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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ(改訂版)  作者: sky-high
彼女が出来た
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アタシも彼氏いないし

「何頼もうか。メシ食ってないからな…モーニングにすっかな」


「あ、そうだ!小野っち、アタシ今日お弁当持ってきたから食べる?」


そう言って波多野はバッグを開けてバンダナに包んであった小さい弁当箱を取り出した

女の子らしく、可愛いプリントがしてあった


「随分小さい弁当箱だな。こんなんで足りるのかよ?」


「だって痩せないとさ」


まぁ女は何時の時代でもダイエットは必要不可欠なのだろうかね、そんなに痩せたってしょうがないと思うんだけど


「あ、すいません。アタシ烏龍茶と…小野っち何頼む?」


「えーと、じゃあアイスコーヒーで」


「かしまりました」


店員はオーダーを受けて奥へと入ってった


「その、うーろん茶ってのは何だ?」


当時はまだ烏龍茶というのがまだ珍しい時代だった

聞いたことはあるけど、どんなお茶なんだろうか?そんな事しか思わなかった


「烏龍茶って中国のお茶で、カロリーが0だからたまに飲んだりしてるの」


波多野は決して太ってるワケじゃなく、普通の体型だと思う、まぁ確かに中学の時は少しポッチャリ体型かな、と思ったが、高校に行ったら少し痩せていた

その辺が少し大人っぽく見えたのかな…

でも、痩せてるって感じは無いが、無理して痩せるなんて事しなけりゃいいんじゃないかなぁ


でも女子高生だから体型は気になるんだろうか

ちなみに僕は当時170センチ、56キロでやや痩せてる体型だった


「あぁ、でもこんなとこで弁当食ったらダメなんじゃないかな?持ち込みとかいけないんじゃなかったっけ?」


「わかんないように食べたらいいんじゃないの?オレ今腹減ってるし」


そう言って小さな弁当箱を開けてみた


こりゃ余計腹減りそうな弁当だな

これじゃ食った気しねぇぞ

中はサラダと小さい卵焼きにご飯が少ししか入っていない


「これ食って足りるの?」


そんだけ量の少ない弁当だった

アンタ、減量中のボクサーかっ!ってなぐらいな小さくてカロリーの低い弁当だ


「足りるよ、そんなにいっぱい食べないもん」


「で、これ誰が作ったの?」


「これ全部アタシが作ったんだよ。いつもはお母さんが作ってくれるんだけど、夏休みだからアタシが朝起きてお弁当作ったのよ」


成る程、言われてみれば卵焼きの形が少し変だ

まぁ料理なんてする機会も無いんだろな


「じゃあわからないように、いただきます…っていうか波多野トマトキライじゃなかったのかよ?」


サラダにはプチトマトがいくつか入っていた


「そうそう、アタシさぁ、中学の時、まともにトマト食べた事ないのよね~」


「だってトマトが出る度にオレにくれてたじゃん」


波多野とは中1から中3までクラスが一緒で、給食のメニューにトマトが出ると必ず僕にくれた


「でさぁ、アタシ高校に入ってお弁当にトマト入ってた時があって。今までは小野っちが食べてくれたけど、これからはそんな事出来ないじゃない?だからトマト食べるようになったけどトマトって美容にもいいんだってね。今はトマト食べる事多くなったよ」


屈託のない笑顔を浮かべていた


「お待たせしました、烏龍茶とアイスコーヒーです」


そう言って店員は僕らのテーブルに冷たい飲み物を置いた


「ごゆっくりどうぞ」


そう言って店員は他の客に少なくなった水を注いで回った


「これか烏龍茶ってのは。見た感じ紅茶に似てるな」


「小野っち飲んでみる?」

そう言って波多野は僕に烏龍茶を差し出した


僕はテーブルの中央に置かれたストローを烏龍茶に差し飲んでみた


「うげぇ~、何だこれ苦っ!」


初めて飲んだ烏龍茶は苦くて渋くて美味しくない!

今もウーロン茶なんて飲む機会無いけど、多分この時の味を知ってるからか、まず飲んだ事はない


「そう?慣れたら美味しいわよ」


そう言って波多野はストローで烏龍茶を飲んでいた


「いやー、オレは苦くてムリだ」


口の中が烏龍茶の渋みで充満している

僕は口直しに波多野の弁当を食べた


「あ、この卵焼き少し甘いな。波多野、卵焼きに砂糖入れるの?」


ウチで食べる卵焼きとは違い、砂糖が少し入っていて、甘い


不味くはないのだが、美味いとも言えない

何か味が薄すぎた

と言って、味がどうのこうのと言える立場じゃないんだけど


腹が減っていたという事もあってあっという間に全部食べた


「これだけじゃ足りねえよ、やっぱ他に何か頼めばよかったな」


「そんなにお腹空いてたの?だったら他に頼めばいいじゃない」


んー、どうしようか?

いいや、この弁当だけにしよう



「ご馳走さまでした。ケッコー美味かったでした」


波多野にお礼を言って空の弁当箱を返した


「いいえ、どういたしまして」


そう言って波多野は弁当箱をバッグに閉まった


「あ、そうだ小野っち、優子とはどうなったの?」


いきなり杉下の話を振ってきた

ていう事は知らないのか、アイツに彼氏が出来た事を


目の前のヤツに告白して断られて、挙げ句に自分の事を好きだって女からは彼氏が出来たなんてこっ恥ずかしいじゃないか


「アイツ彼氏が出来たらしいよ」


「ウソー!優子彼氏が出来たの?」


目をパチパチさせながら波多野は驚いた様に声を上げた


「うん、この前連絡があって彼氏と一緒に海に行かないか?って言われた」


「で、小野っち一緒に行くの?」


「行くわけないだろがよっ!アイツの彼氏と一緒に海行って何が楽しいっつーんだよ」


二人の間に何で入って行かにゃならんのだ


「だって優子、絶対小野っちの事好きだったんだよ」


「何言ってやがんだ、お前がそんな事言うからオレはてっきり告白されるのかってアホみたいに期待してたんだぞ!で、終いには、彼氏出来たからその報告なんてぼざきやがって、あの女!」


「うゎ~小野っち可愛そう…」


「バカヤロー!オメーが余計な事言うからだよ!」


「えーっ、アタシのせい?」


「少しでも期待したオレがあまりにもマヌケだった」


ホントにありゃマヌケだった…今思い出しても情けないったりゃありゃしない


「そっかぁ、優子彼氏出来たんだ」


「で、お前は彼氏出来たのか?」


波多野は笑いながら


「いるワケないでしょっ!アタシだって彼氏居たらいいなぁって思ってるけど、なかなか居ないわよ」


(いないのか…どうする?波多野は杉下に遠慮してオレに告白を…いや、また同じ事になったらイヤだ、自殺モンだ!それだけは止めておこう)

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