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追放された天界の王子が裸で空から降ってきたので、仕方なく同居することにしました  作者: YUMEAREA


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1. 私の人生に書かれなかった文字

その日はすべてに満足していた。


厳しかった11月の冬風は静まり、日差しはまるで春の日のように頬をくすぐり、暖かかった。 受験シーズンの寒波という言葉が無意味なくらいだった。


高校3年間ジュヨンを苦しめたプレッシャーは、大学入試という四文字に集約される。 しかし、そのすべてが奇跡のように終わり、ついに青春の自由を満喫できる日がくるなんて!


どうして喜ばしくないはずがあるだろうか。 たとえ大雪が降り地球を覆い尽くしても、受験が終わるだけでジュヨンは幸せだった。


さらに試験結果も大満足だったため、ひょっとして大学入試満点という栄光を手にするのではないかと恐ろしいほどだった。


……というのは夢だ。


ジュヨンは何年も勉強したのに知っている問題より知らない問題の方が多いと空に向かって拳を振り上げた。 誰かが見れば頭に花でもつけていそうな「狂った女」……まさにそんな感じだった。


さらに真冬に豪雨が降るのはなぜなのか、最近降った雪が積もっていて黒い埃と一体となり、雨で溶けてめちゃくちゃに道路を覆っていた。


「おい! ジュヨンジュヨン! 試験どうだった?」


ジュヨンは自分を見つけて近づいてきたヨンミを見ないふりをして、つま先で積もっている雪玉を蹴り飛ばした。


「ジュヨンジュヨン! どうだったの!?」


「一度だけ呼べよこのばか! 今ラップする気分か?」


ヨンミはいつの間にかジュヨンの傘の中に飛び込んできて、ジュヨンジュヨンと叫びながらニコニコしていた。 ジュヨンはやむを得ず受け入れ、ため息をついた。


「お前の名前は二度呼ばないと語呂が悪い。ライムが最高だろ?」


「最高って何が最高なんだよ? 洗っていないから脂でベタベタになっているお前の髪をどうにかしろよ。臭くてたまんないんだよ」


ジュヨンの言葉にヨンミがバカみたいににやにや笑って頭をかいた。 あの大学入試が何だって一ヶ月以上も髪を洗わないなんて許せないとジュヨンが拳を握って見せた。


「試験が終わったから今日は洗うよ。私も飽きた。それはそうと試験どうだったんだって?」


「どうだったって? 誰があんな問題を作ったのか本当に理解できない。合格させるつもりなのか、不合格で自殺させるつもりなのか? 知らない問題は許せるけど、どうして混乱する問題が半分以上なんだ? 大学は私の人生に書かれていない文字のようだったんだ」


「大学は僕の人生に書かれていない文字みたいだ」


「おお……本当に? 僕だけそう思っていたのかと思っていたけど、安心したよ」


「まったく、このバカたれが!」


「わっ! 冷たい!」


ジュヨンは傘を持ったままヨンミをそのままにして、横に避けた。 ザーザーと降る雨が全身をびしょ濡れにして、ヨンミは泣きそうな顔になり、急いでジュヨンの傘の中にまた飛び込まなければならなかった。


「まったく、ひどいよ。それでも君は推薦で合格したじゃない。僕はどうしても浪人しなきゃならないんだから」


ヨンミが不満そうに言った。


推薦……ジュヨンは保険として看護学科に応募しており、いわゆる滑り止めは合格していた。 勉強はそれなりにしていたが、いつも2位か3位だった彼女は、医大に行ける実力はぎりぎりだった。


頑張ればできると思っていたが、どんなに頑張ってもできないものがある。それが勉強だった。 浪人する余裕のない家庭、ジュヨンはどうしても医大に行きたかった。


幼い頃に母を失ったあの日以来、ジュヨンの目標は母を送り出すしかなかったその病気を征服することが宇宙征服よりも急務だった。


「それはただの保険だよ。僕は必ず医大に行くんだ」


ジュヨンは青信号に合わせて足を踏み出した。ヨンミも並んでそばにいた。 ジュヨンは彼女がおしゃべりする声を聞いていたが、頭に入ってこなかった。


職員室に静かに呼ばれ、給食費滞納を弁明していた自分の姿が思い浮かんだ。それを雨水に浮かんだものとして、荒々しく歩を進めて消し去ろうとした。 母を送り出し、長い病気で借金まみれになった父が酔って一人ですすり泣いていたある夜の記憶も思い出された。


ジュヨンはその記憶さえもびしょびしょと次の一歩で消し去ろうとした。


「雨がひどく降るね。こんな冬に」


ヨンミはジュヨンの腕にぶら下がりながら愚痴をこぼした。 点滅する青信号が二人の歩みを急かした。


人生の最後の試験のように思える修能(大学修学能力試験)、しかし絶対にそうではないとジュヨンは口を閉ざした。 トッポッキを食べに行こうと言うヨンミの無邪気さ、お小遣いに困っていない彼女にお腹が空いていないと弁明するジュヨンは、空腹のお腹が憎らしかった。


そんな彼女をヨンミがずるずると引っ張って行った。いつもジュヨンの心を占い師のように見抜く彼女だった。

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