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悪役令嬢に転生したので、ゲームを無視して自由に生きる。私にしか使えない植物を操る魔法で、食べ物の心配は無いのでスローライフを満喫します。  作者: 向原 行人


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第12話 たわわに実る黄金色の稲穂

「あー、ディラック先生か。毎年の事だけど、最初の一か月くらいはそんな感じらしいね」


 午後の授業も結局同じ感じで、終始本を読むだけで終わってしまった。

 なので、放課後の菜園クラブでローランドさんに話を聞いてみると、新入生が入って来た直後はいつもこんな感じなのだとか。

 一か月くらい経つと、ディラック先生が女子生徒を恋愛対象として見ていない事に気付き、人数が減って落ち着くらしい。

 ……中には、それでも頑張る女子生徒も居るそうだけど。


「ルーシーは不思議だよね。魔力のイメージやコントロールは凄く下手なのに、でも木魔法だなんて前代未聞の魔法が使えるし」

「凄く下手……って、この前教えてもらったイメージトレーニングはしっかりやったのよ?」

「いや、そのイメージトレーニングって、普通は五歳くらいの魔法を覚えたての子供がする事だからね?」


 うっ……そうなんだ。

 今の私は幼稚園児くらいの所からやっているのか。

 で、でも仕方ないもん! 魔法の無い世界から来た訳だし。

 ……絶対に、自力で魔法が使えるようになるんだからっ!


「あ、そうだ。ローランドさんって、お米って知ってます? あ、稲の事なんですけど」

「稲……って、あの動物のエサの事?」

「おそらく、その稲です」

「知っていると言われれば知っているけど……もしかして育てたいの? でも残念だけど、うち領地は主に麦や野菜を作っていて、動物のエサは作っていないんだ」


 うーん。やっぱりローランドさんも、お米は動物のエサっていう認識なのか。

 益々自分で育てるしか無さそうね。


「じゃあ、大豆も動物のエサですか?」

「そうだね……って、ルーシーの領地でも農業をしているの? 普通の人は、稲や大豆だなんて作物の事は知らないと思うんだけど」

「えっ!? た、たまたま聞いた事があって、それで何かなーって思っただけですよ」

「そうか。自分から菜園クラブに来てくれたし、てっきり俺と同じかと思ったんだけどね」


 私は味噌の情報が何かないか聞きたかっただけなんだけど、変な誤解をされそうだったので適当にごまかして、今日もイメージトレーニングを頑張る。

 ローランドさんの個人レッスンが終わり、寮で夕食を済ませたら、早速昨日の田んぼ予定地へと移動した。


「よーし! 今日は種を植えるわよ! ……≪クリエイト・シード≫」


 日本でやった米作りゲームの知識では、稲の種を植えて、苗を育てる工程のはずだ。

 ユリアナに教えてもらった種を作る木魔法を何度か使い、種を増やしたら、昨日田起こしした場所へ植えていく。


「≪グロウ・プラント≫」


 植物を成長させる魔法を使うと、一気に発芽して苗になる。

 次はここに水を張るんだけど……あ、忘れてた!


「そっかぁ! 田んぼに水を張ろうと思ったら、畔を作らないといけないんだ!」

『あぜ? あぜって何ですか?』

「えっと、ここに水を……浅いプールみたいにしたいんだけど、畔っていう土の壁を作らないと、水が流れて行っちゃうのよ」

『要は、土で壁を作れば良いんですね? でしたら、アース・ウォールという魔法を使えばすぐに出来ますよ』


 流石、ユリアナ! というか、異世界が凄いのかな? 困った事は魔法が全部解決してくれる。

 早速教えてもらった魔法を使うと、田んぼの周りに土の壁が出来ていく。


「……って、私の背より高い壁が出来ちゃったんだけど!」

『普通に使うとそうなりますね。違う形にするのでしたら、しっかりイメージしてからやってみてください』


 改めて、もう一度挑戦し……今度はちゃんと畔っぽく出来た。


「ユリアナ……お水とかって出せたりする?」

『大丈夫ですよ。でも、出せる量はルーシーの魔力次第ですが』

「この土の壁で囲った場所に、浅く水を張りたいんだけど……とりあえずやってみればいっか」


 教えてもらった水を出す魔法は、何とか思っていたくらいの量が出せたので、再び植物を育てる魔法を使い、一気に黄金色の稲穂が育つ。


「出来たー! ……次は水を抜きたいんだけど、それは手でやればいっか」


 畔の一部を壊し、水が流れ出るようにしたので、徐々に水が抜けていく。

 ふふっ、もうすぐお米が食べられるっ!

 とはいえ、水が抜けるのには時間が掛かりそうなので、今日はここまでにして、寮へ戻る事に。

 ……今日は消灯に余裕で間に合ったよ。

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