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悲劇のヒロインぶって「来世で会いましょう」と突き放したら、即座に嘘を見抜かれ国ごと拉致されました。『え、世界を滅ぼす予言書? カビ臭いから焚きつけにして燃やしたよ?』……はい?

作者: 文月ナオ

 

 肌を刺すような夜風が、廃教会の隙間風となって吹き込んでくる。


 王国の北端、帝国との国境付近に位置するこの場所は、かつて神に祈りを捧げる場所だったという。


 けれど今は、屋根の半分が崩れ落ち、月明かりが冷たい石畳を青白く照らすだけの瓦礫の山だ。


 私はボロボロになった聖女像の影に隠れるようにして、震える両手を強く握りしめた。


 かじかんだ指先が白い。


 けれど、その冷たさよりも、心臓を鷲掴みにされているような恐怖のほうが強かった。


「……大丈夫。私は、できる」


 自分に言い聞かせるように、カサついた唇から言葉を漏らす。


 吐き出した息は白く濁り、すぐに夜の闇へと溶けて消えた。


 私の名前は、セシリア・フォン・アルカディア。


 このアルカディア王国の第一王女であり、そして――前世の記憶を持つ転生者でもある。


 今宵、ここで私は、世界で一番愛しい人を裏切らなければならない。


 彼を、殺さないために。




 ◇◆◇




 前世の私が生きていた世界には、『双月の悲劇』という恋愛小説があった。


 敵対する二つの大国。


 その王族同士が禁断の恋に落ち、戦争という巨大なうねりに翻弄されながらも愛を貫こうとする物語だ。


 しかし、その結末はあまりにも救いがなかった。


 二人の愛が深まれば深まるほど、両国の対立は激化する。


 まるで世界そのものが二人の結合を拒絶するかのように、誤解が誤解を呼び、血で血を洗う争いへと発展していくのだ。


 そして物語の最後、追い詰められた二人は、燃え盛る王城の塔から身を投げ、心中するというバッドエンドを迎える。


『来世では、平和な世界で結ばれよう』


 そんな美しい言葉を残して終わるその物語は、涙なしには読めない名作として語り継がれていた。


 けれど、実際にその「悲劇のヒロイン」になってしまった私にとっては、それは感動的な物語などではない。


 ただの、処刑宣告だった。


 私がその事実に気づいたのは、10歳の頃だ。


 高熱にうなされ、前世の記憶を取り戻した瞬間、自分が『双月の悲劇』のヒロイン、セシリア王女であると理解してしまった。


(嫌だ……。死にたくない。あんな苦しい思いをして、最後は心中なんて)


