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線香花火  作者: 勝成
9/9

っは!

はぁ、はぁ、はぁ、

気が付くと僕は眠って居たのだろう。


周りを見渡した。

ここは管理室。

確か茜が切り裂きババァーに食われてしまって、気を失ってしまっていたのか。


そう言えば!

葵ちゃん!僕は呼んでみたが彼女はいなかった。

たぶん葵ちゃんがここまで運んできてくれたんだろう。

僕は携帯を取り出し時間を見た。

5時37分。もう朝じゃん。


どうにかしてここから逃げださなきゃ。


僕はもう一度L7の場所に行き出口を確認しようと立ち上がった。


懐中電灯もまだ生きてる!

残念なことに携帯は圏外になっており雄也や真也には連絡が出来ない。


僕は深呼吸をし管理室から出た。


手足は震えていたが慣れて来たのか全く怖く感じず早くここから出なきゃと言う気持ちだけで歩いてた。


L7の標識を見つけ少し小走りになった時だ。


切り裂きババァーがニヤけながら僕に気付いた。

あ゛ぁ゛ーサイゴの奴ミィーヅけだぁー


さ、最後?

真也、雄也!!

僕は一度叫んだと同時に切り裂きババァーが笑いながら僕に近づいて来る。


僕は怖いを通り越し友達が喰われてしまったという怒りに変わり持っていた懐中電灯を切り裂きババァーの頭に投げつけた。


懐中電灯は見事に壊れてしまいミラー部分が割れ切り裂きババァーの周りを破片がちらばった。


すると切り裂きババァーはぎやあ゛ァァ゛ー

と叫びながらもがき苦しんだ。


そのタイミングだった!

地下の出口が開き誰かいるのかー!

人の声が!!


僕は最後の力を振り絞って切り裂きババァーを蹴飛ばし出口への階段を走ってあがった。


、、、。


ここからの記憶はあまりないが。

出口から声をかけてくれたのは肝試しの最初に出会った大学生だったこと。

地下からは雄也、茜、大学生2人の遺体が見つかったこと。

後から真也は発見されたが今は精神病院で入院。


切り裂きババァーのことや宮崎葵はどこに行ったのか何故最後、切り裂きババァーから逃げることが出来たのか。


もう分かる術はありません。


ただ一つ言える。

宮崎葵は昔、虐めにあっていて思わぬタイミングで命を落とし寂しく地下に彷徨っていた。

そして誰からかは分からないが僕が発見された時右手に握っていた小さな紙に書かれた物だけが残っていた。「一緒にいてくれて、ありがとう」。

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