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リベルタス・オンライン 〜バグでレベル0&ステータス最弱に固定されたので、全力で縛りプレイやります〜  作者: たなかくんハイパー


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サムライ(レベル0)VS墜ち武者(レベル28)

 表示されたウィンドウ……角にヒビが入っているように見える……。ユグドラシルの時もこんなのがあったっけ? ダメだそこまで見てなかった。

 そしてラセツの頭上には、今までモンスターには見ることの出来なかった「Lv(レベル)」の表記が。現在、Lv28。EXのくせにレベルが低いってどういうことだよ。


 で、「その刀で殺せ」か。つまりこいつを取れば戦闘開始。

 深呼吸して準備万端……いくぞ!


 突き刺さった「至高の刀」を引き抜くと、俺の身体が光を放ち始めた。

 そして服装が変わり、黒の着流しに。カッコいいんだが……なんだ、これは?

 するとスキルのウィンドウが表示される。


 --------------------------------------

 [スキル]

 ・一文字斬(いちもんじぎり)

 ・居合(いあい)

 ・飛燕(ひえん)

 ・一閃(いっせん)

 ・ハト

 ・リトルボム


 続きを表示...

 --------------------------------------


 なるほど理解した。漢字のカッコいいスキルたちは「至高の刀」を持ったことで追加されたのだろう。それしかアクションしてないからほぼ確定。

 刀とスキルが使える状態でこのラセツに勝てばいいんだな……といっても、

 やつは全く動かない。

 タマグライなる刀を構えて、そのまま微動だにしない。……まさか死にたいからお好きにどーぞってか?


「『リトルボム』」


 様子見に『リトルボム』を投げると、シャキンッという音が聞こえそうな斬撃が爆弾を切り裂いた。攻撃する気はあるみたいだ。

 続いて塩を投げてみるが……。あっ、全く効いてない。亡霊の類じゃないみたい。

 なら次は俺の攻撃!


「『一文字斬』!」


 刀を首めがけて横に振る。だが縦に向けられたタマグライで弾かれた。

 そしてついにラセツからも本格的な攻撃が始まる。

 繰り出されたのは素早い縦斬り。だが見れないわけじゃない。こんな程度ならイグニスと()り合う方が難易度高いぜ?

 そこまででもない攻撃は続く。避けたり適当に弾いたりしてるだけで生存は容易い。だがこちらの攻撃もなかなか通らない。かなりの頻度で弾かれている。てかそもそも当たったとしたもダメージ1くらいしか通らないんだけど。


「おいおいお前、「殺せ」とか言ってる割にはバッチリ戦ってるじゃねえか。矛盾してるんじゃあねぇのッ!?」

「……私にも、わからない。ただひたすらに戦いを求めている……気がする」

「死にてぇのかバトりたいのかハッキリしろよ、この落ち武者っつーか墜ち武者がッ!  ――っとと、『居合』ッ!」


 ラセツの攻撃を見切り、『居合』――大体カウンタースキルだ――で攻撃へと変換する。

 少し鎧にヒビが入った! 『居合』スキルは俺じゃなくて相手の攻撃力でのダメージ計算、または固定ダメージだな! ならこれを主軸に立ち回るのがベストアンサー!


「『居合』ッ!」


 弾く、そして鎧にダメージ。損傷度はどんどん高くなっていく。なんつーか、拍子抜けだな。

 本当にEXモンスターなのか? ユグドラシルは最初っからフルスロットルだったのに、こいつはそこら辺のモンスターより少し強いくらいでしかない気がする。


「おいおいまさか手抜きかァ? 本気出さないのがカッコいいのは中2までだぜッ! あんたもうじーさんレベルだろうがよ! ――『居合』!『飛燕』ッ!!」


 カウンターと同時に飛び上がって身を捻り、回転を加えた斬撃が兜にヒット! ご立派な飾りがバキッ! と砕け散る! ざまぁ!

 着地と同時に『一閃』を発動。超高速でラセツへと突進し、腰あたりに斬撃!

 バランスを崩しうめき声を上げながらこちらに刀を振るが、『居合』により全て無効化。MPがある限りは通るもんはねぇよバーカ!


 ラセツの攻撃、防御パターンは全て把握した。あとは一方的に殴るだけのゲームと化した。クリア条件はラセツが倒れるまで!


「ほんっと大した事ないなァ! ユグドラシルが実はEX最強のモンスターだったなんてオチは流石に無いよな……?」


『居合』からの『一文字斬り』で殆ど胴体の鎧が壊れかけたその時、ラセツの動きが停止した。


「ははーん、これから隠し玉って様子だな? いいぜ、全部受け止めてやんよ!」


 ガシャン、と音を立ててラセツが片膝をつく。……マジで倒れるとかじゃないよな……?


 そう思った瞬間、ラセツの右手、タマグライが邪悪すぎる紫の光を放つ。


(来る……ッ!)


 その光から瞬時に技が来ると確信した。少し身を引き動きを目で追うことに全神経を注ぐ……。

 そして……


「『魂喰(タマグライ)』」


 この世の全ての悪を(もっ)てしても足りない、そんな声が静寂に響く――

 瞬間、視界からラセツが姿を消した。


((うっそ)だろ!? 何も見えな――)


 思考する間すら与えず、ラセツは俺の眼前にてタマグライを振るった。


「居ぁ――

「遅い」


 間に合わない。そう思うより先に、俺の身体は腹のところで両断されていたッ!

 上半身だけになった俺にラセツは追撃を加えようとする! 待て待てお前オーバーキルだろうがッ!!


 ザシュッ! と、俺の身体はさらに4分の1になって死亡していった。

『居合』の効果は攻撃を受け止め、次の攻撃を相手の攻撃力で計算する、というところまでです。よってそこに『一文字斬り』や『一閃』などのスキルが突っ込めるわけです。

そして確定防御スキルではなく相手の攻撃にタイミングよく差し込むことで効果が出ます。タイミングはギリ攻撃が最高速度に達しない手前くらいになってますが……ゼロは感覚的になんとなく掴んでます。バケモンです。


それでは!!

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― 新着の感想 ―
[良い点] ラセツサン?強っ、速すぎる… ユグドラシルの時より格段に描写が強そうすぎた。 ど、どーやって倒すんだろう? 個人的に今までで1番の絶望感です…! [一言] 服装も武器もスキルも和風!侍の戦…
[一言] サムライvs堕ち武者ってタイトルもうちょっとないかなと思います、特にサムライって部分がもう一捻り欲しいって所ですね こう言うのはどうですか→外道サムライvs堕ち武者それかorサムライ(外道)…
[一言] 全ての作品と更新に感謝を込めて、この話数分を既読しました、ご縁がありましたらまた会いましょう。(意訳◇更新ありがとな、また読みに来たぜ、じゃあな!)
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