまいそうだ。この辺で自重しよう。

 とにかくそんな訳で、良い行いをした知的生命体には異世界転生のチャンスが与えられる。俺がその気にならなけりゃお前らの魂を異世界に放出することもないし、放出されなかった魂はすり潰されて再び俺の中で循環するだけ。読者諸兄のアレだって撃たなかったらタンパク質に戻るだろ? それと一緒。

 つまりお前らが異世界転生してチートスキルで無双ハーレム作りたかったら俺のご機嫌とるしかねーの。分かった? 立場の差っていうやつ理解した?


「世界くん、世界くん」

「なに? スチームパンク世界ちゃん」

「お客さんが来てるよ」

「誰?」

「天道さんと地獄道さん」

「今すぐ参りまァす!!」


 天道さんと地獄道さんはクソヤベー先輩だ。クソヤベーなんて口に出したらフルボッコ一直線のクソヤベー実力者だ。


「ハロー人間道くん元気ィ? 最近じゃ『世界くん』とか名乗って調子イイみたいだけどぉ」

「俺のワイフに色目使いやがったら次元一枚ずつ剥ぎ取るからな?」

「滅相もございませんァアーーーッ!!」


 後輩の畜生道はソレでいっぺん終末を迎えかけた。俺は分をわきまえている世界なので二の轍は踏まない。たとえ天道先輩が自分よりウン百億年若い餓鬼道ちゃんをたらし込んだ超絶ロリコン変態紳士であっても、地獄道先輩がプライベートでは奥様の修羅道さんの尻に敷かれまくってる激ヘタレ恐妻家だとしても、そんなことはおくびにも出さずヘコヘコし続けるのだ。


「世界くんいつまで服従のポーズしてるの? 天道さんと地獄道さん帰ったよ」

「圧倒的解放感ァアーーーッ!!」

「きゃっ」


 俺は感極まってそのままスチームパンク世界ちゃんに飛びついた。スチームパンク世界ちゃんはやめてよと言いつつも本気で嫌がりはせず俺を受け入れた。今日はこのまま世界間接続だ。最近魂が溜まってたからきっと良い転生技術者が誕生するぞ。

 最後に一言。


 異世界ハーレムって……いいよね!!



挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
[良い点] 面白かったです。 異世界ハーレム。なにひとつ嘘偽りがない。
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