 最初は、自分の命が惜しかった。


 だから私は、原作のストーリーラインから外れるように生きてきたつもりだった。


 夜会には出ず、目立たないように振る舞い、政略結婚の話も病弱を理由に断り続けた。


 運命の相手である帝国の皇子とは、絶対に出会わないように注意を払っていたのだ。


 それなのに。


「運命」という名の強制力は、あまりにも残酷で、そして巧妙だった。


 2年前。


 お忍びで視察に訪れた街で、私は暴漢に襲われた。


 護衛とはぐれ、路地裏で絶望していた私を救ってくれたのが、彼だったのだ。


 ジークハルト・フォン・ヴォルグ。


 敵国ヴォルグ帝国の第一皇子であり、将来「氷の皇帝」と畏れられることになる、作中最強のスパダリヒーロー。


 月光を浴びて輝く銀色の髪と、すべてを見透かすような冷徹なアイスブルーの瞳。


 返り血ひとつ浴びずに暴漢を制圧したその圧倒的な剣技に、私は目を奪われた。


 原作を知っていたからこそ、彼が誰であるか一瞬で分かってしまった。


 逃げなければならない。


 関わってはいけない。


 そう頭では警鐘が鳴り響いていたのに、差し出された大きな手に、私は抗えなかったのだ。


『怪我はないか? ……酷く震えているな』


 小説の中の彼は、冷酷非道な鉄仮面として描かれていた。


 敵国の人間には容赦がなく、目的のためなら手段を選ばない冷血漢だと。


 けれど、私に向けられたその声は、驚くほど優しく、温かかった。


 その瞬間、私の運命は決定づけられてしまったのだと思う。



 私たちはあっという間に恋に落ちてしまったから。



 国境を越え、身分を隠し、何度も密会を重ねた。


 彼のために、私は王城の警備の隙間を調べ上げ、彼もまた、鉄壁と言われる帝国の監視を掻い潜ってくれた。


『セシリア。君が笑うと、世界が色づいて見える』


『君のためなら、俺は国さえ捨てられるかもしれない』


 そんな甘い言葉を信じたかった。


 二人でなら、どんな運命も乗り越えられると信じたかった。


 けれど、現実は小説通りに進んでいった。


 私たちが愛を育むのと比例するように、国境付近での小競り合いが増え始めたのだ。


 先月には、大規模な衝突が起きた。


 そして来週、ついに両国は全面戦争への準備を開始するという情報が入った。


『セシリアとジークハルトの恋が、戦争の引き金となる』


 原作のナレーションが、呪いのように脳内でリフレインする。


 このままでは、彼は死ぬ。


 私と一緒に、業火に焼かれて死ぬ運命にある。


 それだけは、絶対に阻止しなければならない。


 たとえ、私の心が引き裂かれたとしても──。


 カツン、と硬質な足音が響いた。


 私はハッと顔を上げる。


 思考の海に沈んでいた意識が、一気に現実へと引き戻される。


 崩れかけた石壁の向こうから、一人の男が現れた。


 闇夜の中でもそれと分かる、月光を織り込んだような銀髪。


 長身痩躯でありながら、衣服の上からでも分かる鍛え上げられた肉体。


 軍服風の黒いコートを翻し、彼は音もなく私の元へと歩み寄ってくる。


「……セシリア」


 低く、甘い、私の大好きな声。


 ジークハルト。


 彼は私を見つけるなり、普段の冷徹な表情を一変させた。


 氷が解けるように表情筋が緩み、瞳には情熱的な光が宿る。


「待たせてすまない。君が教えてくれた警備の配置のおかげで、スムーズに来ることができたよ」


 彼は私の目の前まで来ると、愛おしそうに手を伸ばしてきた。


 冷えた私の頬を、温かな掌が包み込もうとする。


「会いたかった。今日も綺麗だ、セシリア」


 その手から伝わる体温に、泣きたくなるほどの安心感を覚える。


 今すぐ彼の胸に飛び込んで、すべてを打ち明けてしまいたい。


 怖いのだと。助けてほしいのだと。


 けれど、私はその衝動を奥歯を噛み締めて殺した。


 バシッ、と乾いた音が廃教会に響く。


 私は彼の手を、思い切り振り払っていた。


「……ッ?」


 ジークハルトの動きが止まる。


 行き場をなくした彼の手が、空中で彷徨った。


 アイスブルーの瞳が、驚愕に見開かれる。


 無理もない。


 これまでの私なら、尻尾を振る子犬のように彼に抱きついていたのだから。


「セシ、リア……? どうした? 何かあったのか?」


 彼はまだ、私がただ拗ねているだけだと思っているのかもしれない。


 困ったように眉を下げ、再び私に触れようとする。


「触らないで!」


 私は叫んだ。


 喉が裂けそうなほど、鋭い声で。


 ジークハルトが息を呑む気配がした。


 私は一歩、彼から後ずさる。


 月の光が彼の顔を照らし出した。


 彫刻のように整った美貌が、不安に歪んでいる。


 そんな顔をさせたいわけじゃない。


 けれど、こうするしかないのだ。


 私はドレスの裾を強く握りしめ、あらかじめ用意しておいた「台本」を頭の中で広げた。


 冷酷な悪女になれ。


 彼に軽蔑されるような、最低な女になりきるのよ。


「……もう、終わりにしましょう、ジークハルト様」


「……え?」


「こういう遊びは、もう疲れましたの。国境を越えてまでコソコソと会い続けるのも、スリルがあって最初は楽しかったですけれど……もう飽きてしまいました」


 心臓が早鐘を打っている。


 嘘だ。


 飽きるはずがない。


 貴方と会える数時間だけが、私の人生のすべてだったのに。


 ジークハルトは、まるで異国の言語を聞かされたかのように、呆然と私を見つめていた。


「遊び……? 何を言っているんだ、セシリア。君は、俺を愛していると言ってくれたじゃないか。俺たちは、将来を誓い合った仲だろう?」


「ええ、言いましたわね。その方が、貴方様が喜んでくださると思いましたから」


 私は鼻で笑った。


 精一杯の冷笑を作る。


 頬が引きつっていないか心配だったが、暗闇がそれを隠してくれていることを祈る。


「貴方は帝国の第一皇子。私は王国の王女。本来なら敵同士です。そんな貴方を手玉に取るのは、王族としての義務……いえ、ただの暇つぶしとしては上出来でしたわ」


「嘘だ」


 ジークハルトの声が低くなる。


 先ほどまでの甘さは消え、敵国を威圧する時のような、冷たく重い響きを含んでいた。


「君の瞳は、そんなことを言っていない。俺に向けられたあの熱も、献身も、すべてが嘘だったと言うのか? 俺が贈ったこの髪飾りも、君は肌身離さず身につけてくれていたじゃないか」


