004
なんでだろう、なんでもないのに君の事を考えてしまう。
昼の空は、雲ひとつない快晴。
そういえば、君と出会った日も、こんな天気の良い日だったね。
周りの子より、少し変わった女の子。今、何をしてるのかな?
ねぇ・・
ん?
覚えてる?
なにを?
私と君が生まれて出会った、
あの場所を。
うん、覚えてるよ。
あの日もこんな雲ひとつない綺麗な空だったね。
あの日も、こんな綺麗な青色の空が広がる雲ひとつ無い良い天気だったよ。
もう3年も経ちそうな、そんな昔噺だ。
その時の私は小学5年生。
お母さんは近くのスーパーでレジ打ちの仕事をしていた。
お父さんは、お酒の好きな普通の会社員。サラリーマンとして私たち家族のために一生懸命働いてくれていた。
まあ、裕福でも無かったけど可も無く不可も無く。典型的な平和な家族模様だった。
だけど、そんな平和な生活は何の前触れも無く壊されてしまったんだ。
また、ある日。
私が、小学校から帰ると、仕事をしている時間のはずのお父さんが家にいたのである。
私は、いつもいないはずお父さんの姿に少し疑問を感じたが、そんな感情も消えお父さんのもとへ駆けた。
が、
お父さんの足元に倒れている『それ』を見た瞬間私は、驚愕した。
お母さん―?
ねぇ、お母さんどうしたの?
ねぇ、助けてあげないの?
お父さん、なんで何も言わないの?
お父さん、お母さんを助けてあげてよ!!
何もわからず叫び続けていた私に、お父さんは一歩一歩足をゆっくりと踏み出し私に近づいてくる。
お父さん。ねぇ、おかぁ―?!
お父さんが、私に向けて手を伸ばす。
その手は、私の首に触れると一気に私の首を締め上げた。
―ぅ?!
必死に、抵抗する私。
だが、そんな子供の抵抗など大人に通用するはずも無く私の意識は遠のいて行く。