①・スキルとパッシブを決めよう!
「甘中!お前クロックオンラインの先行プレイ権に受かったんだって!?」
授業も終わり部活に急ぐ生徒や下校する同じクラスの奴を見ながら俺もそろそろ帰るかと席からたった瞬間後ろの席の遠藤達也が話しかけてきた。 クロックオンラインとは従来のMMOとは違い仮想世界へ行き実際に行っているかのような体験をできるバーチャル技術を取り入れたゲームである。バーチャル技術は今まで医療関係や軍事関係などで使われ最近になって発展してきた新技術だ。そしてその技術を応用して作られたゲーム、クロックオンラインの宣伝ワードは、『ゲームは進化した!これはもはやゲームでは無い第二の現実だ!』だ。この宣伝により世間は歓喜し先行プレイ権にほとんどの人が応募した。一人にしか話してないはずなのにもう俺が当選したことが伝わってるなんて驚きだ。
「あぁ、お前も応募してたみたいだけどどうだった?」
「見事受かったぜ!」
まさか同じ学校に2人、いや知らないだけで他にもいるかもしれないが身近に受かったやつがほいるとは思わなった。俺はそこまでゲームには詳しくないのでゲームに詳しい友人がプレイしてくれるなら安心だ。
「よしっじゃぁスキルとかの設定色々終わったら19時のイン時間3分前に連絡とりあおうぜ!」
「あぁわかった、けど俺スキルとかパッシブとかわかんないんだけどどんなのとったらいいんだ?」
親友の達也は、クラスでも評判のゲーマだ従来のMMOで過去に行われた最強のイベントボス、倒せたら300万というイベントを他の引き籠りネトゲ廃人を追い抜き通常10~30人で挑むところを、わずか一人でしかも無傷でクリアしたほどの実力を持つほどだ。といっても噂だと防御力だけに特化させ一のダメージだけでひたすらこつこつ倒したらしいが。
「うーん・・・pkとか狩り用とかで色々決まるけどどんな感じがいいんだ?」
「とにかく死ににくく敵の攻撃を耐えるというより回避する感じの」
「じゃぁデバフ耐性とか大事になってくるぞ、とにかく素早さが高く回避できるとしてもデバフで素早さ下げられたら話にならん。」
「ほうほう、あと職とか色々気になるんだが教えてくれないか?」
「いや、職は自由に決めても平気だと思うぞ?パッシブは知らんが転職は簡単にできるらしいし」
「へ~ならデバフ耐性と素早さを主軸にあげてくわ」
「おう、それならたぶん死ににくいキャラ作れんぞ!」
最初は色々質問していた俺だが後半は達也が興奮しながら俺に色々教えてくれた。
ゲーム話しになるとすごいうれしそうに話す達也にありがとなーじゃぁそろそろ俺家帰るわと告げ席を立ち家に帰った。
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とくに何事もなく家に帰った俺は、早速昨日当選おめでと!やったねぱにえちゃん!というふざけた手紙とともに送られてきたマッサージチェアの頭の部分にフルフェイスヘルメットのような物がついた機械に座りヘルメットをかぶり早速クロックに入る前に必要な設定を始めた。
ちなみにこの機械を売ると一緒遊んで暮らせるだけの金が手に入るほど欲しい人がいるらしい。だが俺は、両親がとある事情で死んでしまい莫大な遺産と保険金が手に入っているので金の心配はない。思えば幸運な俺におきた唯一の不幸が両親の死だろう。
ふとそんな思い出したくない思い出を思い出してしまったがすぐに今やるべきことを思い出し機械のスイッチを押した。
すると意識がだんだん遠のいていく、まるで深く暗い水の中に落ちていくような感覚に陥った。
目が覚めると一人用のテーブルとノートパソコン、それに小さな冷蔵庫しかない狭い部屋にいた。
「おぉこれがVR技術ってやつか、ふむ痛覚もちゃんとあるんだな。」
頬を軽く抓りながらVR技術に驚いた。
「やっほー!☆」
ふと背後から少女の声が聞こえ慌てて振り向いた。
するとそこにはあきらかに幼児向けとは言い難い安っぽいホラー映画の小物にありそうな継ぎ接ぎだらけの片目の取れたテディベアがいた。
「や、やっほー・・・」
「あははーそんなビビらなくってもいいよー☆私はクロックワールドに入る前の案内人その名もチルさ!お兄さんかっこいいからチルってよんでいいよ!☆」
異質なテディベアの見た目と反比例した会話のテンションに面を食らいながらも気にせず話しかける。
「お、おぅところでチルここはどこなんだ?」
「ここはねークロックの世界に入る前にお兄さんのアバターを設定するところさ☆そこにパソコンありでしょー!それの電源着けてみればわかるさ!