 彼の視線が、私の髪に飾られた銀の髪留めに向けられる。


 彼が初めて私に贈ってくれた、大切な宝物。


 氷晶石で作られたそれは、彼の瞳と同じ色をしている。


 私は震える手で髪飾りを外し、それを無造作に足元の石畳へと投げ捨てた。


 カラン、と高い音が響く。


 それはまるで、私たちの関係が壊れる音のようだった。


「……っ!」


 ジークハルトの顔が、絶望に染まる。


 胸が張り裂けそう。


 ごめんなさい。


 ごめんなさい、ジーク。


 貴方を傷つけたいわけじゃないの。


 ただ、貴方に生きていてほしいだけなの。


「こんな安っぽい石、最初から気に入っていませんでしたの。貴方様に合わせて喜ぶふりをするのも、骨が折れましたわ」


 嘘。


 本当はすっごくお気に入り。


 私の宝物。


 私は彼から視線を逸らし、冷たく言い放つ。


「貴方のことなんて、最初から利用していただけです。帝国の情報を引き出すための甘い罠……それに引っかかった貴方様が愚かなだけですわ」


「セシリア……」


「もう二度と私の前に現れないでください。貴方の顔を見るだけで、虫唾が走りますの」


 言い切った。


 もう、これ以上は無理だ。


 これ以上彼の顔を見ていたら、仮面が剥がれて泣き崩れてしまう。


 大好きだと、愛してると叫んでしまう。


 私は彼に背を向けた。


 足がもつれそうになるのを必死に堪え、出口へと向かう。


 これでいい。


 これで彼は私を憎む。


 私を軽蔑し、二度と会おうとはしないだろう。


 そうすれば、原作の「愛による破滅」は回避できる。


 彼は帝国に戻り、私以外の誰かと結婚し、立派な皇帝として長生きするのだ。


 私は一生、愛のない政略結婚を受け入れ、塔の中で孤独に死んでいくだけでいい。


(さようなら、ジーク。愛していました。誰よりも、何よりも……)


 溢れそうになる涙を堪え、私は駆け出そうとした。


 その時だった。


 ガシッ! 


