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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

実験的短編2ー僕とあたしの異世界旅日記ー

作者: 野武士

こんな若輩の小説に興味を持ってくれてありがとうございます!逆立ちするほど嬉しいです!!

今回の実験的短編第二弾は異世界転移ものです。

今回、僕にははじめて小説の女神が舞い降りた感じがしました。

ええ、夢中でテンキーをなぐり打ちしました、まさか小説を書くのがこんなにも楽しいとは!

そんな僕が書いた今回の力作!!を興味を持って下さったそこのお方!楽しんで読んでいただけると幸いです!


また、感想などをコメントしていただけると自分とても喜びます。

物語の良いとこ、悪いとこ、この文章おかしいじゃないかなど、思い思いの感想を下さると幸いです。そして、コメントを参考にしっかと改善していく所存であります!


どうか、これからよろしくお願い致します!


僕の名前は太田満(おおた みつる)。今年で高校生になりました。今、僕は何をしているかというと友達と遊んでいます。…ううん、ごめん、嘘はやめるよ、いじめられてる。なんでいじめられてるかって?僕がチビでデブで気が弱いからさ。……そんな簡単な理由で?何てあっさり言われちゃいそうだけどこんな簡単にいじめられちゃうんだ。でも、今回だけじゃない、幼稚園、小学校、中学校、どこにいっても僕はいじめられていた。……、でもさすがにさ、もういい加減、…バカにされるのも、…小突かれるのも慣れてしまったんだ。……うん、ごめん、そんなわけないよ、いつになっても慣れないんだ。でも……ほんとにさ、僕は、どうすればいいんだ。




不良A「なあおい満ちゃんさ、いつものやつやってくれよ、ほらあれだよ、豚の裸踊りw」


不良B「おっwいいねぇ~、やっちゃってくれよみっちゃんww」


満「あ、はは…、うーん…」


不良C「…ちっ、ほらほらしらける前にはやくやれや」


満「……うっ、うん!…わかった」


そして、いつも通り促され僕は制服を脱ぐ。

そして豚みたいな声真似をして踊るんだ。


不良A,B,C「あrあrあrあrあrあrあrあrあrwwww」(笑い声)


不良A「きめえー、マジ豚だよなw」


不良B「すっげ、マジミンチにしてーわwww」


不良C「やっちゃう?ミンチやっちまう?www」


ああ、やっぱり最後にはこうなるんだ。また僕は奴らに、殴られて、それで蹴られて、最後には、そう、全裸で惨めな気分になりながら地面に倒れ込むんだ。


不良A「…あー、マジしらけたわー。っしゃ、ボーリングしにいこうぜー!」


不良B「豚どうする?連れてっちゃう?公衆の面前で公開処刑とか最高に豚臭くねwww?」


不良C「…やめとけや、きめえ、そんなきめえのいたらそれこそしらけるわ…。」


リーダー格のA君が近付いてくる、そろそろかな?


不良A「…つーわけでさ満ちゃん、そういうわけなんだわ。んじゃ!また明日なーwwwww」


不良B「つか動かなくね?」


不良C「ほっとけや、どうせ豚の死んだふりだろ」


不良A「養豚場につっこんじまおうぜwwwww」


不良B「イイネ~wwww」


奴らの声が遠ざかっていく、ああ、良かった。これで明日まで大丈夫だ。


満「はあ…、制服着なきゃ……」


僕は、痛む体に耐えながら制服に着替えて家路につく。

いつまでこんなことが続くのか、そんなことを考えながら…。







それは、あのあと帰宅したその日の夜のこと、僕はスマホで都市伝説を調べていた。


満「へぇー、エレベーターか。ふふふ、本当かなぁ?」


エレベーターに乗ってある手順を踏むと異世界に行ける。なんて、そんなあるわけない話に興味が出てしまった僕はなぜか無性に近くのマンションで試したくなった。

そして、あっさりと着いてしまったとあるマンションのエレベーター前。


満(…はあ、なんの目的もないのにこんな夜中にエレベーターでひたすら登り降りしてるなんて…、端からみたら立派な不審者じゃないか、早く済ませて帰らなきゃ。)


