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第63話 中級ダンジョン

「あの……ルーシーさん。貴女、ダンジョンへ入るのは初めてなのよね?」

「そ、そうです……よ?」

「……その割に、めちゃくちゃ詳しくありませんか? どうして、全ての罠を事前に解除出来ちゃうのよっ!」


 ローランドさんとメリッサさんと共に中級ダンジョンへ。

 ここのダンジョンは、入る度に地形が変わり、出現する魔物も復活するという、いかにもゲームなダンジョンなんだけど、中級ダンジョンは地形が十パターンしかないのよね。

 なので、入ってすぐにダンジョンの構造を把握出来たので、前を歩く二人に罠の位置や、次に現れる魔物とタイミングを説明し、先回りして罠を魔法で潰していく。

 その上、出てくる魔物に対して最適な防御魔法を使い、全ての攻撃を防いで……気付いた時には最短ルートで、その上ノーダメージで最奥のボスの部屋の前に着いていた。

 うん。やり過ぎたかも。


「えっと、魔物が出て来そうだなーとか、罠がありそうだなーっていうのを何となく感じて……勘かな?」

「どんな凄い勘なのよっ! というか、勘でここまで出来る訳ないと思うんだけど」

「まぁ良いじゃないか。ルーシーのおかげで、ボスの所へこんなに早く着く事が出来た訳なんだからさ」


 そうそう。とりあえずサクッとボスを倒してドロップアイテムをゲットし、早く上級ダンジョンへ行きこう!

 ローランドさんの言葉で、メリッサさんが渋々と言った感じで言葉を飲み込み、いざボスの部屋へ。

 そこに居たのは、私たちの三倍くらいの身長がありそうな牛頭の人……ミノタウロスだ。


「じゃあ、ローランドさんも、メリッサさんも、氷系の魔法で攻撃してね」

「え? 今までやたらと的確過ぎる事を言っていたのに、急にどうしたの? 攻撃といえば火魔法でしょ。それに、相手はミノタウロスなんだから、火に弱いのは常識じゃない」

「えーっと、私の勘があのミノタウロスは冷気に弱いって言っているのよ」

「また勘なの!? 私は火魔法で攻撃するから!」


 えぇー。ときメイでは、ミノタウロスは氷に弱いっていうのが当たり前なんだけどなー。

 もう何度も倒してきているし、攻略サイトにもそう書いてあったし。

 まぁ効かない訳じゃないから、別に良いけどさ。


「いくわよっ! フレイム・ランスっ!」


 メリッサさんが放った炎が、ミノタウロスに向かって真っ直ぐ飛んでいく……って、ちょっと待って!

 これって、以前にあった魔法大会で、私たちに向かって放った魔法じゃない?

 メリッサさんってば、なんて魔法を人に向かって放っているのよっ!


――BMOOOO!


 ミノタウロスの巨体が炎に包まれ、怒りの咆哮をあげる。


「ほら、ちゃんと効いているじゃない」

「効かないとは言ってなくて……攻撃が来ますっ!」


 怒ったミノタウロスが、手にした巨大な斧で地面を救い上げ、大きな岩が飛んで来た。

 それを土魔法で作った石の壁で防ぐと、ローランドさんが沢山の氷の矢を生み出し、ミノタウロスに向かって矢の雨を降らす。

 寒さに弱いミノタウロスは、どんどん動きが鈍くなっていって、まさに絶好のチャンス!

 そこへメリッサさんが、


「ファイアーボール!」


 だから、どうして火魔法なのよっ!

 動きが鈍くなってきたのに、また戻っちゃったじゃない!

 ……最終的にローランドさんが大きな氷塊をぶつけて、倒す事が出来たんだけど、動きが活発になったミノタウロスから三回くらい攻撃される事に。

 いやまぁ私が防いだから問題ないんだけど……大丈夫かな?

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