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仲間

【祝・ブックマーク1000件突破!!】


本当に沢山の方に読んでいただけて感激です!


最近は毎朝なろうのマイページを開くのが楽しみになっています(ノ´∀`*)


この作品は出来れば2日に1話投稿できたらなと考えていますので、どうぞ宜しくお願いします!

『World Of Load』というゲームではキャラクターメイクの機能がほぼ無い。

ゲーム内での外見は現実世界の自分のモノと同じになる。

これは『World Of Load』を知っているものなら共通の認識である。


唯一選択可能なのは最初に選ぶ【種族】。

それ以外の変更は基本的に不可能なのだ。


―――――ただし、変更可能なものが皆無かと言われればそれは違う。

『World Of Load』内におけるプレイヤーの『髪型』と『髪色』は変更することが出来る。


変更可能と言っても、髪型は髪の毛を縛ったり、解いたり、はたまた切ってみたりなど、現実世界で行っているような方法でしか変更できない上に、髪色に関しては、染めるための材料を集めるのが面倒なため、よっぽど余裕のあるプレイヤーしか変更しないのだ。




―――――さて、先にも述べた【種族】の話しに戻るとしよう。


この『World Of Load』には選択可能な【種族】が数多く存在している。

そして、これがまた厄介なもので、【種族】によってステータスに違いがあるのだ。




―――――【人間(ヒューマン)】。

オールマイティなステータスを持つ基本的な【種族】であり、一番意外性のある【種族】でもある。




―――――【獣人族】。

これには【犬人】や【龍人(ドラゴニュート)】などが含まれる。

ステータスはそれぞれ違ってくるのだが、【人間】と比べると運動能力が高く設定される傾向にある【種族】だ。




―――――【長命族】。

【エルフ】や【ドワーフ】などがそれに該当する。

【エルフ】は長く美しい耳と色白の肌が特徴的な【種族】で、初期ステータスの高さが売りの【種族】だ。

しかし、この【種族】はその成長度合いが他の種族よりとても遅く、レベルが上がりきらないと少し苦しい場面が出てくる可能性もある【種族】である。




―――――【異種族】。

これには【骨人(スケルトン)】や【流動人(スライム)】などが分類される。

ステータスが低めに設定されている代わりに、異常状態にかなり強いであったり、物理ダメージが効きにくいなどの特殊なステータスを持つ【種族】だ。




―――――【神話族】。

この【種族】を獲得しているプレイヤーはそんなに多くない。

この【種族】は基本的になりたくてなれるものではなく、【専用職業(リミテッド・ジョブ)】を獲得したプレイヤーのうちごく希にその【専用職業(リミテッド・ジョブ)】によりこの【種族】に変化するのだ。




大きくわけるとこの【5種族】に分けることが可能な『World Of Load』の【種族】だが、細かくわけるとキリがないほどに多い。


そんな中から一つの種族を選択するため、キャラクターメイクが存在しないにも関わらず、自分のキャラクターを作るのに時間がかかってしまうプレイヤーが続出してしまうのだ。


様々な【種族】と数多くの【職業】。

その組み合わせは人それぞれであり、正解などはない。

『World Of Road』内におけるもう一人の自分が冒険する(さま)に人々は引かれ、『World Of Load』の世界に引き込まれていくため、このゲームは世界的に人気なのだ。











◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇






「―――――という訳で、新しくメンバーが増えました、拍手っ!」


俺は隣に緊張した様子で立っているアルルを横目で見つつそう言って手を叩く。

場所は勿論、俺たち【高天ヶ原(たかまがはら)】の本拠地である『トウキョー』中心にあるお城の会議室。


造られて結構な年月が流れているが固定された呼び名は付いていない。

【十二天将】の皆や俺は呼びやすく『ホーム』、『家』、『屋敷』などと呼んでいる。


この場にいるのはアルルを含めて14人。

―――――つまり、【ギルドマスター】である俺と【十二天将】全員が揃っているのである。


現在の時刻は深夜2時。

アルルに【十二天将】の皆に紹介したいと伝えると是非!と言ってくれたのでこの場所に連れてきたのだが、まさか本当に【十二天将】全員が集まるとは思ってもいなかった。

健康的な生活をしている人達はもう寝ている時間である。


「『ユウノ』が新しいプレイヤーを【高天ヶ原(うち)】に入れるのなんていつぶりかしら?」


アマネが拍手をしながらそう呟く。


「『アラタ』以来じゃありんせんかぇ?」


ユウギリは微笑みを浮かべながら拍手をしている。


「つ、ついに私……俺にも後輩が!!」


感動したと言わんばかりに一際大きな拍手をしているアラタ。


「【犬人】ですにゃぁ〜♪

同じ【獣人族】同士仲良くしましょーなのですにゃ!」


マンチカンのような猫耳をピコピコと動かし、ふんわりとした尻尾を嬉しそうに振る『マリィ』。


「めっちゃ緊張してるじゃん!

『ユウノ』もタイミング見計らって紹介すればいいのに……」


先程まで狩りをしていたのだろう、軽装にマントを装備した『イルム』は心配そうにアルルを見ていた。


「どうせいずれは会うんだ。

早いに越したことはあるまいて」


渋い笑みを浮かべながら仁王立ちする真っ黒な鎧を身に纏った『ダイン』。


「とても可愛らしい仲間が増えたな」


ローブを羽織った『ハース』はニコリと軽く笑顔を浮かべながら拍手を送る。


「まさか『ユウノ』さんがこんなに愛らしい方を連れてくるとは思っていませんでした」


狩衣姿の『ララノア』は微笑みながら両の手のひらを合せて頬に添えながらアルルを見つめていた。


「俺たちと同じくらいかな〜」


「多分ボクたちと同じくらいだよ〜」


そっくりな容姿をした『アリィ』と『イリィ』はケラケラと笑いながら、拍手というよりかは手を叩いているという表現がしっくりくる様な動きをしている。


「新しい仲間が増えて(わたくし)も嬉しいですわ」


何処かの国の姫を連想させるドレスに身を包んだ『ソフィア』は優しい拍手をしていた。


「マスターの人選に間違いはあるまい」


『イカルガ』はそう言って頷いて腕を組んでいる。


そんな全員からの視線を受け緊張した様子のアルルは口に手を当てて目を回していた。


「ゆ、ゆゆゆ、有名人が、い、いっぱい……っ!!!」


流石にこの場に連れてくるのは早すぎただろうかと考えつつもアルルの肩をポンと叩く。

びくんっと身体を震わせて、硬い動きでこちらを向いたアルルに俺は言葉をかける。


「取り敢えず自己紹介でもいってみよーか」


「む、無理ですぅっっ!!!!」


「おいこら『ユウノ』っ!!

緊張しまくりの娘に何言ってんだよ!

そこは落ち着かせるような言葉をかけるところだろうが!」


イルムは俺の言葉にいち早くツッコミを入れてくる。

流石はこの【ギルド】のツッコミ担当。仕事が早いことで。


「でも確かに自己紹介は聞きたいわね。

これから仲間になる娘がどんな娘なのか知りたいし」


アマネは俺の言った自己紹介に賛成のようだ。

他にも何人かは頷いて同意をしている。


「名前だけでもいいからできないか?」


「わ、わかり、ました……っ!」


更に身体をかちこちに強ばらせながらも深呼吸をするアルル。

こほんと咳払いをして、【十二天将】たちの方に視線を向けた。


「わ、私はアルルと言います!

まだまだレベルも低くて弱いですけど宜しくお願いします!

あ、あと、【個別魔法(プレイヤー・マジック)】を創るのが得意なので、是非皆さんに使ってもらえるような【個別魔法(プレイヤー・マジック)】を創れるように頑張ります!」


深くお辞儀をするアルルの姿に自然と拍手が起こる。

そして、アルルの言った【個別魔法(プレイヤー・マジック)】という単語にいち早く反応した者がいた。


「『アルル』ちゃん……といいましたよね?」


ララノアはアルルに近づきながら話しかける。


「は、はいっ!!」


「【個別魔法(プレイヤー・マジック)】を創るのが得意なの?」


「はいっ!!!」


最早はいとしか言えなくなってしまうほどに緊張しているアルルの代わりに俺が口を開く。


「この目でその創った【個別魔法(プレイヤー・マジック)】を見たけど相当な仕上がりだったぞ?」


「そうですか……」


俺の言葉を聞いて一瞬悩んだような表情を見せたララノアだったが、すぐにアルルに向き直った。




「―――――【魔導師】に興味無いですか?」


「【魔導師】っ?!