僕はスマホに書いてあった手順を踏み、そして、


満「…なんだ、やっぱりなにもないじゃないか……。」


やっぱりなにも起こらない。がっかりしながら僕はエレベーターを降りようとした。

…その時、ふらっ、と目眩がしてそのまま…


満「…あ、……あれ…?」ドサッ


…そのまま倒れ込み、僕は気を失った。












そして、目を覚ました僕は、


満「へ?」


僕は、目を疑った、


満「え?え?、どこっ?なにここっ!?」


目の前は、


満「ジャン……グル?」


ジャングルでした。


満「え?どういうことっ!?成功したのっ?どうしようっ、何も持ってきてないっ、あわわわわ、どうしようっ、人はっ人はいないの?」


僕は辺りを見回す。!、僕は遠くで日焼けをした可愛い女の子を見つける。


満「あっやった!人だ!おーい!助け…ん?」


でもその女の子は変だった、何が変って変な草でできた冠?のようなものをかぶって、なにより満面の笑みを浮かべて歩いてるんだ。


満「……こんな暑いのになんであんな嬉しそうなんだろう…?くっ、でもっ、背に腹は代えられないっ、おおおおおおおおおおい、助けてくださあああああああああい!!!!!」


僕は全力疾走しながら女の子にすがり付いた、


満「すいませんんんんん、ここどこですかああああああああ、ご飯がないんですううううううううううう、助けてくださいいいいいいいいいいい泣!!!!、あっ!」


そういえばこの人日本語分かるんだろうか?スマホには通じるとか書いてあったけど、どうしよう、自信がないや。


女の子「えっ!えっ!?どうしたの?」


あ、日本語喋ってる。うーんここもしかしたら日本なのかな?でも日本っていう雰囲気じゃないし、この子可愛い。じゃない、しまった、とりあえず助けを求めなきゃ!


満「助けて下さい!僕日本から来たんですけどここどこですかあああああああああ泣」


女の子「?、ここはーーーーだよ。?、お腹すいてるの?あ、そうだあたしのご飯あげるよ!」


満(あれ?どこか聞こえなかったな、まいっかご飯だ!)

満「あああああああああありがとうございますうううううううううう、鶏肉かな!?美味しいですうううううう!!!」


女の子「あははっ、そんなに喜んでくれるなんてあげた甲斐があるわね。あっ、そうだ君さ、あたしに付いてくる?あたしのいくところってこの辺りで一番栄えてる都だから!」


満「えっ!?いいの!??やったあ、ありがとう!あ、そうだ僕は満、太田満だよ!」


女の子「ミツル?わかったよろしくねミツル!あたしはマヤ!よろしくね!」


満「マヤちゃん!いい名前だね、よろしく!」


マヤ「うん!」


それから僕はマヤちゃんと一緒に都まで行くことになったんだ。それからは、色んなものをみたり体験した。恐竜みたいな鳥や、犬みたいな猛獣になぜか僕だけ追いかけられたり、途中すれ違う人にマヤちゃんは拝まれたりしていた。


満(?、マヤちゃんってもしかしたらどこかの国のお姫様なのかな?)


そんなことを考えたりしつつ、数日間共に旅をしていたある日の夜、


マヤ「あたしね、神様のお嫁さんになるの。」


満「?、どういうこと?王様と結婚するの?」


マヤ「ううん、違うよ?神様は神様だよ、ほらお昼にいつも空のてっぺんに光ってるでしょ?あの人よ!」


満「?、太陽?」


マヤ「!、タイヨウっていうの!?神様の名前はじめて聞いたわ!物知りなのね!」


満「う?、うーん、?」

(マヤちゃん太陽を知らないのかな?…あれ?もしかして、来たのは異世界じゃなくてとんでもなく昔にタイムスリップしてたのかな?)