 背後から伸びてきた強い力に、私の右腕が掴まれた。


「……ッ!?」


 驚いて振り返ろうとした瞬間、視界が反転する。


 強引に引き戻され、私は硬い胸板に背中を押し付けられていた。


 背後から抱きすくめられる形だ。


 逃げようとしても、まるで鉄の鎖のように回された腕が、ピクリとも動かない。


「はな、放して! 無礼でしょう!?」


 やめてよ。


 こんなことしないでよ。


 私が、どれだけの覚悟で……。


 私は必死に叫んだ。


 けれど、耳元で聞こえた彼の声は、私が予想していたような怒号でも、絶望の嘆きでもなかった。


「……嘘だな」


 低く、けれど確信に満ちた声が鼓膜を震わせる。


「え……?」


「君は嘘をつく時、無意識に左手の小指が震える癖がある。それに、瞬きの回数がいつもの倍だ。呼吸も浅い」


 耳元に、彼の熱い吐息がかかる。


 背中越しに伝わる彼の心臓の音が、恐ろしいほど早くなっていた。


「俺が今まで、どれだけ君を見てきたと思っている? 君の仕草、声色、視線の動き……俺が知らない君など、どこにも存在しないんだ」


 囁かれる言葉の重さに、心臓が鷲掴みにされる。


「利用していただけ? 甘い罠? ……ふざけるな。そんな演技で、この俺を騙せると思ったのか?」


「ち、違います! 私は本当に……!」


「黙れ」


 有無を言わせぬ強い口調。


 けれどそこには、怒りよりも深い、底知れぬ執着が滲んでいた。


「君が何を恐れているのか、何を知っているのかは知らない。だが、勝手に終わらせることは許さない」


 拘束する腕の力が強まる。


 肋骨が軋むほど強く抱きしめられ、私は息ができなくなる。


「敵国同士? 王族の立場? そんなくだらない壁のために、君は俺を捨てるつもりか? ……笑わせるな」


 ジークハルトの低い笑い声が、背中から響いてくる。


 それは、私が知っている優しい彼のものではない。


 もっと昏く、重く、そして狂おしいほどの愛を孕んだ、捕食者の笑い声だった。


「俺から逃げられると思うなよ、セシリア。君が地獄へ行くというなら、俺がその地獄ごと買い取って楽園に変えてやる」


 背筋に、ゾクリとした戦慄が走る。


 私の知っている原作の彼は、こんなことを言う人ではなかったはずだ。


 彼は一体、何を考えて――。




 ◆◇◆




 少し時間を巻き戻そう。


 ジークハルト・フォン・ヴォルグは、闇に沈む廃教会の梁の上で、眼下に広がる光景を見下ろしていた。


 周囲には、すでに彼の配下の「影」たちが潜んでいる。


 この周辺を警備していたアルカディア王国の兵士たちは、すべて眠らせた。


 殺してはいない。


 そんなことをすれば、彼女──セシリアが悲しむからだ。


「……来たか」


 月明かりの下、崩れた壁の隙間から、小柄な人影が現れる。


 フードを目深に被っているが、その足取りだけで分かった。


 セシリアだ。


 俺の愛しい、世界でただ一人の女性。


 彼女が教会の中心にある聖女像の陰に隠れるのを確認し、俺は音もなく地面へと降り立った。


 心臓が高鳴る。


 戦場に立つ時よりも、初めて人を斬った時よりも、彼女に会う瞬間の方が遥かに鼓動が速い。


 冷静であれ。


 俺は帝国の皇子であり、次期皇帝となる男だ。


 感情を表に出すな。


 そう教育されてきた鉄仮面を被り、俺は彼女の前に姿を現した。


「……セシリア」


 名を呼ぶだけで、胸の奥が甘く痺れる。


 振り返った彼女の顔を見て、俺は思わず眉をひそめそうになったのを堪えた。


 顔色が悪い。


 白い肌が、月光のせいだけでなく、さらに蒼白に見える。


 瞳は不安に揺れ、まるで処刑台に向かう罪人のように怯えている。


(……また、痩せたか?)


 ここ最近、会うたびに彼女はやつれている気がする。


 原因は分かっている。


 俺たちの国の関係が悪化しているからだ。


 優しい彼女のことだ、戦争になれば多くの民が死ぬことを憂いているのだろう。


 だが、安心してほしい。


 その憂いは、今日ですべて終わらせる。


 俺は逸る気持ちを抑え、彼女に近づいた。


 冷え切った彼女の手を取り、温めようとした。


 その時だった。


 バシッ! 


 乾いた音が響き、俺の手が空を切った。


 拒絶。


 明確な拒絶の意思表示に、俺は一瞬、思考が空白になった。


「セシ、リア……? どうした? 何かあったのか?」


 問いかける声が震えなかったのは、長年培ってきたポーカーフェイスのおかげだろう。


 内心では、心臓が握り潰されたような衝撃を受けていた。


 彼女が、俺を拒んだ?


 なぜだ?


 嫌われたのか?


 いや、前回の逢瀬では、あんなにも幸せそうに微笑んでくれていたのに。


「触らないで!」


 悲鳴のような拒絶。


 その声の鋭さに、俺は動けなくなった。


 彼女が後ずさる。


 その瞳には、俺への愛着ではなく、必死の形相が浮かんでいる。


 そして彼女は、震える唇を開いた。


「……もう、終わりにしましょう、ジークハルト様」


 別れの言葉。


 頭を金槌で殴られたような衝撃だった。


 だが、それと同時に、俺の脳裏に冷静な分析回路が走る。


(……ジークハルト様?)


 彼女は二人きりの時、俺を「ジーク」と呼ぶ。


 愛称で呼んでくれと頼み込み、ようやく恥じらいながら呼んでくれるようになった。


 それをわざわざ、他人行儀な呼び方に戻した。


 彼女は続ける。


 遊びだった、飽きた、暇つぶしだった、と。


 その言葉一つ一つが、毒を含んだ矢のように俺に突き刺さる……はずだった。


 だが、俺の目は節穴ではない。


(……嘘だ)


 彼女の左手。


 ドレスの生地を握りしめているその小指が、小刻みに痙攣している。


 彼女が嘘をつく時、あるいは極度の緊張状態にある時の癖だ。


 それに、声のトーンが一定ではない。


 無理に低く冷たく見せようとしているが、語尾が震えている。


 まるで泣き出すのを懸命に堪えている迷子の子供のようだ。


「嘘だ」


 俺は確信を持って告げた。


 だが、セシリアは止まらない。


 自分は悪女だ、甘い罠だったと言い募る。


 そして。


「俺が贈ったこの髪飾りも、君は肌身離さず身につけてくれていたじゃないか」


 縋るように指摘した俺の目の前で、彼女はあろうことか、その髪飾りをむしり取り、地面に投げ捨てたのだ。


 カラン。


 無機質な音が、俺たちの間の空気を凍らせた。


「……っ!」


 言葉が出なかった。


 ショックを受けたからじゃない。


 投げ捨てた瞬間、彼女の顔が、まるで自分の身を切り裂いたかのような痛みに歪んだのを見たからだ。


(馬鹿な……)


 あんなに大事にしていたものを。


 いつだったか、留め具が少し緩んだだけで、涙目で俺に相談してきたほど大切にしていたものを。


 それを投げ捨てるほど、彼女は追い詰められているのか?


