転生日記12
【十九日目】朝
昨日は良く寝れなかった。草が揺れる音や、木がこすれる音がするたびに荷馬車から降りて見張りのテイルやペナに話しかけてしまうのだ。一緒に寝ていたヨークには五月蝿いと言われた。ペナには心配性と言われるが、モンスターに襲われないかと思ってしまうのだ。襲われてもテイルがいるし大丈夫だと思っていたが、怖かった。
道中、眠い中ヨークに色々な事を教えてもらった。剣の使い方。モンスターとの戦い方。どれも難しそうなことだったが、真剣に聞くとわかりやすく大体が頭に入っている。教えてくれたヨークに指導をする才能を感じる。本人も教える事が嫌いでもないし教師にでもなればいいのに。と思ったが学校がないんだ。村で作ってみたいな。親孝行として作りたいが、家の建て方を知らないので保留かな。でもいつか絶対に作る。
二時間ぐらい歩いただろうか。目的地のゴブリンの巣に俺たちは着いた。
初めての貿易ということで向こうは歓迎ムードらしくザワザワしている。ヨークやテイルは初めてモンスターと戦闘以外のことをするので、緊張して真顔になっている。ペナは少し慣れたような顔をしているが、笑っていない。あの時の恐怖がまだ抜けないのだろう。だとしてもみんなガッチガチすぎるだろ。
三匹の見覚えのあるゴブリンが出てくる。会話をすると思うしそろそろスキル発動したほうがいいな。
『異国語を発動しますか』
毎回聞いてきた声だが、今日は何故か少し違う気がした。ちょっと声が低くなった気がする。
『イエス』
いつもと違う事を気にしても仕方がないのでとりあえずスキル発動を進める。
『体内魔素の確保…成功。異国語を発動します』
『こんにちは。今回は貿易を行いに来ました。リーダーと話しがしたいのですがリーダーはいますか?』
見覚えのあるゴブリンと思っていたら、狼に襲われていたところを助けたゴブリンだった。元気になっていて、少し嬉しい。
『リーダーはこっち』
俺一人でゴブリンに付いていく事にした。転生したことを確認するためだ。襲われるなどのリスクも無くは無いが、そういうことを気にしては貿易なんて出来ない。一応信用しているし。
俺は一本道を進み奥深くまできた。そこにある個室。ドアを開けるとゴブリンリーダーが待っていた。部屋はとても綺麗なイスやテーブルや銃が………え?