マヤ「そっかー!タイヨウ!タイヨウっていうのね!待っててねタイヨウ様もう少しであなたのもとへ行きます。」


と、マヤちゃんはお祈り?を始めてしまった。


満「うーん、もう暗いし僕もう寝るね?」


マヤ「うん、お休みなさい。」


この時、バカな僕でも少し考えれば分かることだったんだ。神様のお嫁さんになるっていうことの本当の意味を。






朝になった。そしてふと気づく、


マヤ「!、都だわ!ほらほらミツル!都が見えるよ!」


満「あ、ほんとだ。町?かな?見えるよ!」


マヤ「やったー!もう少しよミツル!頑張って行きましょ!あら?ミツルったら最初会った時に比べて痩せてない!?少し男前よミツル!」


満「そりゃ何日も暑い中歩いて、しかもご飯もあんまり食べなきゃこうなっちゃうよね、はははは…」


マヤ「元気ないわねミツル!ほらっもうちょっとよっ!」


マヤちゃんが僕の手を取り引っ張ってくる、痛いけど可愛い、


満「わっわっ、う、うん!」


マヤ「あははっ!」


もうちょっとで都に着く。…もうちょっとでマヤちゃんともお別れか、ちょっと悲しいけど、でも、仕方ないよね!僕はそう自分に言い聞かせる。






そして、遂に辿り着いた都。都というだけあってすごく活気に溢れていた、


マヤ「わあああ!やっぱり都はすごいわね!あたしの村じゃこんなにたくさん人いないもん!」


満「わああああ!すごいなー、人がいっぱいいる!人がいっぱいいるし変な格好の人がいっぱいいる!」


マヤ「あっ!あれは偉い人たちよ!神様に仕えている人たちよミツル!」


満「へぇー、すごいやー!何がすごいって顔がしげる並みに真っ黒だよ!」


マヤ「あっ、あれは偉い人の中でもっと偉い人よ!あなたの言ってたシゲル?もきっとすごく偉い人なのね!」


満「うーん、すごい人だとは思うけど…そうなのかな?」


マヤ「きっとそうよ!」


満「うーん、うん!マヤちゃんが言うならそうなんだよね!シゲルすごいや!」


マヤ「うん!シゲルすごいわ!」


なんて、話をしつつ宮殿のようなところに辿り着いた。


満「マヤちゃん?ここは?」


マヤ「多分神様と結婚する場所よ!」


満「そうなのかなー。あっ」


誰か近づいてくる、さっきのシゲルだ。


神官「あなたがーーー村のマヤか?」


マヤ「ええ!そうよ?」


神官「お待ちしておりました、どうぞ中へ。?、そちらの方は貴女様の付き人ですかな?」


満「えぁ!?ぼ、僕は…」


マヤ「そうよ!私の最高の友達よ!」


満(///)


神官「そうでしたか、であれば是非あなたも中へ。」


満「はっ、はい!ありがとうございます!」


中へ通される。…やっぱりすごいや、宮殿の中に噴水がある。


マヤ「わあああああっ!なにこれすごいわ!!」


案の定マヤちゃんも興奮していた。

その後、寝室?のような部屋に案内され、


神官「それでは、明朝祭壇へ参りますのでそれまではごゆるりと。」


満「あ、ありがとうございます!」


マヤ「ありがと!」


神官 スッ(礼)パタン


満「……………。」


マヤ「……………。」


満(っ///)



僕はなぜか二人一つの部屋にいることを意識しだす。

……マ、マヤちゃんは、…あ、ベッドで遊んでる。


マヤ「ミツル!これすごいわ!ジャンプがいつもより高いの!!」ビヨンビヨン


満「うん、そうだね!」


うん!意識した僕がバカだったね!そうだよね、マヤちゃんこういう人だもん。ああ、なに意識してるんだろ。






そんなことがあった後、豪華な食事をしたり、大きなお風呂に入ったりと、まさに至れり尽くせりだった。


マヤ「はー!」


満「はー!お風呂大きくてすごかったなー!そっちはどうだった?」


マヤ「なんか浮いてた!」


満「?、浮いてた?」


マヤ「お花がね!たくさん浮いてたの!お風呂が埋まっちゃうくらい!!」


満「あ、あー、なるほどね!やっぱりこっちとは違うんだね!こっちはライオンが口からお湯出してたよ!」


マヤ「え!!すごいわ!ミツルあなたそんな勇敢だったのね!」


満「?、勇敢?」


マヤ「口からお湯を出すライオンに勝ったんでしょ!?すごいわ!」


満「!、ちっ、違うよ!?ライオンの彫刻が口からお湯を出してたんだよ!?」


マヤ「?、チョウコク?がなにかわからないけど強そうね!さすがミツルよ!ミツルは偉大な戦士なのね!」


満「う、うーん。そうなのかなー?違う気がするけど…」


マヤ「あははっ、あとは自信を持ってくれたら完璧よ!」


満「う、うーん。」


ああ、マヤちゃん勘違いしてる。けど可愛いなー。でも誤解だしなー。どうしよう。


マヤ「ミツル!部屋に戻ろ!」


満「う、うん。」


誤解が解けぬまま部屋に戻る。

部屋に入るとマヤちゃんははしゃいで疲れてしまったのか、そのままふらふらと前へ進み、ベッドに倒れ込むとそのまま寝てしまった。

そんなマヤちゃんをよそに、僕はさっきベッドで跳ねてるマヤちゃんを思い出した。そして、無性に羨ましくなった僕は、気が付くとそこには少女の横で高校生がベッドの上でひたすらとび跳ねてその跳ね具合に興奮しているという何とも言えない状況が出来上がっていた。そして、遊び疲れた頃僕はそのままベッドへ倒れ込み目を閉じた。





