いきなりの展開
オレは休み時間、暇をしていた。
やっと数学が終わったぜーぃ!と、だれもみていないことを確認して、中二病がしそうなポーズをとって、数学の亡霊を退散する儀式をして、のんびり過ごしていた。
すると、学年一美少女が友達とオレのことをチラチラみていた。
あ…これは絶対さっきのポーズみられてて、バカにされてるやつ…ですね。
だれもオレなんか眼中にないと思っていたのに…
これは、うっかりです。
一気に恥ずかしくなり、大人しく座っていることといたしましょうね。
と、静かにしていたら…
なんか…なんか、学年一の美少女とその友達が、
「ねぇ」
と、まさかのオレに話しかけてきた?
⁉︎
背後からする声…
いやいや、まさかね?
でも…
オ、オレかっ⁉︎
一応後ろを振り向いた。
咄嗟に振り向いたから、背後霊と事故キスしたかもしれん…
オレのファーストキスが…
まさか…ファーストキスが背後霊とか…それってどうなの⁉︎って、今はそれどころじゃない‼︎
「あのさ、佐藤くん」
佐藤…
オレの苗字を呼ぶ美少女。
それだけで、オレは幸せです。
さっきのポーズキモいねって、言われてもオレは幸せです。
だって、こうやって絶対接点なんてないはずの美少女がオレに話しかけてくださったんですもの。
オレは、気を取り直し
「あ…なんでしょう」
と、ののしられるのを覚悟して返事をした。
すると、美少女のお友達がいきなり
「このこもらってくれない?」
と、言ってきたじゃないかっ⁉︎
「えっ⁉︎オ、オレに⁉︎」
「うん、お願い。ダメかな?」
美少女が、自らオレに懇願してきた。
…
こ、これは…まさかさっきのポーズに一目惚れしたんかな?
でも、オレは美男子でもないのに…
いきなり、こんな奇跡ってありますの?
「えっと…オレだよ?」
「「うん」」
…
どうしたん?
オレって、数学の授業うけてる間にいつのまにか整形も受けてた…り?
え、普通に座ってただけだよね?
鏡がみたい。
今すぐにっ‼︎
「あ、ちょっとだけトイレいい?」
「うん」
オレは立ち上がり急いでトイレへと向かった。
待て待て、オレが美少女を待たせてトイレだぞ?
なんだオレ?
どうしたオレ?
慌ててトイレへと駆け込んだ。
そして鏡をみるも…
普通
普通の普通
超普通…
え?
普通だけど?
逆に普通すぎてびっくりだわ。
トイレから出て、普通のオレは教室へと戻った。
さっきのは、夢なんだよね?
休み時間にウトウトしてて、夢をみたんだ。
うん、そうそう。
しれっと椅子に座った。
すると、美少女が友達とまたこちらに向かって来る…
でもさ、絶対通り過ぎるに決まってる。
って、しれっとしてたら…
やっぱりオレの前に来た…
「さっきの話なんだけど…ダメ?」
って、オレにまたも話しかけてくれる美少女…
なんか、わかんないけどとりあえずのっかってみた。
「いいよ」
って。
そしたら、お友達と美少女がハイタッチして、オレににっこり
「ありがとう」
って言ってきた。
え、これって…
成立したん?
オレと美少女って、今日の今から付き合ってんの?
まさか…ね。
よくわからないまま、放課後を迎えた。
さて、よくわからない一日でしたが帰ろっと。
バッグを背負うと、美少女がいきなり
「お家知りたいから一緒に帰らない?」
と、なんとも積極的発言をしてきた。
えっ⁉︎
オレの家を知りたいだと⁉︎
これは…ガチで付き合ってる?
「あぁ、いいよ」
と、オレものっかってみた。
…
で、普通に一緒に帰ることになった。
え、なんなん?これは…
いきなりすぎん?
冗談なんだよね?
「あのさ…なんでオレなの?」
肩を並べて歩く美少女に尋ねてみた。
「え、なんか優しそうだから」
と、微笑む美少女。
…
へぇ
…
そ、そうなんだ?
よくわからないけど、休み時間にいきなり学年一の美少女に告白されて付き合うことになりました。
続く。




