5.6...7
地下への入り口は正方形の鉄板で塞がれていた形跡があった。
どうやらさっきの人達が開けっ放しにしていてくれたのだろう。
地下の中は空気が重く少し湿気さえも感じる。
本を大切になんて相応しくないっと言っていいだろう。
いまでは誰も管理をしておらず放ったらかしにされている感もある。
地下は迷路のようになっており思った以上に広く目印になるのは天井から吊るされたA1やらL7。
これは多分、むかし書物を管理するための記号だったんだろう。
ここから先の噂では、特にルートなど無く歩いていると楽譜を保管されている場所がありその周辺をくるくる回っていると気づいたらメンバーが1人増えている。
そいつが切り裂きババァーだと言う。
見つけたら走って逃げないと肉を割かれ食べられてしまう。
僕らはとりあえずお互いの手を取り逸れないよう4人で固まってあるいた。
この部屋はセメント剥き出しで雨漏れによるシミやイタズラで描かれた落書きで酷かった。
物凄く雰囲気があり湿気のせいか額にも少し汗ばむのが分かった。
ただ4人とも声など出さない。
だって少しの足音だって凄く響くし声を出そうものなら別の声が入ってくるんじゃない?
なんてあらゆる想像に潰されそうだったからだ。
数分くらい歩いた時だ。
茜が帰ろと切り出した。
しかし、そんなこと言ったところで雄也が帰るわけがないし真也だってそこは諦めているだろう。
何言ってんだよ!
ここまで来たなら責めて一周くらいしようぜ。
その時だった。
正面が一瞬懐中電灯のようなもので照らさせた。
だ、誰かいます?
僕は恐る恐る叫んだら意外な答えが返ってきた。
誰もいないよー、、、クス。
なるほど。
多分さっきの大学生のお連れさんだろう。
と思い近づいてみた、すると、うわぁ!
いきなりの大声でびっくりし心臓が飛び出してしまうかと思ったがやはり、普通の人間であった。
びっくりさせてすまんな!
連れと逸れちゃってさ、見なかった?
あぁ、大学生2人組と先ほど地下の入り口で会いましたよ。
先に外に出ていると言ってました。
まじかよ、君らももう帰ったほうが良いよ。
ここは本当にヤバイって。
さすがに大学生から言われると雄也だって素直になるだろう。
僕らは頷き来た道を引き返すことにした。
やっぱ7人集まると心強いな、と切り出した真也に皆頷いていると大学生の1人が言った。
てか、よく女の子連れてこれたね君たち。
昔っから仲がいいんでと返したがこの人たちも1人、女性を連れて来てるじゃんとは突っ込みは入れなかった。
帰りは少し長く感じたがL7の掛け看板をみつけほっとした時だった?
あれ?
出口が、、、無い?
雄也の一言で皆固まってしまった。
確かに入って来た時は天井からL7の標識の場所だった。
もちろん大学生たちも標識を目印にしていたらしく唖然としていた。
ちゃんと探せよ、と少し怒鳴った感じで大学生2人が懐中電灯の光を当てて探すが見当たらない。
君たち5人ともここから入って来たんだよね?
の大学生たちの質問に僕らはぞっとした。
いいえ、僕ら4人なんですが。
と言うと、大学生も答えた。
え、じゃ、もう1人は誰?
俺ら2人と君ら4人。もう1人いない?
よく見ると真っ白な薄いドレスを着た女性?がニヤリと笑っていた。
そいつは鎌を持っており掠れた声で一言、残さず食べるよぉ〜
ぎやあぁー!
僕らは無我夢中で走った。