儀式当日、朝食を食べたあとマヤちゃんと僕はシゲルさんに連れられ着替えをした。


マヤ「見て見てミツル!すごいでしょ!」


満「わあああ、すごいや!すごく…、なんか…、うん!なんかすごいや!!」


マヤ「でしょ?でしょ!?あたしこんな豪華な服着たの初めてよ!!」


満「うん!小林某の葉っぱバージョンみたいだ!」


マヤ「コバヤシ?どんな人なの!?」


満「(格好が)すごい人だよ、第二形態もあるんだ!」


マヤ「ダイニケイタイ!?なんだかわからないけどとっても楽しそうな人ね!」


満「うん!見てて飽きないよ!」


マヤ「嬉しいわ!そんな素敵な人みたいだなんて!ありがとね!ミツル!」


ミツル「え、うん!」



しまった、また誤解させてしまった。うーん、でもすごい衣装だから間違ってはいないのかな?うーん、どうしよう。


マヤ「ミツルもそれ!カッコいいわね!さすがライオンに勝っただけあるわ!すごく様になってるよ!」


満「あ、これ?」


僕の腰には短剣があった。うーんこれ本物なのかなー?本物だったら危ないや、転ばないようにしないと、


マヤ「そうそれ!それであたしのこと守ったりしてくれるのかな!」


満「うーん、どうだろう、でも、そうだね!頑張って守るよ!」


マヤ「うん!任せたわよ!戦士様!」


神官「準備は出来ましたかな?」


ミツル「は、はい!」


マヤ「もちろん!完璧よ!」


神官「それでは、祭壇へ参りましょう。」


マヤ「ああ、やっとこの時が来たのね。待っててタイヨウ様もうすぐあなたのもとへいきます。」


ミツル「…………。」


さみしいな、でも仕方ないよね。よしっ、せめてマヤちゃんを精一杯祝福しよう!


満「良かったね!マヤちゃん!」


マヤ「うん!ミツルもありがとね!」


満「えっ」


マヤ「ここに来るまでの旅がね、まさかこんなに素敵な楽しい旅になるなんて思ってもみなかった!全部ミツルのお陰よ、本当にありがと!」


満「そんな、僕だってすごく楽しかったよ、今まで辛かったことが忘れちゃうくらい…」


マヤ「そっか…。フフン!だからねミツル!最後まであたしの晴れ姿見ててちょうだいね!!」


満「…うん、うん!わかった!最後まで見届けるよ!!」


マヤ「うん!」


神官「……もう、大丈夫ですかな。」


満「はい!」


マヤ「うん!」


神官「ふむ、準備が整ったようですな。それでは参りましょう。」





そして、

僕らは宮殿からかなり歩いたジャングルの奥、のさらに奥を抜けたそのさきに開けたところがあった。そして、そこには巨大な祭壇があった。

祭壇というよりピラミッドの先端を無くした台形のような大きな、山のような建物があった。


マヤ「わあああ!すごく大きいわねミツル!」


満「そうだねー、でもどこかでみたことあるような…」


マヤ「!、ミツルこんなに大きな祭壇みたことあるの!?すごいわ!さすがねミツル、ものしりね!」


満「うーん、そうなのかな。」


満(でも、この建物、なんだろう、すごく嫌な感じがする。なんだろう、この違和感…うーん)


