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12『フラグは立ててみたものの、マミるのだけは超勘弁して……』

 12話目です。



 少し長めに空けてしまいましたが、死んでません。生きてます。


 少しづつコツコツと書いていたら時間がかかり過ぎましたね。



 すみませんです。


 とりあえず終るまで続けますんで、期待せずに読んで下さい。


 それでは12話です。どぞ。

 おっす、オラ改造人間。憶えていますかね?


 この小説における重要なプロットのひとつなのにあまり際立ってないんで忘れてる人が多いと思うんですけど大丈夫ですよねっ」



『…君はいったい何を言っているのだよ?』



 おっと、どうやら声に出ていたようだ。いやはや、俺はいったい誰と話をしていたんだ? それ以前に小説? プロット? 何の事だ? まったく、訳が分からないよ。



『気を抜くのは関心できないのだよ。作戦は既に始まっている。十分に気をつけるのだよ』



 白衣さんの声がすぐ耳元で聞こえてくる。とはいっても本当に耳元で話されている訳では勿論ない。

 まぁしかし相手が白衣さんでは、例えそんな状況であったとしても全っ然嬉しくない。所詮お子様だからだ。



 そんな状況のお相手には勿論、俺の希望として秘書っぽい人のような美しい女性に──あぁ、うん。話を戻そうと思う。



『私の設計に限ってあり得ないが、万が一いや──兆が一にも不具合が有ったらすぐに報告するのだよ』



 再び耳元で響く白衣さんの声。正確に言うならば、現在被っている──否、被らされているヘルメットのような物の中に響く白衣さんの声だ。



「こちらメタルワン。白衣さん聞こえていますか? どうぞー」


『聞こえるのだよ。何かあったのかい? そちらの状況は君の視線カメラを通してこちらにも見えているのだよ。今のところは問題無いようだが』



「とりあえず俺としては今まさにメタル〇゛アの化け物が俺を踏み潰そうとしている事実に問題を感じて欲しいんですけど! オーバー!」



   キシャアアアア!



 〇タルギアのような化け物は、その巨体がほこる体重を余すこと無く発揮しながらのしかかってくる。


『問題? ……どこがなのだよ?』



 とりあえず白衣さんの言う視線カメラがぶっ壊れていることは確実だろう。


 それとも白衣さんの常識ではメタルギ〇に襲われていることは問題にならないとでも言うのだろうか? ていうかメ〇ルギアが問題にならない常識って何なんだろうか? 日常的に〇タルギアに遭遇してるのだろうか?どんだけタフな日常生き抜いてんだろうか?っていうかそもそも遭遇出来る場所って何処なんだろうか?



  ガルルルルルル……




 そんな絶滅危惧種と遭遇するよりも難しいはずの〇タルギアとエンカウントしている俺。マジあり得ねーわ。



 しかも完全に俺を殺る気できてるんだよ。俺が何かしましたか? こんな状況もはやレア過ぎてラッキーを通り越した上に、アンラッキーを掻い潜った後に絶望に巡り会ってしまったみたいな──何かうまい事言おうとして失敗したけど、何かそんなカンジの気分だ。



 いやまぁ、ここらへんでとりあえずメ〇ルギアの化け物に襲われるに至るまでの経緯を振り返って見ようか。



 ~〇タルギアとのエンカウントちょい前~


『っと言うわけで、君には現場に向かってもらうのだよ』


 何が“っと言う訳で”なのか気になるところではあるが、恐らく聞いても無駄なんだろうなぁ…。


「あぁ、うん。それはいいんですけどね? この部屋はいったい何なのかな~って? 嫌な予感がする上にめちゃくちゃ恐いんだけども」


 白衣さん達によって、半ば無理矢理に押し込まれた薄暗い部屋。しかも俺一人で。何の説明も無かったからスッゴい不安。


『その部屋の中心にサークルがあるだろう。そこに立っていて欲しいのだよ。何、心配は要らない』


「……何の確約も無い“心配は要らない”という言葉がどれだけ恐ろしいことか……」


 白衣さんの言う通り部屋の中心にサークルらしきものを発見。サークルの周りをウロウロしてみたり、足でつついてみたりしてみる。危険は無いようだ。警戒しながらも白衣さんの指示に従いサークルに立つ。