そ、そんなそんな!

私はまだ【上位職業】の【魔術師】に転職したばかりなのに【最上位職業】の【魔導師】だなんてとても……っ!」


ララノアの言葉に手と頭を勢いよく振りながらアルルは余裕のなさそうな顔で言う。




そもそも【魔導師】とはどちらかと言うと創る側の職業だ。

【最上位職業】の中でも通常のままでは戦闘に向かない職業であり、【物理攻撃力】にいたっては脅威の『0』である。

ただし、【MP(マジック・ポイント)】の最大値が【魔創師】に次いで高いのである。


個別魔法(プレイヤー・マジック)】を創る場合、【MP(マジック・ポイント)】の最大値が大きいほど細かな設定をすることが出来る。


だったら【魔創師】になった方がいいではないかと思うだろうが、しかし、【魔創師】は【個別魔法(プレイヤー・マジック)】を『創る』ことは出来ても、『使う』ことが出来ないのだ。

理由は簡単だ。

【魔創師】は【物理攻撃力】も【魔力攻撃力】も『0』なのだ。


だが、【魔導師】は違う。

【物理攻撃力】は『0』でも【魔力攻撃力】は普通に存在しているのだ。

確かに他の魔法などを使う職業から見たら【魔力攻撃力】は低いが、【個別魔法(プレイヤー・マジック)】を使えば別の話だ。


その高い【MP(マジック・ポイント)】により、創った【個別魔法(プレイヤー・マジック)】を連発すれば十分にお釣りが来るほどの威力が出る上に、【魔導師】は【個別魔法(プレイヤー・マジック)】を使った時のみ威力上昇の効果が付与される。


それだけ見ればとても美味しい職業に思えるだろうけれど、最大の弱点が存在する。

それは―――――『自分の創った【個別魔法(プレイヤー・マジック)】しか使えない』というところだ。




そんな、リスクのある職業をアルルに勧めるララノアは真剣な表情を浮かべていた。


「大丈夫。

もし『アルル』ちゃんが【魔導師】に興味があるのなら私がなれるように手伝います」


「本当ですかっ?!」


最早食い気味にそう言ったアルルは、自分の行動が恥ずかしくなったのか頬を染めて犬耳を垂らす。


「ふふふ……その様子だと決まりですね。

―――――『ユウノ』さん。

『アルル』ちゃんはしばらく私が預かってもいいですか?」


「おう、いいぞ。

むしろ頼むわ。

俺は頭悪いからそういう系統はさっぱりだ」


実際、俺はそう言った頭を使う系のものは苦手である。

全くできないというわけではなく、流石に少しは手を出してなくもないのだが、やはりこういうことは得意な者に任せるべきだろう。


「それでは『アルル』ちゃん。

しばらくは【魔導師】に転職できるようにするということでいいですか?」


「は、はいっ!!

宜しくお願いします!」


やる気十分といった返事をアルルは返し、ララノアは満足げに頷いた。

それを見た俺は柏手をひとつ打つ。


「―――――さてと、今日はここまでだな。

集まってくれて助かった。

取り敢えず解散だ。

俺はそろそろ落ちて寝る」


欠伸をしながらそう言うと、アマネも背伸びをしながら口を開く。


「私も今日は落ちようかしら……。

明日は早いのよね……」


「なんだなんだ?

『アマネ』お得意のリアル関係か?」


俺がからかい気味に言うと少しむすっとした表情を浮かべるアマネ。


「仕方がないじゃない。

私一応社会人よ?

確かにこのゲームでもお金は稼いでるけどやっぱり安定収入は欲しいもの」


「まぁ、そりゃそうだな。

俺だってそんなに稼いでるわけでもねぇし」


その会話を最後に各々解散していく。

ただ、全員がどこか行く前にしっかりとアルルとフレンド申請を送りあっていた。

その光景に何となく心が暖かくなる。


そして俺は、ギルドマスタールームに向かい、『World Of Load』をログアウトした。






明日は真面目に学校に行くかね……。









たくさんの新しい名前が一気に出てきましたのでまとめた方がいいでしょうか……???


お読みいただきありがとうございますっ!!

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