↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢に転生したので、ゲームを無視して自由に生きる。私にしか使えない植物を操る魔法で、食べ物の心配は無いのでスローライフを満喫します。  作者: 向原 行人


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
69/70

第68話 悪役令嬢

「ろ、ローランドさん! とりあえず、落ち着いてください」

「いや、俺は落ち着いているよ。ルーシーには突然の話で驚かせる事になってしまい、申し訳ないが」

「わ、私は、落ち着いていますから。えっと、ローランドさんが私に婚約を申し込んで……って、えぇぇぇっ!?」


 れ、冷静になろう。

 現状を整理すると、上級ダンジョンをクリアして、相愛のお香っていうアイテムを手に入れて……そ、そうだ! いつの間にか相愛のお香を使っちゃっていたんだ!

 だから、突然ローランドさんが私に婚約して欲しいだなんて……使ってなーいっ! 燃えたり減ったりした形跡が、お香に一切無かったーっ!


「あ、あのですね。ローランドさん。お気持ちは非常に嬉しいのですが、こういうのは親とか家とか、色々とややこしく、本人たちだけで、どうこう出来る事では無いと思うのですが」

「大丈夫だ。ルーシーの世話係として来ているテレーズさんを通じて、既に君のご両親には話を通してある。もちろん、俺の両親にも説明済みだ」


 テレーズさぁーんっ!

 いつの間にっ!? いつの間に、そんな事をしていたのっ!?

 というか両親に話すより、私に話す方が先じゃないのーっ!?

 ……いやまぁ、ついさっき自分で言った通り、貴族だから親や家の方が先なのかもしれないけどさ。


「えーっと、ローランドさんにはメリッサさんがいらっしゃいますよね?」

「メリッサは只の幼馴染だが? それに、ついさっきルーシーに婚約を申し込もうと思う……と相談して、背中を押されたのだが?」


 メリッサさんに相談したの!?

 いや、命の恩人だと感じた直後に居たのが、メリッサさんだけだった訳なんだけど……あ! だから、あんなに元気が無かったんだ。


「ローランドさん。今からでも……」

「ルーシー。俺はルーシーの事がずっと好きだったんだ。どうか、俺と婚約して欲しい」


 ストレートっ!

 あぁぁ、イケメンがそんな言葉を見つめながら言っちゃダメだよっ!

 今感じている幸せが、ずっと続くと勘違いしちゃうよっ!

 私は……私は悪役令嬢なのにっ!


「……ローランドさん。これだけは、出来れば言いたくなかったけど、私は……辺境へ飛ばされる運命なの」

「どういう事だ?」

「実は私……自分の未来を知っていて、辺境で一生を過ごすのよ」

「辺境? どんな所だ?」

「えっと、森の中で、すぐ近くは断崖絶壁。真下が海で、風が凄く強くて、崖に近付くと落ちそうになってしまう場所……かな」


 ルーシーの末路はエンディングのワンシーンでしかないけど、確かそんな感じだったはず。

 遠目に牛が草を食べていたり、麦畑が広がっていたりして、「なんなの!? このど田舎はっ! こんな未開の地で生活なんて出来ないわっ!」って叫びながら怒るのが、ルーシーの最後のシーンだったかな。

 で、ハノーヴァー地方へ花嫁修行に送り出されたルーシーは、その地で生涯を終えた……みたいなナレーションだけがあるのよね。


「風の強い崖で、真下は海。で、すぐそばに森……もしかして、近くに風車はないか?」

「あったような気もする……かな?」

「で、その地名がハノーヴァーだったりしないか?」

「そうそう! って、どうしてローランドさんが知っているの!?」

「いや、俺の名前……ローランド・ハノーヴァーなんだが」


 ハノーヴァー?

 どうして突然ローランドさんは、家名を名乗ったりしたのかしら?


「……って、待って! えっ!? えぇっ!? えぇぇぇっ!?」

「俺の家の領地……まぁ辺境だが、この学園からも近いし、悪くはないと思うんだが」

「ど、どういう事なの?」

「どういう事……って、この学園自体が辺境じゃないか。で、この学園裏の森続きで、隣の国に繋がっているだろ? そこが俺の……ハノーヴァー領だ」

「え!? そ、そうなの!?」

「さて、念の為に聞いておくが、俺の事は嫌いじゃないだろ?」

「そりゃあ、嫌いだったら一緒に居ないですし……」

「じゃあ、決まりだな。未来を知っているルーシーが、一生を俺の地で過ごすっていう事は……俺と婚約してくれるっていう事だよな」

「は、はい……きゃあっ!」


 私が返事をした瞬間、思いっきり抱きしめられた。

 ローランドさんは、いろいろと唐突過ぎるのよっ!

 ……けど、本当に私は幸せになれるのっ!? 悪役令嬢なんだけどっ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。