 彼女の言葉が続く。


 安っぽい石だの、虫唾が走るだの。


 言葉は鋭利な刃物のように俺を攻撃してくるが、その刃の持ち手は、彼女自身の手をも血塗れにしている。


「もう二度と私の前に現れないでください」


 そう言い放ち、彼女が背を向けた時。


 俺の中で、何かが弾けた。


(……ふざけるな)


 これ以上、彼女の茶番劇を見ているわけにはいかない。


 彼女が何を考えているのか、正確なところは分からない。


 両国の対立を気に病んでいるのか、あるいは父王あたりに何か吹き込まれたか。


「王族としての義務」と言った時の彼女の悲壮な顔。


 あれは、自分の意志で別れを選んだ顔ではない。


 何かもっと強大な、抗えない力に屈して、泣く泣く俺を突き放そうとしている顔だ。


(ふざけるな、ふざけるな、ふざけるな!)


 俺を愛していないだと?


 利用していただけだと?


 そんな下手な演技で、俺の目を誤魔化せると思うな。


 俺は彼女の背中を追い、その腕を掴んだ。


 力加減を間違えそうになるのを必死で理性が止める。


「……ッ!?」


 引き戻し、抱きすくめる。


 腕の中に収まる彼女の体は、あまりにも華奢で、そして小刻みに震えていた。


「はな、放して! 無礼でしょう!?」


「……嘘だな」


 耳元で囁くと、彼女の肩が大きく跳ねた。


 その反応だけで十分だ。


「え……?」


「君は嘘をつく時、無意識に左手の小指が震える癖がある。それに、瞬きの回数がいつもの倍だ。呼吸も浅い」


 彼女は息を呑んだ。


 図星を突かれた時の、可愛らしい反応。


「俺が今まで、どれだけ君を見てきたと思っている? 君の仕草、声色、視線の動き……俺が知らない君など、どこにも存在しないんだ」


 愛おしさが爆発しそうになるのを、怒りで上書きする。


 俺を騙そうとしたことへの怒りじゃない。


 彼女をここまで追い詰めた「何か」への、底知れぬ怒りだ。


「利用していただけ? 甘い罠? ……ふざけるな。そんな演技で、この俺を騙せると思ったのか?」


「ち、違います! 私は本当に……!」


「黙れ」


 否定する言葉さえ聞きたくない。


 俺は彼女をさらに強く抱きしめた。


 俺の体温で、彼女の恐怖も、迷いも、すべて溶かしてしまいたい。


「敵国同士? 王族の立場? そんなくだらない壁のために、君は俺を捨てるつもりか? ……笑わせるな」


 俺は笑った。


 自然と低い、喉の奥からの笑いが漏れる。


「俺から逃げられると思うなよ、セシリア。君が地獄へ行くというなら、俺がその地獄ごと買い取って楽園に変えてやる」


「……ジーク、何を……」


 混乱する彼女を、俺は抱き上げた。


 いわゆる「お姫様抱っこ」というやつだ。


「きゃっ!?」


「暴れるな。舌を噛むぞ」


 俺はそのまま、スタスタと廃教会の出口へと歩き出す。


「お、下ろしてください! どこへ連れて行く気ですか!?」


「決まっているだろう。俺の国だ」


「は……!?」


 セシリアが目を丸くして固まる。


 鳩が豆鉄砲を食らったような顔とは、まさにこのことだ。


「て、敵国へ……? 本気ですか? 誘拐ですわ! 国際問題になります!」


「誘拐ではない。駆け落ちだ。……いや、略奪婚か?」


「そういう問題ではありません! 今、両国は一触即発の状態なのですよ!? 私が帝国に連れ去られたなんてことになったら、それこそ戦争の口実に……」


「ならない」


 俺は短く断言した。


 廃教会の外には、すでに馬車が待機している。


 ただの馬車じゃない。


 魔法による防音・防振、そして認識阻害の結界が施された、俺専用の隠密用馬車だ。


 御手台に座る従者に目配せをし、俺はセシリアを抱いたまま馬車へと乗り込んだ。


 扉が閉まり、外界と遮断される。


 柔らかなクッションの座席にセシリアを座らせると、俺はその隣に腰を下ろし、逃げられないように即座に肩を抱き寄せた。


「な、ならないって、どういうことですか……?」


 セシリアはまだ混乱の渦中にいる。


 涙で濡れた瞳で俺を見上げてくるその姿が、嗜虐心を煽るほど愛らしい。


 俺はたまらず、その目尻に滲んだ雫を舌先で愛おしげに掬い取った。


「……んっ、ジーク……!?」


「甘いな。……セシリア、君は賢い女性だが、少し情報を集めるのが遅かったようだな」


「情報……?」


「君が俺との別れを決意して、下手な演技の練習をしている間に……俺が何もしなかったと思っているのか?」


