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第61話 ローランドからの依頼

「ルーシー。ちょっと頼みがあるんだ」

「ローランドさんが私に頼み事なんて珍しいですね。あ……まさか、また魔法大会的な事ですか?」

「……まぁ遠からず近からずって感じかな」


 天ぷらを作った数日後、いつもの菜園クラブでローランドさんが不穏な事を言い出した。

 前は魔法大会に出場する事になり、かなり目立つ事態になってしまったんだよね。

 ただ、この優勝賞品が守りの腕輪だったから、結果的には出てよかっんだけどさ。


「それで、どんな話をですか?」

「いや、俺は三年だから、ダンジョンを攻略するっていう授業があるんだが、ルーシーも一緒に来てくれないかと思ってさ」

「え!? ダンジョン……って、私は一年生だから入れないんじゃないですか?」

「普通はそうなんだが、俺とルーシーは魔法大会優勝ペアだからな。特別に一年生でも入って良いという話になっているんだ」

「そういう事なら行きます! いえ、是非行かせてください!」


 ふふふ……ダンジョンは二年生からしか入れないけど、いろんなアイテムが手に入るし、魔物を倒す事で得られるスキルもあるし、一年生の時点でダンジョンへ行けるなんて願ったり叶ったりだ。

 しかも、学園から行けるダンジョンは、ときメイのゲームで行くダンジョンでしょ?

 マップは隠し通路も含めて完璧に把握しているし、出て来る魔物の強さや弱点に、ドロップアイテムだって把握しているから、こんなの行くしかない!


「……あ、ローランドさん。このお話は、是非とも受けさせて頂きたいというか、もう嫌だって言われてもついて行くんですけど、どうして私に来て欲しいと? ローランドさんなら、私なんかじゃなくても、一緒に行きたいって希望する人が沢山いそうじゃないですか。……まぁ私がついて行く事に変わりはないですけど」

「いや、実はルーシーの言う通りで、一緒に行きたいと言ってくる奴は多いんだが……」

「何か問題でも?」

「一緒に行くと言い張るメリッサが、自分より弱い者とは組まないと言い張っていて、このままだと二人でダンジョンへ行く事になってしまいそうでな。ルーシーなら、魔法大会でメリッサに勝っている訳だし、問題ないだろうと思ってな」


 なるほど。ときメイでもダンジョンに入るパーティは、三人から五人が最適だと思う。

 ソロは流石に無謀だし、二人でもどちらかが怪我を負ったら、実質戦う事が出来なくなる。

 一方で、六人を超えると、一人一人の身入りが減るのよね。

 経験値的な意味でも、ドロップアイテムによる収入でも、学園の評価でも。

 ダンジョンはそこまで広くないから、六人居ても実際に戦えるのは四人くらい。一人はバックアップとして支援に入るとしても、流石に二人は要らないと思う。

 パーティ内での指示や連携も大変になるしね。


「じゃあ、いつから行きます? 今からですか?」

「いや、放課後は菜園クラブや生徒会があるからな。明日の朝、ホームルームが終わった後に裏門の前で意識合わせをして、それから行こう。裏門の場所は……」

「大丈夫です。それなら知っていますから」

「そうなのか? 一年生ではダンジョンには入れないから、教師も説明しないと思うのだが……」

「え、えっと、この魔法学園の案内書を隅々まで読み込んでいたので」


 危ない危ない。

 私が学園の色んな場所を知っているのは、ときメイの知識があるからなんだけど、それを話しても信じてもらえないでしょうしね。

 さて、攻撃魔法も使える訳だし、ダンジョンで魔物を倒しまくるわよっ!

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