転生日記16
そろそろ終盤になる予定です。
もう少しお付き合いください!
助けなければならない。そう思った。
少女の肉を見て、俺は顔から冷や汗が流れるのを感じた。あまりにもグロテスクすぎて吐き気がする。
とりあえず破れた服から見えている肉を治し止血しよう。
『”回復魔法”を発動します』
薄緑の光と共に全身の傷が癒えていく。
数分後、傷は全て塞がった。しかし意識がない。一応呼吸はしているようなので背負って巣に連れて行くことにした。
血の気が無く青ざめた顔をしている。急いで戻らなければ。
ここを右に行けば…
いやっ左か?などと道に迷っていた。背中越しに聞こえる少女の心臓を打つ音がどんどん弱っていく。
こんなときに俺は何をしてるんだ。ていうか森広いよ。
そんなことをして森を彷徨っていると目印を見つける。
俺が置いてきた木の枝だ。これさえ見つければ戻れる。
子供の頃読んでもらったお話を思い出したのだ。森に迷った少年と少女は目印になるものを置いていたために森から抜けれた、という物語だったはず。置いて良かったと思い、俺は少女のために目印を頼りに疾走した。
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こんなに全速力で走ったのはいつぶりだろう。
なぜだろう。あんなに辛かったのに。俺は歩くことができなかった。もちろん歩きたくなった時もある。でもその度に少女が死ぬ気がして、歩けなかった。他人事だ、と放り投げることもできただろう。でも出来なかった。マシな理由も無いし、あるといったら自己満足だけど、いままで誰かのために何もやってきたことがない俺が少女を助けたいと思った。
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巣に戻ると驚いた様子でヨーク達が迎える。「背中に背負っているのは…」と聞かれたが、今はとりあえず早く降ろしたい。ちょっと重たいのだ。
サリーは状況を把握したらしく巣の奥へ一緒に連れて行く。
部屋に連れて行くと、少女の顔は少し血の気が出てきていた。回復魔法が効いたのだろう。
一安心し、ベットに降ろす。よく見てみると可愛いな。いや、深い意味はない。ただそう思っただけだ。”可愛い=好き”ではないはず。多分。
と思ったのが顔に出ていたのか、サリーに好きなのかと聞かれたので即答でそうではないと答えた。
ゴブリンの医者曰く、二日ほどで治るとか。治るといっても意識が戻るだけで、感染病とかは知らないらしい。傷も塞いでいるのでリスクも無いに等しいし、大丈夫っしょ。
少女を連れてきたのは俺なので村に帰ることは出来ない。という訳で巣に残ることになった。俺自身も残りたかったし良かった。
あと、ヨーク達は出発するらしいので見送ることにした。
見送るシーンは割愛させて欲しい。理由は聞かないでくれ。な、泣いたとかそんなんじゃないから。
ただ、俺の服の袖は濡れていた。