 俺は彼女を自身の膝の上に抱き上げると、空いた片手で懐から一通の封蝋された手紙と、一枚の羊皮紙を取り出した。


 彼女の目の前にかざして見せる。


「な、んですか、これ……。こっちは……父様の筆跡?」


「中を見てみろ」


 促されて、彼女が震える手で封を切る。


 中から出てきたのは、彼女の父王からの親書だった。


『我が最愛の娘、セシリアへ。ヴォルグ帝国の皇子殿下より、熱烈な求婚を受けた。彼とならば、両国の未来は明るいだろう。私のことは気にするな。幸せになりなさい』


「え、えええっ……!?」


 セシリアが素っ頓狂な声を上げた。


 目を白黒させて手紙と俺を交互に見ている。


「そ、そんな……父様は、帝国のことをあんなに敵視していたのに……」


「まあ、少しばかり『説得』させてもらった」


 俺は羊皮紙の方を指先で弾いた。


 そこには、両国の紋章と共に『不可侵条約および通商連合設立に関する合意書』と記されている。


「説得……まさか、脅したのですか?」


「人聞きが悪いな。ただ、利害を一致させただけだ。それに、普通に嫁ぐとなれば手続きに時間がかかる。その間に反対派が君を害する可能性もあった」


「だから、形式上は『帝国皇子による強制的な拉致』にした。これなら君は『連れ去られた被害者』だ。祖国で裏切り者扱いされることもない」


「そ、私の立場を守るために……あんな乱暴な真似を?」


「半分はな。……あとの半分は、単に俺が今すぐ君を奪いたかっただけだ」


 俺は彼女のうなじに顔を埋め、その甘い香りを胸いっぱいに吸い込みながら続けた。


「先月、国境で起きた小競り合い……あれを扇動していたのが、君の国の貴族の一部だったことは知っているな?」


「は、はい。ですから、私は彼らがこれ以上暴走しないように……」


「君が裏で、必死に証拠を集めていたことも知っている。……だが、これからはそんな危険な真似はしなくていい」


 俺は首筋に吸い付き、所有の証である痕を刻みつけながら囁く。


「君を煩わせる害虫は、すべて俺が排除した」


 セシリアがびくりと肩を震わせた。それは恐怖からか、それとも与えられる快感からか。


「は、排除って……」


「君の国で戦争を煽っていた連中は、昨日のうちに全員投獄された。我が国の馬鹿共も、俺が粛清した。……ん、いい匂いだ」


「ちょ、ジーク、くすぐったい……! 説明を、説明をしてください!」


「だから説明しているだろう? これで、戦争を望む勢力は両国から消え失せたわけだ」


「そ、そんな……たった一日で……?」


「一日じゃない。君と出会ってからの二年間、ずっと裏で網を張り、餌を撒き続けてきた。証拠は全て揃っていたんだ。昨日はただ、その網を一気に引き上げたに過ぎない」


 俺は彼女の手を取り、その指先に口づけを落とした。


 震えはもう止まっている。


 代わりに、混乱と驚きで熱くなっているようだ。


「俺は言ったはずだ。『君のためなら国さえ捨てられる』と」


「そ、それは……」


「だが、国を捨てれば君に苦労をかける。だから方針を変えた。『君のために国を変える』ことにしたんだ」


「……っ」


「皇帝の座も、国の情勢も、すべては君を幸せにするための道具に過ぎない。俺が欲しいのは権力じゃない。君だ、セシリア」


 甘く、重く、逃げ場のない愛を込めて、俺は彼女を見つめた。


 彼女の顔が、ゆでダコのように真っ赤に染まる。


「そ、そんな……だって、原作……じゃなくて、歴史上、そんなことありえなくて……」


 彼女が何かブツブツと呟いている。


「げんさく」というのが何のことかは分からないが、彼女が懸念している「歴史」や「前例」のことだろう。


「前例がないなら、俺たちが作ればいい」


 俺は彼女の腰を引き寄せ、その耳元に唇を寄せた。


「覚悟しろ、セシリア。君が泣いて嫌がろうと、もう二度と離してやるつもりはない。君は死ぬまで、俺の隣で幸せになる義務があるんだ」


「そんな、無茶苦茶な義務……んっ!?」


 反論しようとした彼女の唇を、俺は容赦なく塞いだ。


 馬車が動き出す。


 車輪の音が、俺たちの新しい未来へのファンファーレのように響いていた。


 これで終わりじゃない。


 俺の愛がどれほど深いか、これからの人生ですべて分からせてやるつもりだ。


 彼女が二度と、「別れましょう」なんて戯言を口にできないように。


(そういえば、さっき投げ捨てた髪飾り……あとで影に拾わせておかなければな)


