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第23話「ロリコンニート勇者です。仲間をロリ化させたんだけど何か文句あるw?」(6/6)

図書館の天井が軋み、壁には無数の亀裂が走っていた。

グミとクッキーの戦闘は激しさを増し、魔力の衝突が空間を歪ませている。


クッキーは衝撃波系の魔法を連続で放ち、空間を爆ぜさせる。

グミは炎の魔法で応戦し、死霊に噛みついて眷属化を進めていた。


「ゾンパイアやん……」

チョコレートは呆れたように呟きながら、柱の陰に身を潜めている。


そのとき、キャンディが周囲の崩壊状況を見て、冷静に判断を下した。


「……このままでは、崩落する。撤退すべき」


ビスケットも拳を握りながら、うなずく。


「グミとクッキーは止まらん。あたいらが巻き込まれたら、終わりだがや」


キャンディはチョコレートに近づき、肩を貸す。


「立てる?」


「うん……たぶん」


ビスケットはゼリーの腕を掴み、無言で引きずる。


「え、えぇ……?あたし、担がれるの……?」


「黙ってついてこい。命惜しいならな」


キャンディとビスケットは、崩れかけた通路を慎重に進みながら、

チョコレートとゼリーを連れて図書館からの脱出を開始する。


背後では、グミとクッキーの魔法がぶつかり合い、

炎と衝撃波が空間を切り裂いていた。


図書館の天井が、ついに大きく崩れ落ちる。


「……急げ」


キャンディの声は静かだが、確かな緊張を帯びていた。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



図書館の崩壊が進む中、キャンディとビスケットは冷静に判断を下し、

チョコレートとゼリーを連れて脱出した。


魔力の余波が背後で爆ぜる音を聞きながら、彼らは無言で走り続ける。


そして、たどり着いたのは――


チョコレートの家。

城の一角にある、妙に生活感のある一室。

カーテンは閉め切られ、家具は散らかり、タブレットとアニメグッズがそこかしこに転がっている。


「……帰宅」

キャンディが部屋を見渡しながら呟く。


「ここが一番落ち着くがや」

ビスケットはゼリーをソファに放り投げるように座らせる。


チョコレートは床にへたり込み、天井を見上げた。


「……命拾いしたな。俺の部屋、最高。もう絶対、部屋から出ない。」

華麗なるヒキニート宣言。


ゼリーはソファで丸くなりながら、ぽつりと呟いた。


「……あたし、ほんとに役立たずだったな……」


キャンディは紅茶を淹れ、静かにゼリーの前に置いた。


「……飲んで」


「え、あ……ありがとう……」


その夜、部屋は静かだった。

グミとクッキーの戦闘はまだ続いているかもしれないが、ここは別世界のように穏やかだった。


そして――


深夜、玄関の扉が静かに開いた。


「ただいま~。あたし、帰ってきたよ~。あたしだけ置いてきぼりって、あたし大切にされてなくない?ないがしろじゃない?こんな家、粉々の消し炭にできるんだよ?」


クッキーが、メンヘラバリバリで元に戻ったマギーを連れて帰ってきた。

マギーは少し眠そうな顔で、チョコレートに手を振る。


「チョコレートさん……無事で、よかったと」

マギーは眠そうだ…。


「また魔王軍のグミに命を狙われて…たまたま居合わせたクッキーさんに助けてもらったと」



「お、おう……」

チョコレートもグミには畏怖の感情が芽生える


クッキーはソファに腰を下ろし、ゼリーの隣に座る。


ゼリーはしばらく黙っていたが、ぽつりと呟いた。


「……ってか、グミの術を解いて、マギーに戻せばよかったんじゃ……?」


その言葉に、部屋の空気が一瞬止まった。


クッキーは目を閉じて、肩をすくめる。


「うん、それ、今さら気づいた?まあでも久々に全力で戦いたかったし。良かったんじゃない?」


ゼリーは顔を伏せ、膝を抱え込む。


「……ほんとに、あたしって……」


マギーはそっとゼリーの肩に毛布をかけた。


「……寒かろうけん」


「あたしの図書館、なくなっちゃった…」

涙ぐむゼリー


「…ここ、住む?」

キャンディは提案するが



「駄目だ!駄目だ!俺の家は定員オーバーだ!」

チョコレートが割って入る



涙ぐむゼリー



その様子を見てマギーが、静かに口を開いた。


「……うちに来ても、よかよ。ゼリーさんが望むなら……」


一拍置いて、少しだけ真剣な表情になる。


「ただし……保育園の手伝い、お願いするけんね。

それでもよかなら、家事は分担で……うち、ひとりじゃ手が回らんとよ」



その言葉には、遠慮と優しさ、そして少しだけ覚悟が滲んでいた。


ゼリーはグミにメチャクチャ怯えて首を左右にブンブンと振る。




チョコレートはその様子を見て、ふと立ち上がった。


「……これから俺が言うことを、凄く高圧的に偉そうにゼリーに言ってくれ。」

チョコレートはマギーに耳打ちした。


「え?」


ぼそぼそぼそぼそっ


マギーは恥ずかしそうに「そ、そんなこと言うんですか?」と赤面する。


言わないとゼリーと住めないぞ?とチョコレートは笑う。




マギーは喉を鳴らし、低く冷たい声で言い始める。


「こ…、このたび、そなたが住処を失った原因の一端がわらわにあるとするならば、その償いを果たさぬわけにはいかぬ。見捨てるほど冷酷なつもりもない。よって、わらわの屋敷に来ることを許す。ただし、家事は分担としよう。そして、保育園の手伝いなど、まさか、この高貴なるわらわにさせるつもりではあるまいな?そのようなことがあれば、無礼の代償は重くなるぞ、くくく…。」


ゼリーはぽかんと口を開けていた。


「……え、グミ様ってそんな優しかったっけ……?」


「いや、俺の妄想込みだけど、たぶん“言いそう”なラインを攻めた」


ゼリーはしばらく黙っていたが、やがて恐る恐る小さく頷いた。


マギーは赤面して凄く恥ずかしそうだ


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