第20話「ロリコンニート勇者です。仲間をロリ化させたんだけど何か文句あるw?」(3/6)
「……なあ、クッキー。俺、戦えないからな。お前が助けないなら、最後の手段を使うからな。それが原因で、どうなっても知らないからな。」
ハッタリか?チョコレートは、まだ切り札があると言わんばかりに強気で言う。
ただ、この方法は使いたくないらしく唇をかむ。
クッキーは魔王様にLINEを送りながら、ちらりと視線を向ける。
「うん、知ってる。だから、あたしは戦わないよ~。面倒くさいし。その切り札っての見せてよ。ニートの切り札って気になるし。」
ゼリーは魔法の詠唱を始める。
「ゼラチンゼラチン!ゼラチン!」
「その言葉!後悔するなよ!」
チョコレートは柱の陰から、堂々と出てきた。
「諦めたの?じゃあ、かわいくなっちゃえ♡」
「あぁ…ゼラチンだかポコチンだか、知らねーけど!やれるもんなら、やってみろよ!!!」
チョコレートは挑発した。
「ゼラチン!!!」
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チョコレートは隠し持ってた鏡を出して、ゼリーの魔法を反射するように構える。
魔法が放たれた瞬間、鏡に当たった光が四方八方に跳ね返り、
その光の一つが攻撃したゼリー本人に直撃した。
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しかしゼリーはクスクスと笑う。
「えぇ~?なになに?反射とか、ちょっと頭使ったつもり~?かわいい~♡
でもねぇ、あたしって何千年も生きてるの。数十年くらい巻き戻されたって、何も変わらないのよぉ~?むしろ、ちょっと肌ツヤよくなったかも♡」
ゼリーは勝ち誇った感じだ。
「これがチョコレートの切り札?期待外れね。」
クッキーはがっかりしたと肩を落とす。
「最初から、そんなもん期待しちゃいね~よ。ボスキャラに即死攻撃が効かないの何てRPGじゃ当たり前だろ?お前に当てたのはおまけだよ。」
チョコレートは走ってクッキーの後ろに避難する。
「どういうこと?…ま、まさか、あなた」
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「……っ」
マギーの瞳が赤く染まり、空気が変わる。
「何処じゃ?ここは?」
話し方が違う。
「…よし、計算通り。」
チョコレートの計算はゼリーの幼児化ビームをマギーに当てること
マギーになる前、すなわち全盛期の吸血鬼グミにまで逆行させれば、戦力としては大きい
ただしグミのことを知らないチョコレートからはかけでしかなかった。
「なんじゃ?どこかと思えば、魔王軍幹部でも使えぬ烙印を押された者たちが捨てられる、いわば魔王軍幹部だったものの墓場ではないか。」
グミはそう笑う。
「……はぁ?なにその言い方ぁ~?
あたしが“使えない幹部”だってぇ? ちっちゃいくせに、偉そうにしちゃってぇ~♡」
ゼリーは笑顔を保ちながらも、瞳の奥に怒気を宿す。
「なぁ。グミをゼリーにけしかけようとはしたけど、何でゼリーもグミを狙ってるんだ?魔王軍幹部って仲悪いんか?」
チョコレートはクッキーに聞く。
「ゼリーちゃんは、あのゼラチンしか使えないからねぇ~。正直可愛いし。いい子だから魔王様も目をかけてたんだけど、他の幹部…。特にグミには、よくいじめられててね~。彼女の名誉もあって、勇者に封印されたことにしてたのよ。本当は、ここは左遷部署、一日、だらだら過ごしてればいい部署よ。」
クッキーはコーヒーを飲みながら言う。
「めっちゃいい部署やん!俺も魔王軍入ろうかな!」
チョコレートは目をキラキラ輝かせる。
「いいよぉ~?じゃあ、見せてあげる♡“本気”のゼラチンってやつをさぁ~!
おっきい人も、ちっちゃい人も、みんなまとめてゼリーにしてやるぅ~♡」
魔法陣が輝き、空間が軋む。
ゼリーはスカートをひるがえしながら、両手を広げて詠唱を始める。
「ゼラチン!!!」
鋭い光が再びグミに直撃する。
グミは避ける素振りもなかった