 キスの合間にそんなことを考えながら、俺は彼女をさらに深く抱きしめた。




 ◇◆◇




 帝国への道中、私はジークハルトの腕の中で、呆然としたまま揺られていた。


 窓の外を流れる景色は、かつて原作で「死の荒野」と描写されていた国境地帯だ。


 けれど今、そこには見張りの兵士たちの姿はなく、代わりに街道を整備する人々の姿が見える。


 すれ違う商隊の馬車には、我がアルカディア王国の紋章と、ヴォルグ帝国の紋章が並んで掲げられていた。


「……本当に、平和になってしまったのですね」


 私がぽつりと呟くと、隣で書類(おそらく結婚式の招待客リストだ)に目を通していたジークハルトが、顔を上げて微笑んだ。


「まだ実感がないか?」


「ありません。だって、私が知っている未来では、ここは血の海になるはずでしたから」


「血の海か。掃除が大変そうだな」


 彼は冗談めかして言うけれど、私は笑えなかった。


 まだ、怖いのだ。


 彼がどれほど完璧に根回しをしてくれても、心の奥底にこびりついた「原作の強制力」への恐怖が消えない。


『双月の悲劇』における最大の絶望。


 それは、戦争だけではない。


 二人の仲を引き裂く決定的な要因として登場する、「聖女の予言書」の存在だ。


 原作の中盤、帝国の地下書庫から発見されるその予言書には、こう記されている。


『北の銀月と南の金陽が交わる時、災厄の獣が目覚め、世界を滅ぼすだろう』


 銀月は銀髪のジークハルト、金陽は金髪の私。


 この予言が見つかったことで、民衆は恐怖し、二人の処刑を望むようになるのだ。


 それが、最終的な心中エンドへの引き金となる。


 戦争は回避できたかもしれない。


 でも、あの予言書が見つかれば、また何かが狂い出すのではないか。


 不安で指先が冷たくなる。


 その震えに気づいたのか、ジークハルトが書類を置き、私の手を両手で包み込んだ。


「セシリア。まだ何か、隠していることがあるな?」


 彼の瞳は、すべてを見透かしている。


 もう、隠し事はできない。


 私は覚悟を決めて、小さな声で打ち明けた。


「……予言、なんです」


「予言?」


「はい。帝国の地下書庫に、古い予言書が眠っているはずです。そこには、私たち二人が結ばれると世界が滅ぶと……そう書かれているのです。それが発見されれば、また貴方が窮地に立たされてしまうかも……」


 言いながら、涙が滲んでくる。


 なんて理不尽な世界なのだろう。


 ただ愛し合っているだけなのに、なぜ世界まで敵に回さなければならないのか。


 けれど。


 私の悲壮な告白を聞いたジークハルトは、きょとんとした顔をした後、あろうことか「ぷっ」と吹き出したのだ。


「……え?」


「く、くくっ……あはははは! なんだ、そんなことか!」


 彼は腹を抱えて笑い出した。


 涙が出るほど笑っている。


 私はあまりの反応に、涙も引っ込んでしまった。


「そ、そんなことって……! 大問題ですわ! 民衆がそれを信じたら……!」


「ああ、すまない。笑い事ではないな。だが、安心しろセシリア。その予言書なら、もうこの世に存在しない」


「……はい?」


「先月だったか、地下書庫の大掃除をした時に見つけたんだ。カビ臭い古書だったな。『銀と金がどうとか』と書いてあった気がするが……内容がくだらない上に、紙質が悪くて保存状態も最悪だった」


 彼は事もなげに言った。


「だから、暖炉の焚きつけにした」


「……は?」


 思考が停止する。


 焚きつけ?


 あの、物語の根幹を揺るがす最重要アイテムを?


 ラスボス級の絶望をもたらすあの予言書を?