チルに言われた通りテーブルに座りノートパソコンのスイッチを押すとパンツ姿の俺がいた。そしてスキル・種族・容姿などの従来のMMORPGのキャラクター設定画面のようなのがでてきた。
「チルこれでクロックオンラインの世界でのキャラクターを作るのか?」
「そうそうそこで色々設定きめてねー☆たぶんお兄さん辺りの年頃ならゲームとかやってそうだし大体はわかるよね!後キャラクターじゃなくてアバターね、実際にそれで動くことになるし☆。」
「わかった、そんじゃまずパッシブてやつを決めるか。」
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パッシブ・使用可能ポイント残り0p
身体的異常耐性 lv10 lv1~lv10 必要ポイント50
身体に関係する異常耐性を100%無効化する。例・麻痺、気絶etc、、、
精神的異常耐性 lv10 lv1~lv10 必要ポイント50
精神に関係する異常耐性を100%無効化する。例・混乱、幻聴etc、、、
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「おぉ全部のポイント使えばデバフ完全に効かなくて出来るのか!ほかのhp自動回復、魔術耐性、捨て難いがとりあえず達也に言われた通りこれでいいだろ。」
次はステータスでも決めるか。パッシブの設定の右端にある確定を押しステータスのボタンをクリックした。
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ステータス 初期設定時ボーナスポイント20
体力4 知性5
筋力3 物理攻撃力10
霊感3 魔法攻撃力10
敏捷3 運100
器用4
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ふむ・・・よくわからないのが結構あるな・・・とりあえず聞いてみるか。
「おーいチルちょっと来てくれ」
「なんだいー!☆やっと超絶かわいいチルちゃんの出番がきたかなー!?」
「・・・それぞれの奴の効果を説明してくれないか?」
「はいはーい!簡単にざっくり教えるねー!へ…リーダーおいおいちょまてよ…運270てなんだよ?…」
先程までのハイトーンボイスがいきなりトーンダウンし急に人間味を増した。
「なんだバグかなにかか?」
「うん・・・普通の人の平均値は3なんだけど・・・デバッグしきれてなかったか表記ミスかまあそこまで序盤に影響及ぼすことは無いだろうし次のメンテで治る…?かな?まあ、突っ込むのめんどくさいからさっさと説明しちゃうね☆!」
「あぁ頼む」
「えっとねー体力=スタミナだねこの数値が高いほど疲れにくくなってしかもHPが増えるよ☆次に筋力だね!これは単純に力が増えるのさ!重いもの持てたり野球でいうとバットのスイングがめっちゃ速くなるみたいな感じ!☆次に霊感!これは精神的干渉や味方にかける補助魔法の効果を増やしたりマナの最大値が増えるよ!☆はぁはぁ・・・疲れるなぁ・・・次は敏俊だねこれは移動速度や攻撃速度が増えるよ。次は器用だねこれは詠唱速度や武器作ったり薬作ったり採取したりするときの動作が上手くなるよ。後武器はその武器のスキルあげれば普通使えないヌンチャクとかもアクション映画並みにつかえるとうになるんだけど器用をあげればさらにそうゆう武器の使い方がさらに上手くなるよ。知性は魔法の威力上昇消費マナの減少スキル再使用時間ディレイタイムだね、の減少にも効果があるよ。運は敵mobのドロップアイテムの補正や敏俊やステータス、装備効果等に影響を受けない攻撃の回避等に影響があるよ。…正直当選者に対するチュートリアルを並列志向AI一人に任せるのは頭おかしいよなぁ…その他にもいろいろあるけど聞きたいことがあったらゲーム内での私に聞いてみてね!!!」
「あ、あぁ…ありがとな…もう休んでくれ」
やっつけ感まるだしだが一応は案内人だしきちんと説明してくれたな…とりあえず攻撃を避けるなら敏俊で早く動くか運を高めるかか。運だけに頼るのもなんだしとりあえず敏俊に全部振るか。攻撃力は連撃でカバーしよう。
敏俊+20→23 残りポイント0P
もう少し悩むべきだとは思うが今は早く旅立ちたい気持ちの方が上回る。次は職を決めるのか。後腹減ってきたな、VRの世界でも腹が減るとは驚きだ。冷蔵庫のほうに向かおうと思い椅子から立つとチルが冷蔵庫の中を漁っていた。
改訂一話完了です。