マヤ「ミツル?」


マヤちゃんが僕の顔を覗きこむ。


満「へ!?い!いや!?なんでもないよ!?///」


マヤ「?考え込んじゃってどうしたの?ミツル!あっ!お腹空いてるのね!そんなこともあろうかとほら!骨付き肉!!」


満「!?、ど、どこから出したのマヤちゃん!?」


マヤ「?、頭の冠だよ!」


満「!??、その骨付き肉は…?」


マヤ「おなかへるとおもって!!」


満「…う、うん!ありがとう!」


マヤ「へへっ!」


もう気にしたら負けな気がした。…あ、お肉美味しい。

お肉を食べたあと、僕らは祭壇のとても長い階段を登り頂上へ案内された。


神官「さて、いよいよですな。準備は宜しいですかな?」


マヤ「ええ!問題ないわ!」


満「あ…の、マヤちゃん…。」


この時僕は、


マヤ「?、どうしたの?ミツル!あたしと離れるのがそんなに辛いの!?しょうがないなー!大丈夫よ!死んじゃうわけじゃないんだから!また一緒に遊べるわよ!」


あの祭壇の違和感が何なのか、はっきりと思い出してしまったんだ。


満「でも…、おかしいんだ、すごく嫌な予感がするんだ…。僕、昔テレビ…って…言ってもわからないよね…、テレビで見たことあるんだ、ある…時代でさ、毎年、ちょうどこんな感じの祭壇で、マヤちゃんみたいな女の子がいて…さ、…ちょうどっ…あ、あんな感じの台で寝てて…、そ、それでね…、その…女の子は……さ……、


マヤ「?」


満「…かっ、…神様のっ!…い、生け贄にされちゃうんだっ!!!!!…こっ、殺されちゃうんだよっ!!!!!!」


マヤ「えっ…、ミツル!…そんな…はず…ないよ…、だって…あたしお母さんからっ!…あたし、神様のお嫁さんに選ばれたって……、死んじゃうわけじゃないってっ!……」


神官「おや?村の長から聞いていらっしゃらないのですか。毎年貴女のような方が偉大なるーーーー神と融合することで、我が文明の更なる発展を神は約束して下さるのです。」


満「そ、そんなっ……、だとしたらそれって…もしかして本当にっ……」


マヤ「え……、違うよ……、お母さんから聞いたのと…全然………ちがうよ…………」


神官「さて、神を待たせるのも恐れ多いですな。そろそろ神をお呼び致しましょう。偉大なるーーーー神よ、いまこそーーーー、ーーーーー」


と、シゲルさんは神様を呼ぶための呪文のような言葉を唱え始めた。どうしよう、すごく嫌な予感がする、早くここから逃げなきゃっ、


満「マっ、マヤちゃんっ!!早く逃げないとっ!!」


マヤ「ちがう………、うそ……こんなのちがうよ………ーーー、ーーー……、ーーー………」


満「………マヤちゃん」


マヤちゃんはへたりこみ涙を流して放心状態になっていた。

どうしよう、どうしようっ、何とかしないとっっ、早くここから逃げなくちゃっ、


満「くっ、マ、マヤ、ちゃん、立って……早くここから逃げなきゃっ……っ」


マヤ「あ……、…ミツル?あたし……、殺され…ちゃうんだ………、もう…一緒にいろんなとこ……行けないね…………」


満「!、そんなこと言わないでよ!マヤちゃんらしくないよ!大丈夫!僕はライオンを倒した偉大な戦士なんだよ!?絶対僕が守るからっ……だからさ……また一緒にいっぱい旅しようよぉ!!!!」


マヤ「……っ、ミ……ツ…」


神官「さあ、マヤ様、いらっしゃいましたぞ。あの御方こそがーーーー神の生き写し、ーーーー様であらせられます!」


ーーーー「アー…、う…う……アーェ」


満,マヤ「!!!???」


そこには、全裸の、神様とはとても呼べないような、そう、教科書で見たことのあるような類人猿、みたいな大男がそこにいた。


ーーーー「アーーーーウ、アッ、アーーーー」


神官「ええ、今年、貴方様と融合を果たされる方はこちらの方でございます。」


ーーーー「アーーーー!アーーーーウ!!」


神官「おお!お喜びいただけるとはなんたる僥倖!こちらも嬉しゅうございます。ささ、どうぞ我らが文明の為に神人の融合を!!」


ーーーー「アアアアアアアアアアアアアアアアーーーーー!!!!」


まずいっ!こっちに向かって来るっ!