「燃やしたのですか……? 読んで、すぐに?」


「ああ。俺は迷信の類は信じない主義でな。それに、俺と君が結ばれて世界が滅ぶ? 逆だろう。俺たちが結ばれれば、両国は繁栄し、世界はより豊かになる。そんな当たり前のことも分からない著者の本など、読む価値もない」


 ジークハルトは傲然と言い放った。


 その表情には、一点の曇りもない。


 彼は本気でそう思っているのだ。


 運命などという不確かなものより、自分の実力と、私への愛を信じている。


「な、なんてことを……」


 私は脱力して、背もたれに沈み込んだ。


 原作のヒロインたちが命がけで抗い、それでも勝てなかった「運命」。


 それを、この男は「掃除のついで」に燃やしてしまったのだ。


「……ふふっ」


 今度は、私が笑う番だった。


 こみ上げてくる笑いが止まらない。


 なんて強い人なのだろう。


 なんて頼もしい、私のヒーローなのだろう。


「あはは……! そうですわね。燃やして正解ですわ。あんな意地の悪い予言なんて、灰になってしまえばいいのです」


「ようやく笑ったな」


 ジークハルトが優しい目で私を見る。


 彼は私の隣に移動すると、愛おしそうに肩を抱き寄せた。


「セシリア。君が恐れていた『運命』とやらは、俺がすべて始末した。この先、どんな障害が現れようと、俺がねじ伏せてみせる」


「……はい。信じます」


「だから君は、ただ俺に愛されていればいい。……それとも、まだ不満か?」


「不満なはずがありません。……ただ、一つだけ」


 私は彼の胸に顔を埋め、上目遣いで彼を見つめた。


 今なら、素直に言える気がした。


「あの時……嘘をついてごめんなさい。貴方を傷つけるようなことを言って、本当にごめんなさい」


「ああ、あれか」


 彼は意地悪く口角を上げた。


「確かに傷ついたな。『虫唾が走る』だったか? あれはなかなか堪えたぞ」


「うっ……それは、その……」


「だが、許してやらんこともない。……ただし」


 彼は私の顎を指ですくい上げ、顔を近づける。


 アイスブルーの瞳が、熱を帯びて妖しく輝いていた。


「一生かけて償ってもらう。覚悟はいいか?」


 その言葉の意味を理解した瞬間、私の顔は火が出そうなほど熱くなった。


 けれど、もう逃げたりはしない。


「……はい。望むところです、ジーク」


 重なる唇。


 甘く、とろけるような口づけが、私の中にある最後の不安を溶かしていった。


 馬車は国境を越え、光り輝く帝都へと進んでいく。


 そこにはもう、断頭台も、燃え盛る塔も待ってはいない。


 ただ、彼と生きる幸せな未来だけが待っているのだ。




 ◇◆◇




 それから一ヶ月後。


 ヴォルグ帝国の帝都は、かつてないほどの祝賀ムードに包まれていた。


 街中の至る所に花が飾られ、人々が歌い、踊っている。


 その中心にある皇城の大聖堂で、世紀の結婚式が執り行われようとしていた。


「……緊張しているか?」


 控室で、純白のウェディングドレスに身を包んだ私に、ジークハルトが声をかける。


 今日の彼は、正装である白と金の軍服を纏っていた。


 ただでさえ見目麗しい彼が、正装でビシッと決めている姿は、直視できないほどの破壊力だ。


 先ほどから侍女たちが頬を染めて倒れそうになっているのも無理はない。


「す、少しだけ……」


 私が正直に答えると、彼は満足そうに頷き、私の手を取った。


「俺もだ。……ようやく、君を誰にも邪魔されずに独り占めできると思うと、武者震いが止まらん」


「それは武者震いと言うのでしょうか……?」


 苦笑する私の左手の薬指には、大粒のダイヤモンドと、あの氷晶石が埋め込まれた指輪が輝いている。


「安っぽい石」と私が投げ捨ててしまったあの髪飾りを、彼が加工し直して作らせたものだ。


『二度と外せないように、指輪にした』


 そう言って笑った彼の執着心に、私は少しだけ背筋がゾクリとしたけれど、それ以上に胸がときめいてしまったのだから、もう私も手遅れなのだろう。


 鐘の音が響く。


 扉が開かれる合図だ。


「行こう、セシリア。俺たちのハッピーエンドへ」


 差し出された手。


 かつて路地裏で私を救い出し、国境で私を奪い返し、運命さえもねじ伏せた、最強の手。


 私はその手をしっかりと握り返した。


「はい、ジークハルト様」


 光溢れるバージンロードの先へ。


 私たちは歩き出す。


 前世の記憶も、悲劇の予言も、もう関係ない。


 世界を滅ぼすはずだった予言書はもう灰になり、私の隣には、運命さえもねじ伏せる最強の皇帝がいる。


 ここから始まるのは、誰が何と言おうと、私たちが二人で紡ぐ、最高に幸せな物語なのだから。

 

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