「……っ!? ちょっと白衣さん!?」


 突如体から感覚が消える。まるで自分の体では無いような、そんな感覚。勝手に両腕が広がっていく。


「謀ったな! 〇ャアー!!」


「……うるさいのだよ」


 ついには十字架にかけられた某光の巨人6兄弟みたいな格好になってしまう。ウルトラなシュワッチだ。


 そしてブゥンというテレビでもついたような低い音と共に、部屋全体にだんだんと灯りがつき始める。



『いいかい? 今から始めるのはボディの強化改造なのだよ』


 白衣さんの声が室内に響く。同時にさっきまで薄暗かった部屋が明るく照され、室内がよく見える様になる。そして嫌でも目にはいる室内に蠢く多数の機械アーム。


ワキワキと不気味な動きをしながら迫ってくる。うわぁ、気持ち悪い♪



「何か変なのキター!! 何コレ!? 動き気持ち悪っ!! こっちくんなーっ!!」


 俺の叫びもむなしく機械アームがガチャガチャとマイメタルバディをいじくり出す。


 今は感覚は無いが、目の前で自分の体から部品が取られたりくっ付けられたりしているのは何かヤダ。痒い気がする。何も感じないけど。


 そうこうしている内に作業をしていた機械アーム達が俺から離れていく。どうやら終わったらしい。……私、汚されちゃった……。



『強化改造終了なのだよ。お疲れさま。もう動けるだろう?』


 ホントだ。動けるわ。


 強化改造とやらをされたらしい自分のメタルアームを、おそるおそる見てみる。俺だって男の子だ。強化改造と聞いて密かにワクワクと期待していた。


「…コレはなんと言うか──赤だな」


 何故か見覚えがある形の赤色の腕。


 ウィーンという音と共に姿見的な物が下からせりだしてくる。


 白衣さんが出してくれたのか? 親切心の使い方を間違ってはいないだろうか。


 まぁとりあえず、姿見に写ったメタルボディに感想を一言。


「この赤いボディを見ていると何だか三倍くらい早く動ける気がするぜ」


 まぁ見た目はそんなカンジである。分かる人は分かる。生身の頭部以外は完全に〇ャア専用だ。


「三倍どころか十倍は早いさ。私の設計を嘗めてもらっては困るのだよ」


「うぉっふっ!?」


 いつの間にか室内に入ってきていた白衣さん達に驚く。


「聞きたいんだけども、白衣さん? このデザインは某人気ロボットアニメに出てきた敵のロボットをモデルにしたよね? 間違いなく」


 白衣さんに聞いてみるが首を横に振りながら、


「残念ながら違うのだよ。私がモデルにしたのは東洋のとある島国が使っていたという“鎧兜”というものなのだよ」


 なるほど、どうも違ったらしい。あのアニメのことなら一晩中語り明かせるくらいには通の俺の目から見ても、現在姿見に写った俺はシャ〇専用だ。間違いないと思ったのだが。


「それではこれから現場に向かってもらいます。ではナビ、ゲートを開いて下さい」


『ジャッジ ゲートを開きます』


 秘書っぽい人の指示を受けて幽霊さんが返事をする。てかもしかして幽霊さんの名前ってナビっていうのか? 何かカッコイイぜっ。


 とかそんな事を思っていると。


   ヴィーーーン……


 という、またまた低い機械音。姿見とは別に何かがせり上がってくる。


『ジャッジ ゲート準備完了しました』


 幽霊さんが言う。


せり上がってきたコレがどうやら“ゲート”らしい。


「ゴクッ……、コレが……ゲート?」


「ええ、そうですが何か」


「なんていうか……国民的青狸の秘密道具のなんちゃらドアに似てますよね」


 どういうことだ。最近この小説、他からの借り物がひどいぞ。これが作者の限界だとでも言うのか。


「さぁ、君。このフェイスアーマーをつけるんだ」


 渡されたのは赤いツノつきのヘルメットでした。……もはや何も言うまい。


「シ〇ア専用☆俺! 行っきまーす!!」


 俺はそう言ってゲートをくぐるのだった。




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆





 恐らく俺が出た場所はマッキーランドの中だ。見覚えがある。間違いない。…、初めてマッキーランドに来たのは学校の遠足だったなぁ……。ロマンの欠片もありゃしなかったけど、仲の良い仲間と馬鹿騒ぎしたのはスッゲー楽しかった。


 …しかし、いつもなら喜びの声がうるさいくらい聞こえるであろう子供達の夢の国マッキーランド。


 なのに今日のマッキーランドは異様なほど静かである。休園日でも無いだろうに。



 理由は簡単にして単純明快、非常事態エマージェンシーだからだ。



 アトラクションでも無いのに黒くてデカイヘリがランド内の広場の低空を、浮く様に飛んでいるなんて非常事態でしかないだろう。



 機体自体はデカイ癖に何故か異様に小さいプロペラの音以外に、ランド内にはほとんど他の音が聞こえ無い。皆避難したのだろうか? 見渡す限り人っ子一人いない。そんなカンジで無人のランド内を見回していると……。



  《キシャアアアアッ!》



   ドカッ!!


