表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

真っ白少女は夢を見ている

作者: 幻中 飽那

こんにちは飽那です。まだまだ拙い文章かとも思いますが、読んでいただけると幸いです。


純文学、というジャンルにしたのですが、純文学というものではないかもしれません。

違うのであれば、教えていただけると幸いです。

これは無垢な少女が見た、短かくて長い、夢のお話。




真っ白な真っ白な部屋で、何も知らない真っ白な少女は、絵本を見ている。



「ねえ、おねえちゃん。どうしてこのおうさまは、まおうさんをころしちゃったの?」



『それはね、その【まおうさん】が、【おうさま】の大切な人に悪いことをしたからなんだよ?』



「なんでわるいことしちゃたのかなぁ。」



『それはね、【まおうさん】は【わるいこと】が好きだからなんだよ?』



「そっかぁ、わるいことがすきなまおうさんもわるいひとなんだ。ありがとう、おねえちゃん。」




違う日も違う日も、少女は絵本を読み続ける。



「ねえ、おねえちゃん。どうしておひめさまは、おうじさまからにげちゃうの?」



『それはね、【おひめさま】が【おうじさま】に、自分の醜い姿を見られたくないからなんだよ?』



「おねえちゃん、みにくい、ってなぁに?」



『難しい言葉使ってごめんね。【みにくい】っていうのはね、自分の汚いところ、みたいなものだよ。』



「わかんないけどわかった!ありがとう、おねえちゃん。」











今日のまた、少女は絵本を読んでいる。



もう少しで終わりに近づく夢。



少女は知らない。


そんな夢の話を、絵本の結末を。




いつまでもいつまでも読み続けていた絵本は、今日で最後のお話。



少女が結末を知るとき、それが夢の終わり。


追い続けてたことは、いつも唐突に、終わる。






真っ白で無垢な少女は、夢を見ていた。






「わあぁ、おねえちゃん、おねえちゃん。このおはなし、わたしとおんなじだよ!あ、でもわたしには、おねえちゃんがいるから、ちがうね。」



少女は誰もいない空間に、一人話し続ける。



「おはなしのおんなのこ、ずっとひとりなんだってぇ。おねえちゃんがいてよかったぁ。ひとりはわたしいやだから。」






少女は、知らない。

少女は、気づかない。



たった一人の、無垢な少女は、今日も夢を見ている──。







「──おねえちゃん、きょうもいないなぁ。」

ここまでお読みいただきありがとうございました。誤字脱字があったら教えていただけると嬉しいです。アドバイスや感想も送って下さったら幸いです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