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あの日、あの場所で
うだるような暑さの中、二人の中学生が川で遊んでいた。それを笑いながら僕は見ていた。
「日向!!こっちで一緒に遊ばないの?!」
「そうだよ!冷たくて気持ちいぞ!!」
「いいよ、僕はここでひなたぼっこしてるから。佑輝と楓の時間を邪魔しちゃったら悪いしさ」
すると、佑輝がムッとした顔をして、
「るっせえな!そういうこと言うんじゃねぇよ!!」と怒鳴る。
でも、そんなことを言いながら口元は緩み嬉しそうだ。
「日向がひなたぼっこすんの?何?新ギャグ?ダサいって~」
アハハと笑いながらバチャンと川に笑い転げた。
「人の名前で遊ぶなよ!」
河川敷の芝生で寝転がってた僕も立ち上がり川に走った。
僕は元々ここの出身じゃない。
父さんの会社の都合でここに越して来た小学3年の春。都会の方に住んでいた僕にはここはかなりの田舎に感じた。近くに山と川、田んぼ。自然が多く、知らない人も多いこの場所で、不安しかない僕に一番最初に友達になってくれたのが佑輝と楓だ。
二人は幼馴染みで僕と同級生だった。 そして僕の親友になってくれた。
僕が佑輝を殺すまでは...