満「マ、マヤちゃん!!ごめん!!!!!!」ドンッ


僕はマヤちゃんを突き飛ばし、大男の突進からかろうじて避けた。そして、僕も大男から離れようとした瞬間、大男はそのとんでもなく大きな腕を伸ばした。そして僕は、大男捕まってしまった。


満「っ!、しまっ」


そして、その大男は強い力で僕の首をギリギリと絞めはじめた。


満「くっっ、ぐぅっ!」


マヤ「っ!、ミツルーーーーーーッ!!!!!」


ああ、また、今回も、やっぱり、僕っていつもそうだ。大事なときにドジなことして、学校でも皆に笑われて、からかわれて、チビで、デブで、大事なときも逃げちゃって、ああ、僕って本当、どうしようもないや。ああ、こんな、僕が、戦士なんてやっぱりなれるわけないじゃないか。ああ、僕なんかには、お似合いの最後じゃないか。そうだ、そうだとも、いっそこのまま殺されちゃえばいいじゃないか。そうすればあいつらにいじめられることなんかずっとないじゃないか。今殺されちゃえば…これから先、きっと同じようなことが続く未来が、これで、全部帳消しになるじゃないか。…ああ、そうだ…、そうだね……、そうしよう……、うん…、全部これで、…楽に、…なってしまおう、終わりにしちゃおう。


マヤ「ミツルーーーーーっっ!!!!!ミツルは!私を守ってくれるんじゃなかったの!!!!!????」


マヤ…ちゃん?


マヤ「っミツルは!!!ライオンに勝った戦士なんでしょ!!!!????そんなやつに負けないでよ!!!!!!!!!」


でも、僕、マヤちゃんの思うような戦士なんかじゃないよ、ただのチビデブなんだ…


マヤ「っミツルは!!その剣で!!!あたしを守ってくれるんじゃなかったの!!!!???嫌だよ!!!!死んじゃやだ!!嫌だ!………嫌だよ…、…一人に……しないでよぉ…………」


あ、また、泣いちゃった、マヤちゃんらしくないよ、そんなの、マヤちゃんはもっと元気で変だけどすごく元気じゃないか、嫌だよ、そんなの、


マヤ「…いやだよぉ…お願いだよぅ……また…、一緒に旅しようよぉ……」


神官「おや?いけませんな。貴女様にはーーーー様と融合していただくという大切な御役目があるというのに…」


?、なにしてるの?、シゲルさん?…え?、なに…その短剣…、それをどうするつも、


満「ッッ!」


まさかっ、やめろっ、そんなっ、だめだっ、マヤちゃんっ、マヤちゃんっっ、逃げてよっ!マヤちゃんっっっ!!!


満「っぁ……っ、ぐっ……」


やめろ、、、やめろ、、やめろ、やめろやめろやめろやめろっ、…や、やめろよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお


満「ぐっ!ああああああああああああああああああああああ!!!!!」


僕は無意識に短剣を抜き大男の前腕に刃を突き立てていた。

ドサッ、と大男は僕から手を離し焦った様子でどくどくと血の流れている腕を押さえている、


満「ぐっ!……い、まの…うちに!!!!!!!!!!!」


僕はシゲルさん、いや、マヤちゃんを殺そうとする神官に向かって無我夢中で突っ込んだ。


満「うううううあああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!」


神官「っ!邪魔をしないでくださいますかな!!」


っ!、僕の突進は避けられてしまった。

その直後空回りしてしまった足がもつれそして、僕はこけてしまった。


神官「さて、少し恐れ多くはありますが、わたくしめがーーーー様の為、融合をお果たししやすく致しましょう!」


満「ぐっ!…や、め…」


やだ、やだ、やだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだ、いやだ、絶対にいやだ、こんなところで諦めたくない!!こんなところでお別れなんていやだ!!!こんなところで、彼女を殺させてたまるか!!!


満「ろおおおおううううううううううおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!」


僕は神官の脚にしがみつき、短剣を刺しまくった。


神官「うわああ!いやああああ!!痛いやあああああああぁぁぁぁ!!!」


痛みに悶絶し倒れ込みバタバタと暴れる神官。

それをよそに僕は震える膝を奮い立たせ、


満「くっ!…う」


僕は立ち上がる、そして震える足でマヤちゃんの元へ駆ける。

と、同時に再度大男がマヤちゃんへの突進をはじめていた、


満「マヤちゃん!!!!絶対守るからっ!!!!」


マヤちゃんを背に僕は突進する大男と対峙する、両手にしっかり短剣を持ち、構える、狙うは真上、すでに血まみれになってしまった手で、震える手で、短剣を離してしまわぬようしっかり構える、そして僕は心の中で唱える。

僕だってできるんだ、僕だってできるんだ!僕だってできるんだ!!!僕だってできるんだ!!!!ぼっ、僕がっ!!!やるんだ!!!!!!!!!!!