 明らかに子供達の夢の国“マッキーランド”で聞くはずの無いようなヤバそうな音が聞こえた。


 同時に何かがこっちに飛んでくる。派手にバウンドした後、しまいにズザザザーッゴロゴロッと地面を転がったりしながらやっと俺の足元に停止する。


 ……えっ、何コレ。ゴミ? いや待て、あれ? コレ、もしかしてもしかすると……人じゃね? うん、人だわ。

若干息してるっぽいし。人いたわ。いやー、物影に隠れてて全っ然見えなかった。人が飛んできてゴロゴローってね。あるよね、そういうのー。アハハハー。


 ……。






 って、んなことあるかーっ!! いやいやいやいや、何で? おかしいよ?



 人じゃん。何で飛んできてんの? 何、流行ってんの? 飛ぶのが最近のトレンド的な? 『お前超飛んでるじゃん、まじシャレオツー』みたいな? そんなバカな……。とか人が飛んできた理由を考えていると……



  ドスンッ!………



     ドスンッ!!……



       ドスンッ!!!…



 と、とても重いナニかが地面を踏みつけるような音がこちらに近づいてくる。足元が大きな影に覆われる。



  グルルルルルル……




 呻き声。俺はギギギッと油のきれたロボットのような緩慢な動きで顔を上げ、ソレを更に見上げる。


 足下で倒れたまま動かない人──瀕死だ──が、咳き込みながらモゴモゴと何か言うが俺の耳には届かない。何故なら、太陽が逆光であまりよくは見えないが、そこにいたモノに軽く気絶的な状態異常になるくらい驚いていたからだ。


   グルルルルルル……


 ゆっくりとソレが片足を持ち上げる。びっくりし過ぎてぼーっとソレを見ていると


『どうしたんだい? 応答するのだよ』


 白衣さんからの通信でハッと意識が現場に戻ってくる。しかし、白衣さんからの通信には応えず、何故か少年のようなキラキラしためでソレを見始める。



 そして、若干興奮気味にこう叫ぶのだった。



「すげーや白衣さん! メ〇ルギアじゃね、コレ!?」


 叫んだ瞬間メタ〇ギアの足が降り下ろされる。……俺に。


「ぬぉ!?」


 慌てて両腕を前に出して受ける。ガキィインッ! ってカンジの金属音が響く。


   ギギギギギギッ!


「ヌオオオオオオッ…、ってアレ? 軽い?」


 咄嗟に両腕を出したはいいけど正直受け止めることが出来るとは思ってなかった。別に潰されるのを期待してた訳じゃないが、何だか拍子抜けというかなんと言うか……。


『フッ、何を言っているのだね。そんなトカゲもどきに潰されるものか。それでも君は私の最高傑作なのだ。その程度耐えられて当然なのだよ』


 今まで実感が無かったから自分でも少し忘れてました。




 俺、改造人間だったわ。









 ─そして冒頭に戻る─



 白衣さんが言うには今の俺S型──シャ〇専用の意──はめちゃくちゃ強いから、メタル〇アもどきくらいは軽く倒せるらしい。


 とりあえずそれを聞いて俺は、未だおさえっぱなしの図太い丸太のようなメ〇ルギアフッドを


「チェストォオオオッ!!」

 なんか何処かしらで聞いた事があるような掛け声と共に軽く投げ飛ばした。


 メタ〇ギアの巨体が軽く宙を舞う。投げ飛ばすにあたって感じた感覚だと、野球ボールを投げるのと大差無い感じだ。


『調子はどうだい?』


 白衣さんが通信を通して聞いてくる。俺は今の自分の力が桁違いに強大なモノだと否応なしに理解した。


 だからまぁとりあえず、




「もう、何も恐くない!」




 死亡フラグを立てるのだった。






 ティロ・フィナーレ。

 お帰りなさいませ~。



 期待してた方はいないとは思いますが、残念ながら今回戦闘シーンは無しの方向です。


 戦闘に入る前にどうしても主人公のビジュアルを一定しておきたかったので。


 イメージとしてはシャアザクを少しばかりスタイリッシュにでもしたようなカンジといいましょうか。


 細かいところは任せます。



 ちなみに、何気なく出てきた幽霊さんの名前ですがフルネームは



  ナビ・オペレーションです。



 そんな訳で今後ともよろしくです。



 次回投稿も何時になるか分かりませんが、必ず終わらせるんで。


 またお会いしましょう。


 ではでは。

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