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転生日記  作者: アイス
4/18

転生日記4

遅い時間の投稿となってしまいました。

すいません

【八日目】


意外と文字は難しいな。そう思いながらヨークと一緒に自室の机に向かっている。教え方は本を使い、文字を一つずつ覚えるというものだ。『漢字』みたいに沢山文字はなく、文字は全部で三十五文字だ。ちなみに今、二十文字くらい覚えた。

「これはこう読んで…」

ヨークは畑仕事の時間を割いて俺に文字を教えてくれている。それほど期待しているのであろう。時間を使ってくれている父の期待に応えたい。しかし、ぜんぜん身に入らない。言葉というのは難しいと再認識した。

「ヨーク、じゃなくてお父さん、無理です」

いつからヨークをお父さんと呼んでいたか、まあそう呼ばないと駄目、とテイルが教えてくれた。機嫌が悪くなるとか。一度間違えてテイルが呼び捨てしたときは、一日口を利いてくれなかったらしい。そういうところでは細かい人なんだな、と思う。

「マク、今日はもう少し頑張りましょうね」

無理だよ、頑張れないよ。頭使いすぎで頭が痛く、少し心が折れそうだった。

しばらくしてコンコンっとドアを叩く音がした。ドアが開きウィルが入ってくる。その両手にはお膳を持っている。

「お父さん、マク。飲み物を持ってきたわ」

そう言い、木のお膳から水の入ったコップを机に置いてくれる。ありがたい、水を飲んでいる間サボれるぞ。飲み物は水と少ししょぼい気がするが、このウェスターラ村ではとても貴重だ。雨がなかなか降らないからな。隣の町までいって輸入してくるくらいだ。

「ありがとう、マク少し休憩しよう」

ウィルは部屋から出て小声で「頑張って」と言ってくれた。細かい気遣いができる女は俺は好きだぜ。

テイルはコップに手を伸ばしゴク、ゴクと勢いよく水を飲む。対する俺は少しずつ飲んでいく。少しでも多くサボるためだ。無駄なところで頭使ってるな。しかし飲んでいくと水は減る。そしてついに無くなった。しかたなくはじめるか、そう思い本を開こうと思ったとき(じけんは起こった。

「お父さん、父さんはいるか!」

テイルの声がした。息が弾んでいる。何があったのか。そう思っていると急いでテイルが部屋に入ってくる。テイルは早口に言った。

魔物モンスターが出た!すぐに準備して!」

そう聞いたヨークはすぐに部屋を出る。少し怖い顔をして。

「マク、お前は母さんと一緒に家で待っててくれ」

ヨークはドアも閉めずに部屋を出た。今から寝室に防具と武器を取りに行くんだろう。俺一人部屋に残された。しばらく考えた後、ペナに会わなければならないと思い、ペナ探しに部屋を出た。


家の中にウィルがいて、隣の家にペナがいた。三人でリビングのイスに座って帰りを待っている。

「ヨークとテイルはもうすぐ帰ってくるから…」

そうペナが言って何時間経つだろうか。少なくとも二時間は経ってるはずだ。ペナの顔がどんどん元気が無くなっていく。もしも2人が死んだら、とか考えているのだろう。正確に魔物モンスターの強さは知らないが一般人が敵う強さでは無いと聞いた事がある。でもヨークとテイルはちゃんと訓練を受けているし大丈夫であろう、と自分に言い聞かせた。でも、もし死んだら…


それから何時間経っただろうか。もう外は暗くなってきた。いくらなんでも遅すぎる。ペナもウィルもヨーク達の死を覚悟しているのだろう。2人はほぼ喋らない。

その沈黙を破るようにドアが開く。

「ただいま」

ヨークの声がする。その声は少し重たい声だった。その後ろにはテイルもいる。ペナは嬉しさのあまり声が出ず泣いている。ウィルは自分の部屋に戻った。人前で泣くのが恥ずかしいのだろう。

「お父さん…」

口から自然と言葉が出た。やばい、ちょっと涙目になってきた。ここで泣くのは男の恥。そう思い俺は静かに部屋に戻った。

部屋に戻ると俺は自然とベッドに横になった。ベビーベッドは卒業して今では普通のベッドだ。

改めてここが異世界と認識する。死んだら終わり、俺は少し夢気分でここに来ていた。優遇さているから。もう死んだから。そんな気持ちを今回引き締められたかもしれない。


だんだんと意識が遠くなっていく。眠たい。落ち着いたからかな。2人が無事でよかった。

俺は睡魔に抗わず寝る事にした。

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