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第39話 ケヴィン王子からのスカウト

 私がケヴィン王子の部下に!?

 ケヴィン王子は、ときメイで攻略対象だったけど、恋人じゃなくて、部下になるって何なの!?

 もしかして、恋人になろうとするとバッドエンドで辺境確定ルートだけど、部下になるなら辺境に飛ばされない……とか?

 だけど、目の前に居るケヴィン王子の部下という男性たちは、みんなマッチョというか、筋肉が凄い。

 魔法学園だけど、ここまで身体を鍛えないといけないという事は、やっぱり仕事が辛くて……ブラックな職場!? 休みなし、サービス残業当たり前、理不尽な叱責……うっ、頭が!


「すみません。私、騎士はちょっと……」

「ふむ……そうか。……考えてみると、女性の騎士は少ないが、イメージが良くないのかな?」

「そうですね。ブラックなのは……」

「ブラック? 僕の直属騎士団、シルバーナイツは銀色がチームカラーなんだけど?」


 ケヴィン王子。シルバーナイツって名前、ちょっと恥ずかしくないですか?

 まぁ、私が所属する訳じゃないから別に構わないけど。

 あと、ブラックの意味が全然違うけど、これはいいか。


「一先ず、勘違いしてしまい、すみませんでした」

「まぁ、待ってよ。じゃあ、部下じゃなくて……そうだね。魔法大会のパートナーなんて、どうだい?」

「あの、私は既に別の方とエントリーしていますので」

「ふぅん。ちなみに、誰と出場するんだい?」

「ローランドさんですけど。生徒会長の」

「へぇ……分かった。引き留めてしまって、すまないね」

「いえ。では、失礼します」


 ケヴィン王子から離れ、適当に人気のない場所へ行くと、大きな木の側で転移魔法を使用する。

 うーん。弱い者イジメだと思って止めに入ってしまったけど、まさかケヴィン王子の魔法の訓練だったなんてね。

 これからはよく確認して、さっきみたいに勘違いしないようにしないと。

 そんな事を考えながら森へ行き、色んな作物を作っていく。

 しかし、木魔法で成長を早め、無事に大根の収穫が出来たんだけど、タクアンってどうやって作るんだろう?

 お漬物っていうくらいだし、とりあえず漬けておけば良いのかな?


「お姉ちゃん。それは何をしているのー?」

「えっとねー、大根を干そうと思ってね」

「どうして野菜を干すのー?」

「んー、どうしてなんだろうね? 私も、お婆ちゃんがやっていたのを見よう見まねでやっているだけだから、実は詳しい事は分からないんだー」

「そ、そうなんだ」


 しかも、お婆ちゃんのお漬物作りを手伝っていたのも、私が小学生の頃だったりする。

 なので、細かいところは全然覚えてなくて、何となーく、こんな感じだよねーってノリで作っているからね。

 でも、お魚も干して干物にすると、美味しくなるし、きっと大根も美味しくなるんだよ。……たぶん。


「よし、完成っ! ダニエル、この大根は食べちゃダメだからね?」

「分かってるって。他にリンゴや大豆を沢山作ってくれているし、お嬢ちゃんが手間暇掛けて仕込んだやつまでは、食べへんて」

「そうだね。ボクも食べないから安心してね」


 まぁダニエルはともかく、セシルは大丈夫……って、そもそもどっちも大根は食べないよね。

 

「お姉様。お姉様がお作りになられたこの大根は、私が責任を持って守らせていただきますので、ご安心ください! 大根から片時も、目を離しませんので!」

「えっと、ナーシャちゃん。気持ちは嬉しいけど、そこまでしなくても大丈夫だからね?」

「いえ、途中とはいえ、お姉様のお作りになられた料理です。既に、この大根にもお姉様の魔力がふんだんに含まれておりますし、昨日の変身魔法が再現していただくためにも、確実にお守り致しますので」


 えーっと、ただ大根の葉を取って干しただけなんだけど、もう魔力が含まれちゃってるの!?

 ……タクアンが作れたとしても、自分一人で食べないといけないかもね。

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