満「うわああああああああああああ!!!!!!!!!」


大男が僕を捕まえる、その瞬間、僕は勇気を振り絞って前へ踏み込み、そして、その股の間にぶら下がる急所に刃を突き立てた。


満「ああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


ーーーー「アアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッッッッッッ」


そして、力の限り引き抜き、再度、突き立てた。


ーーーー「アアアアアアアアアアアアアアアアッッッ、ゥ、」


大男は倒れ込み、失神したみたいだった。


神官「…やって…くれましたな……、よくもーーーー様をッ!!」


満「こ、こんなのッッ!神様じゃないよッッ!!!神様は、もっと、優しくて、きっといい人なんだ!!!!こ、こんなっ、変なやつがっ、神様だなんてたまるか!!!!」


神官「おおおおおおおおんのれぃぃぃ…!!!神を侮辱するなど貴様何様のつもりだぁぁ…!!!!殺してやるッ!!殺してやるゥゥゥゥゥゥッッ!」


怨嗟の言葉を吐きながら神官は這ってまるで蛇のようにこちらへ向かって来る、


満「こ、こんなの間違ってるんだ…。…こ、こんなの…、間違ってるんだああああああああああ!!!!!!!!!」


僕も神官へ走り出す。そして、神官の口に刃を突き入れた。


神官「がっ……、あがっ………っ!?」


僕は刃を引き抜く。神官は口からドボドボと血を流し、腕から力が抜け前のめりになり突っ伏した。


満「あ、」


ドサッ、と僕はへたりこむ。


満「うぷっ!!!」


ふと、辺りを見回し、とんでもない惨状を見て、我にかえり自分のしたことへの、人を死へと追いやることへの罪悪感、血をみることへの嫌悪感が一気に襲いかかり僕は吐きそうになってしまった。


マヤ「………ミツ……ル…?…」


満「…あ…、マヤ…ちゃん…?、!!、み、見ないで!僕は…ぼ、僕はっ!………」


マヤ「……でも、ミツルは…戦士として…あたしを守ってくれた……よ…?」


満「で…でもっ!」


マヤ「…じゃあ…さ。あたしもね……ミツルのそれ、分けてよ。一緒にさ、持っちゃえばさ、きっと、辛くないよ?」


満「そんなのっ、!」


マヤ「あの人たちが倒れてなきゃあたしは死んでたの……、だから……あたしだって…」


満「ち、ちがう!ちがうよ……、そんなの間違ってる…!そんなのっ…全部、僕がっ…!僕がやったんだ…!僕が悪いんだ…!僕だけが……っ!」


マヤ「……いやだよ…そんなのだめだよ…」


満「でも……でもさ…」


マヤ「………なら…、あたしも考えてることがあるの…」


満「………え?」


マヤ「…あたしね、ミツルと…ね…、ずっと…、一緒にいる!それでね!無理矢理にでもミツルのそれあたしが担いでやるの!!」


満「…へっ?……へっ!?」


マヤ「だからねミツル!あたしと結婚しよ!!」


満「!!!!!!!!///」バタッ


僕は、鼻血を吹いて失神してしまった。









満「………あれ?」


…気が付くと僕は、


満「ここ、は?」


…あのマンションの、


満「あっ!ここっ!」


…あのエレベーターの前で、倒れて寝ていました。


満「…?、何でこんなところに……あっ!……マヤちゃん!…」


そうだ、そうだった。僕は異世界へとばされて、


満「………。」


マヤちゃんと出会って、色んな旅をして、色んなものをみて、そして、


満「…マヤちゃんを…助けたんだ……。」


そうだ、僕は生け贄になりかけてたマヤちゃんをなんとか助けたんだ。


満「///」


そうだ、最後の最後で、マヤちゃんは、僕に…///


満「うぅ…///」


…マヤちゃん、あんなことがあったあとなのになんてこと言い出すんだ。もう、はははっ。


満「ふふっ、楽しかったなー。」


楽しかったなー、本当に、すごく、楽しい旅だったんだ。


満「…ずっ…ぐすっ…………ふぅ。」ごしごし


さて、


満「早く家に帰らないと……。」


またいつも通りの明日が…、やってくるんだ…。




































満「……………。」


その時、……もぞっ


満(?、あれ?いま背中で何か…)


もぞもぞ……


満(動いてる!?な、こ、こんどはなんなの!?……)


???「……あれ?……ここ、どこ?」


へっ?


