主従関係成立
夏休み…
楽しいと思ったのは小学生の頃までだ
毎日朝早く起きて学校行ってラジオ体操をして、日中はプールで泳いで、その後は友達と遊び回った
土手に行って野球をしたり、草むらの中に入って虫とかを採ったり
夜になると花火をして、疲れはてて寝る
こんな事しかしてなかったが、今思えば楽しかった
で、高校生になった今は夏休みってのが退屈だ
暑いし、やることが無い
バイトしてファミコンして、後は…何しようか?
こんな感じで1日が終わっていくんだろうな
で、僕は夏休みひたすら遊ぶ事に決めた、金が無いと遊べないからね
まず、日中はバイトする!で、夜になったら遊ぶ!
夜の遊びだからそれなりに使う金が必要になる
だからバイトして遊ぶ金を稼ぐ、そんな考えしか頭の中になかったから
夏休みの初日からバイトの為に朝起きて夕方まで働いた
バイトが終わり、陽が沈む頃に友達と会い、遊ぶ
高校生の遊びだからゲームをやったり、麻雀をしたり、外で朝方まで他愛のないことを話したり
しかし、それも飽きてきた
他に何かやることはないか…
となると、夜の繁華街で大人の遊びをしよう!今思えば無謀すぎる考えだけど…
僕はバイト仲間に声を掛け、繁華街をうろうろしながらどんな遊びをしようか相談していた
「ソープ行かねえ?ソープ」
この年から特殊浴場はソープランドという名称に変わった
元々はトルコと呼ばれていたが、トルコの人からこんないかがわしいものは我が国には無い、という批判を受け、ソープランドに変わった
ソープに行こうと言い出したのは同級生の橋本だ
「ソープ?いや、別にいいんだけど…」
(まさか初体験がソープ?いや~それは無いだろ!)
そう思っていたが、僕は童貞だという事は恥ずかしくて言えない、言ったら何言われるのか…
「ソープっていくらするんだよ?あんなとこ行ったらバイトで稼いだ金あっという間に無くなるぞ」
もう1人のバイト仲間(名前は忘れたが、都内の高校に通う二年生)に言われ結局は行く事を断念した
「でも一回ぐらいは行ってみたいよな!」
橋本はどうしてもヤリたいのか…
まぁ確かに僕もヤリたいのは山々だ
でもいくらなんでも初体験がソープってのは無い無い…
「お前、ソープ行く前に皮剥けたのかよ?」
もう1人のバイト仲間が、橋本と一緒にトイレで用を足した時に、橋本のナニを見たらしく、まだ皮が剥けておらず包茎だったらしい
「ギャハハハハ!ポコチンが剥けてなきゃダメだろう!まず皮剥いとけ!」
僕は笑いながら橋本の肩に手を回しながら言った
「ダメって事はないだろ!剥けてなくてもセックスしてるヤツだっているんだからよぉ!」
僕の手を振りほどき橋本がムキになって言い返した
「でも、お前剥けてないポコチン見せられるのか?いくら向こうは仕事だといえ、そのポコチンでヤルってのは無いだろうがよ~」
僕らに包茎をからかわれ、橋本はソープに行くのを断念した
包茎…
(あっ!そう言えば)
僕はふと思いだし、橋本達に用事を思い出したと言ってウチに帰った
(そうだよ、橋本のポコチンで思い出したよ!)
僕は電車の中でニヤつきつつ、一目散にウチに向かった
マンションに着き、ダッシュで階段を掛け上がった
僕の住んでる4階ではなく、5階まで掛け上がり、康司のウチのチャイムを押した
【ピンポンピンポン、ピンポン!】
勢いよくドアが開き、「んだよ、ウルセーな誰だ!」と不機嫌そうに康司が出てきた
「康司~っ!いいかこれを見ろっ!」
と言って僕は一気にズボンとパンツを下ろした
「あっ!!テメー剥けたのか?」
康司のすっとんきょうな声がマンションに響き渡る
そう、僕はようやく剥けたのだ
それを康司に見せつけようとするために帰ったのだ、今にして思えば、よくこんなバカな事をする為に一目散に帰ったよな~っ
「おい、テメー!出してみろよポコチンをよ、この輪ゴムヤローがっ!」
僕がフルチンで見下ろすように康司に言うと
「オレの敗けだ」
と言って康司はうなだれた
「よし、オレの勝ちぃ~っ!」
セックスはコイツが先に経験したが、皮が剥けたのは僕が先だっ!
以来、康司は僕にあまり大きな態度をとらなくなり、主従関係が成立した…
蒸し暑い夏の夜の出来事であったが、僕たちはこんなバカバカしい事で優越を競いあっていた…




