表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

67/70

第66話 木魔法

「メリッサさん!」

「……わ、私のせいで、ローランドが……」


 どうやら、自身の放った魔法が反射され、ローランドさんが怪我を負った事で、ショックを受けただけのようだ。

 メリッサさんは、ローランドさんが庇ったみたいで、怪我などは無さそうに見える。

 その一方で、ローランドさんは身体がボロボロみたい。


「メリッサさん! 立てますか!? 私が防御魔法で攻撃を防ぎます。その間に、ローランドさんを連れて逃げてください!」

「私のせいで……」

「メリッサさん! しっかりしてくださいっ! ローランドさんを助けないとっ!」


 ダメだ。メリッサさんの心が折れている。

 仕方がない。このままローランドさんを放っておくわけにもいかないので、


「……≪ヒール≫」


 小声でこっそり治癒魔法を使ってみた。

 ローランドさんは、意識はあるけどフラフラだし、メリッサさんは茫然としているから、大丈夫……だよね!?


「あ、あれ? 俺は……あんなに身体が痛かったのに、何ともない?」

「よ、良かったですね。それよりローランドさん! 私が攻撃を防いでいる間に、メリッサさんを連れて逃げてください!」

「しかし、ルーシーを置いて……わかった。先ずはメリッサを連れて出るよ」


 私一人なら大丈夫だと理解してくれたのか、ローランドさんがメリッサさんを抱き上げて扉の方へ。

 二人が部屋を出たら、私も退却しようと思っていたら、


「くっ……扉が開かない! 上級ダンジョンだからなのか!?」


 奥からローランドさんの焦った声が聞こえて来た。

 いやいやいや、嘘でしょ!? ボスの部屋から逃げられないのは隠しダンジョンで、上級ダンジョンでは逃げられるはずなのにっ!

 とはいえ、様子を見に私まで奥へ移動してしまったら、あのボスが迫って来るし……倒すしかないって事なの!?

 だけど、イビルミラーは全ての属性の魔法を反射する。

 だから、このボス戦ではアメリアは支援に徹して、前衛に頑張ってもらうしかないんだけど……このパーディには前衛が居ないのよっ!

 他のゲームみたいに、無属性の魔法があれば何とかなりそうだけど、ときメイでは火水風土光闇の六属性しかない。

 氷魔法は水に分類されているし、雷魔法も風に分類されているから、同じ様に反射されてしまう訳で……


「って、ちょっと待って。木魔法って、何に分類されるの!? イメージ的には土が近い気もするんだけど……ユリシアが木魔法と土魔法は別って言っていたわよね? ……ユリシア、聞こえる?」

『はい、聞こえていますよ。木魔法は木魔法なので、土魔法とは別ですよ』


 思った通り! だけど、念の為に土の壁で部屋の奥――扉の方を守っておく。

 反射された魔法を避けれるように、予め構えておいて、


「≪ブランチ・アロー≫」


 唯一私が練習しまくっている攻撃魔法でイビルミラーを攻撃してみた。

 私が放った木の枝の矢が反射されたとしても、いつでも左右に飛べるように身構え……反射されない!

 これなら、いけるっ!


「≪ブランチ・アロー≫」


 イビルミラーの放つ攻撃魔法を避けつつ、時には土の壁で防ぎながら、ひたすら木の矢を放ち続けていると、大きな鏡にヒビが入り……砕けた。


「良かった。何とかなった! ローランドさん、メリッサさん! 大丈……夫?」


 気付けば、土の壁の奥からローランドさんとメリッサさんが出てきていて……しまった! ローランドさんはともかくとして、メリッサさんに木魔法を見られちゃった!?

2021/12/13 誤字を修正致しました。

ご指摘ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