プロローグ
現代日本の某地方都市。その日は悪天候により、視界が良く無かった。季節は秋口、、やや肌寒い夕方。人々は各々家路への道を辿っていた。そんな中に、、一人の少年がいた。彼もそんな中を路線バスに乗り込み、、友人とのやり取りをしていた。たわいもないやり取り、、それが峠に差し掛かった頃、突如として激しい衝撃が彼らを襲った。それは折からの悪天候による不注意が引き起こした交通事故だった。ダンプカーに追突された路線バスは数度の横転をし、、壁に激突。乗員20名のうち9名が死亡、両運転士をふくむ12名が重軽傷という惨事は後に報道される。その9名の中には先の少年も含まれていた。:??:「??:ほい、、完成!、、ほら起きて」一面真っ白い、、そんな空間。そこでそんな声がした。良く見れば二人の人物が見える。一人は椅子に背を預けており、もう1人がその肩を叩いているようだ。「?:ん、、んぅ?」これは椅子の人物だ。それを見てもう一人も反対側に座る。「??:や☆起きたね?」「?:、、ここは?」椅子の人物は周りを見回す。「??:ここは狭間の空間って所。まぁ、、これ見てよ」ブン、、VTRのようなものが空間に現れると、映像を再生する。夕闇の街、、そこを走るバス。やがて、、差し掛かる交差点。そこに、、ダンプカー。ダンプカーはバスの側面に突っ込み、、「??:まぁそういう事で、、君死んだんだよ」「?:、、、」言葉を失う人物。「??:でね、、ここからが本題」再び映像が変わる。「??:ここはベルグリッドっていう世界。君の認識では異世界かな?これから君に旅立って貰う所だよ」映像は中世に似た感じである。しかし、、所々に破壊された跡や焦げ跡等が目立つ。「??:これはね、、侵略戦争の傷跡なんだ」人物は語る。「??:事はつまらない理由でね。ある国のお馬鹿さんが劣等感から異界召喚なんてものをやらかしたの」映像は異形の存在を映す。「?:、、悪魔?」「??:、、君の認識ではそうなんだね?コイツらはデモナー、、別世界の連中でね。とにかく大変だった。とりあえず、、情報は渡しておくね」蛍のような光が額に触れて消える。「?:、、なるほど」渡ってきた情報は、、深刻な現状から復興する世界を伝えて来た。そして、、目の前に居るのがベルグリッドの管理女神である事も。「?:で、、何故僕の姿がこれなんでしょうかね?」「女神:え?だめだった?」「?:そりゃそうでしょ!なんで貴女とそっくりなんですか!僕は男ですよ!?」思わず立ち上がる。「女神:そんな事言ったって、、君の元の体はもう埋葬されたし。それに、、ベルグリッドは地球よりかなり過酷だよ?」「?:そこら辺はチートって奴で、、」「女神:そのチート?がその体なの!それに、、これもあげちゃう!」光が集まり、、一つの盾が現れる。「女神:ふふん!」「?:でっか!!」それはヒーターシールドという、、騎士が持つ大きな盾だった。それは僕の前に音もなく飛んで来ると持ち手側を向ける。握ってみると、、意外にも馴染んだ。「女神:私謹製の自信作なのだ~!」「?:うん、、もう分かったから。で、、この世界で僕はなにをすれば良いの?」「女神:うん、、悪い事しなければ好きに生きて良いよ?私はここでちゃんと見てるからね~」、、随分と適当な女神。「?:まぁ、、もうこうなったし。行くよ、、」「女神:うん!頑張ってね~!」視界が溶けてゆく、、そして僕は異世界に降り立った。