プロローグ
初めまして、妃羅と申します♪
この作品が初投稿となりますのでどうぞ、お手柔らかにお願いします!
VRMMORPG『World Of Load』
その簡易な名前とは裏腹に、自由度が高くやり込み要素が限りなくある、世界で人気のゲームである。
この『World Of Load』では、数多くの職業から自分の好きなメイン職業、そしてサブ職業を5つまで選択することが出来る。
ただし、ここで気をつけなければならないのはメイン職業は変更することが出来ないという点だ。
例えば初めにメイン職業に【戦士】を選択してしまった場合、そのメイン職業を【魔法使い】などに変更することなどが出来ないのだ。
ただし、サブ職業で【魔法使い】を選択していた場合、メイン職業には劣るものの【魔法使い】として活動することはできる。
だが、メイン職業とサブ職業には大きな差がある。
まず一つ目に、【最大レベル値】の違い。
メイン職業は最大レベル値が【100】まであるのに対して、サブ職業はどんなに経験値を貯めてもメイン職業の半分―――――つまり、【50】までしかあげることが出来ないのだ。
つまり、メイン職業相手にサブ職業で勝負を挑んだ場合、そのレベル差のせいで、ほぼほぼ負けてしまうのである。
もし勝てるとしたら、相当なプレイヤーテクニックの持ち主だろう。
次に二つ目、サブ職業には選択できない職業がいくつか存在するのだ。
それは、メイン職業のレベルを【80】以上に上げ、条件を満たすことで転職することが出来る【最上位職】。
例えば【賢者】も【最上位職】の一つである。
そして、『World Of Load』はVRMMORPGにしては珍しく、キャラクターメイクの機能がほぼ無い。
ほぼ無いとはどういう意味かと言うと、この『World Of Load』でのキャラクターメイクは種族しか選ぶことが出来ないのだ。
では見た目はどうなるのか?と問われると、一言で表すことが出来る。
見た目は―――――『現実のものと同じ』になるのだ。
発売当初はこの機能のせいでクソゲー扱いされていた『World Of Load』だったが、それを補って余りある程のゲーム内容の濃さなどによって今では全世界にプレイヤーがいるのである。
さて、先にも述べたが、このゲームのキャッチコピーは『もう一つの現実』。
では何故、そのようなキャッチコピーが付いたのか。
それは、このゲームのマップが、まさに現実の地球と同じ大きさで作られているからである。
勿論、街並みなどは異なっているものの、主要都市は何処と無くその外観を残している。
さらに、このゲームにはもう一つ機能がある。
この機能によって、この『World Of Load』は多くの人気を獲得したと言ってもいいだろう。
それは―――――【リアルマネートレード】機能の存在である。
無論、ゲーム内通貨と現実の通貨がイコールで繋がるという訳では無い。
ゲーム内通貨、10000クレジットにつき日本円で1円である。
そして、トレードの最低金額は日本円で10000円から……つまり、1億クレジット稼いで初めてトレードすることができるのだ。
ただし、例外としてこの『World Of Load』の接続費をトレードすることは可能である。
『World Of Load』はこの【リアルマネートレード】機能や、プレイ人口により、毎月接続費がかかる。
その金額は毎月5000円。
つまり、この5000円という接続費をゲーム内で稼いで支払いに当てるということは可能なのである。
例えば、ゲーム内で2000万クレジットを稼ぎ、接続費に使うとすればその月の接続費は3000円になる、ということだ。
しかし、『World Of Load』のトッププレイヤー達は自分たちの生活を賄えるほどに稼いでいる。
つまりは、ゲーム内で何十億クレジットもの稼ぎを出しているのだ。
世間では彼らの事を【プロゲーマー】として認識している。
―――――さて、ゲームの話もこの辺りにしておいて、そろそろ俺の話をするとしよう。
俺は所謂最強の能力を神様に渡された【転生者】……などではなく、前世の記憶を思い出した……者でもなければ、一を聞いて十を知り、一を知って十を理解するような完璧な天才……などでも無い。
むしろそうだったらどれだけ人生が楽だろうか。
まさに超イージーモードである。
【ブサイク】でも無ければ【イケメン】でもない。
【馬鹿】でも無ければ【天才】でもない。
【運動音痴】でも無ければ【運動神経抜群】でもない。
中肉中背……俺はまさに【平々凡々】とした男子高校生である。
……ただし少し引きこもり気味の。
……大丈夫、学校にはしっかり通っている。
何はともあれ、これだけ聞けば全く面白くもなんともない平々凡々とした俺という人物の紹介だろう。
―――――だがしかし。
俺には普通と少しだけ違う点が一つだけある。
それは―――――
―――――俺が『World Of Load』最強ギルドのギルドマスターだという事だ。
……どうしてこうなった?!
如何でしたでしょうか?
まだまだ書き始めたばかりですがこれからも読んでいただけたら幸いです!