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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ(改訂版)  作者: sky-high
彼女が出来た
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彼女は出来たが何をすりゃいいのか…

波多野と付き合うという夢が叶った

うん、確かに叶った

でも、何だろう?嬉しかったのは最初のうちだけだった


何て言うか、彼女が欲しい!と願っていたが、いざ彼女が出来ると何をすればいいのやら…

よく考えたら、彼女が欲しいというだけで、彼女が出来たらその時点で僕の目標は達成した、そんな感じだったと思う

とは言え、初めて彼女が出来たという気持ちは嬉しいもんだ


(よし、この夏オレはオトコになる!)


高校1年の男が彼女が出来たとなると、やっぱり何時セックスしようか、という考えは頭の中に常にあり、どうやってセックスに持ち込もうか?何て事を妄想しながら初体験できる日を今か今かと待ちわびた


しかし、もう一方で波多野=ヤレるというゲスな考えを恥と思う自分もいることで、常に【性と聖】の間で揺れ動いた


オナニーでもしていち早く賢者タイムになれば不埒な考えは無くなるのだが、何せ当時は15才で童貞

いくらオナニーしても、翌朝には朝勃ちする自分の分身の元気の良さには呆れてしまう


前にも伸べたが、僕にとってオナニーとは快楽というよりは、いち早く煩悩を消し去る行為という手段として捉えていた


(さて、念願の波多野が彼女となった…今までのように中学時代の友人という関係から一歩踏み出した付き合いをしなければならないのだろうが、どう接すればいいのやら…)


どうしたものか

今までは【波多野】【小野っち】という呼び名だったが、これからは【慶子】と呼ばなきゃならないのだろう?


ん?てことは波多野は僕の事を【貴久】と呼ぶのか?


…いや、それは無い無い

今更さら呼び名を変えるなんて恥ずかしくて言えない


あぁ~、何か彼女ってめんどくせえ?


別な意味で悶々としていた

それに彼女となると、マメに連絡する事になるだろう


当時はLINEどころか、ケータイも無い時代だ

電話ったって父親がいつもすわっている居間の側にあるから、会話をしても親が聞き耳立てながら僕の会話を盗み聞きしてるんじゃないか?


それに波多野のとこに電話しても、先に電話をとるのは親だろう


(彼女いるってことは案外不自由なのかなぁ)


そんなネガティブな考えが頭をよぎる

こりゃ彼女いるってのは色々と面倒なのかもしれない


電話をする回数は今まで以上に増えるが、何を話せばいいのやら…


まず、どうやって会話しようか?それにどんな話の内容はどうすりゃいいのか…


(姉ちゃんに相談しようか?…いやヤツは無理だ!第一、波多野が彼女になったから、どんな会話をすりゃいいの?)


何て事は口が避けても言いたくない


そんな事もあり、しばらくは波多野に連絡していなかった


そんなある日、波多野から連絡があった


電話を取ったのは姉だ


「貴久ぁ~、慶子から連絡きたよ」


ビクンとして僕は受話器をとった

「もしもし」


「あっ小野っち?中々連絡くれないからこっちから電話しちゃった…バイト忙しいの?」


やっぱり口調が前までとは違う

何というか、声が弾んでいる


「あぁ電話しなきゃなって思ってたとこに波多野から電話がきたから」


「ホントに?じゃ電話するのもう少し後だったら小野っちから電話きたんだね。電話かけるの待てば良かった」


波多野も僕から連絡が来るのを待っていたのだろう


「でさ、小野っち次の休みに遊園地行かない?」


遊園地?てことはジェットコースターに乗らなきゃなんないのか?


僕は絶叫物の乗り物が苦手だった


あんなG(重力)の負荷がかかる速い乗り物なんてどこがいいんだろう?

何て事を思うのだが、勿論波多野には言えない


「あぁイイネ~。何処に行こうか?」


「アタシ後楽園遊園地行きたいなぁ」


「後楽園遊園地で戦隊もののヒーローと握手でもするのか?」


「何それ?ッハハハハ!今の笑えた!遊園地行って色んなの乗ろうよ、いいでしょ?」


断りたいのだが、断ると波多野が悲しむだろうな


「いいねぇ、じゃあ後楽園遊園地にしようか?」


思った事の正反対の言葉を言ってしまった


「じゃあそうしよ!小野っちアタシお弁当持ってくるよ!何食べたい?アタシが作るから」


そういや好物って何だっけ?

言われてみると中々出て来ないもんだ


「んー、じゃさおにぎりと唐揚げがいいな」


「いいよー、おにぎりの具は何がいい?」


「そうだな…シャケとコンブが入ったヤツ、あ!梅干しもいいな」


「梅干し?何か面白いね小野っち!」


「えっ、そう?おにぎりじゃなかっならサンドイッチでもいいよ」


「いいよ、おにぎり作ってくるよ!おかずは唐揚げだけでいいの?」


「んー、だって波多野だって食べるじゃん?後は波多野が好きなもん作ってくればいいんじゃない?」


「わかった!じゃあ楽しみに待ってるね。それと次は小野っちが電話してよね?うん、じゃあまた」


そう言って電話を切った


遊園地か…ジェットコースターの他にコーヒーカップとメリーゴーランド、何か空飛ぶじゅうたんなんてモンもあったな…


オレが乗れるのってメリーゴーランドとコーヒーカップぐらいしか無いんじゃなかったっけ?


…マジか!初めてのデートは遊園地かぁ!ジェットコースターに乗ってガタガタ震えてるのを横目で見て波多野はガッカリするだろなぁ…


「貴久、慶子と遊園地行くの?」


「何だ、いきなり!」


「慶子と付き合うようになったの?」


アネキがニヤニヤしながら色々と聞いてきやがる!


「別にいいじゃねーかよ」


姉が電話でのやり取りを一部始終聞いていたらしい


「アンタね、慶子はアタシの後輩なんだから大切にしてあげるのよ!」


「解ったから部屋で勉強してろ!」


部屋に入ろうとすると姉は耳元で

「アンタ、デートの時タバコなんて吸うんじゃないよ、わかった?」


そう言って部屋に戻った


ゲッ!タバコ吸ってんのバレて

るのか?


ヤベェな、親にもバレてんだろうか?


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