満(へっ?)


???「…あ、…ミツル?ここどこだかわかる?」


…これって、


満(そ、そんなっ…)


???「…ねえってば!…ミツル?」


そんな、うそだよ、だって…


満「だって、君は」


異世界の、と、ふいにガバッとなにかが覆い被さる。


???「もうっ!ミツルったらどうして無視するのよ!あっ!わかった!お腹空いてるのね!……あっ!でも今あたしなにもないやっ!ごめんね!」


満「異世界の人じゃないか!マヤちゃん!!」


マヤ「?、イセカイ?、?、それよりここどこなの?知らない場所だよ!」


満「ここはね、僕のいる世界だよ。」


マヤ「?、ちがう場所ってこと?よく分からないけどあたしまたミツルと一緒に旅ができるのね!」


ガバッと、マヤちゃんがハグをしてくる。可愛い。

……ああ、でも、マヤちゃん、話の重大さにまだ気づいてないよ。


満「あの、だから、そうだっ!もう自分の村に帰れなくなっちゃったんだよ!」


マヤ「!!、…そっか。ちょっと残念だな。あっ!でもさ、あたしあそこで死ぬことになってたんだよね!」


満「あっ、そういえば…、」


マヤちゃんは、あのとき死んだことになってるんだ。だとしたら、村や都に戻ったとしてもまた同じように…


満「………。」


マヤ「だからさ。あたし、…行くとこ…なくなっちゃったんだ…」


満「あ、あの…なら……」


マヤ「だからさ!今度はあたしがミツルに付いていっていい!?」


満「あ!?…う、えっと…」


マヤ「フフン!それともこう言ったほうがいい?すみませんんんんん!ここどこですかああああああああ!、ご飯がないんですううううううううううう!、助けてくださいいいいいい!」


満「………?、…っ!?あああああああ!!!」


マヤ「フフン!思い出した!?あたし結構覚えるの得意なのよ!」


満「///……、うぅ、わかったよぅ。だから真似しないでよぅ…。」


マヤ「あははっ!うん!じゃあ、またこれからよろしくねミツル!」


笑うマヤちゃんが手を差し出す。


そうだ、僕は…


満「っ!」


今度はこの世界で…


満「うっ、うん!」


彼女と一緒に…


満「…よろしくね!マヤちゃん!!」


…旅をするんだ!















断片的後日談


・エンディングから満,マヤ帰宅後のできごと


満は父母の説得を試みます。


満「あ、あの…、お父さん!お母さん!この子、身寄りがなくて…、家に住ませたりできないかなぁ!」


パパ「!、ほうこれはこれはなんとまた!母さん!満が女の子を連れてきたぞ!!」


ママ「あらあらあらあら、何事なの!アラァ~可愛らしいわね~!満のお嫁さんなんでどうかしらなんてはやすぎるじゃないもうわたしったらあらあらあらあらーーー、ーーー」


マヤ「あたしミツルと結婚します!」


満「!!!///」

(マヤちゃん!唐突になんてことを!?)


パパ「素晴らしい!!!ママ、宴を始めるぞ!!!」


ママ「あらあらあらまあ!始めるわ!真夜中だからって気にしないわよ!!!」


満「パっ!?マっ!?」

(何が起きてるんだ…)


マヤ「これからよろしくね!お父さん!お母さん!」


パパ「…娘ができた…っ、私は死んでもいい…」


ママ「あらあらあらあら!パパったら!あらもう立ったまま気を失ってるわ!!」


満(……。)


マヤ「!、大丈夫!?お父さん!!大丈夫あたし生き返らせて見せるわ!!!」


ママ「人工呼吸は任せなさい!!」


マヤ「ええ!」


満「( ・_・ )」

(気にした僕がバカだった。どうしてこうもエキサイトしてるの…?)


ママ「あらああああ!!パパ!!起きてパパ!!」ぶちゅちゅぅぅぅぅぅ


マヤ「お父さん!起きてよぉ!お父さん!」心臓ドンドン


僕の新しい旅はとんでもなく賑やかになりそうです。





・また、満君は後日いつも通り不良A,B,Cにいじめられ、ボコられますが、意地を見せ裸踊りを回避します。そして、満君はこれから空手を始めるそうです。

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