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しーゆーあげいん

「んで、杉下はオレの他に誰の第二ボタン貰ったんだ?」


「えっ、小野っちにしか言ってないよ」


「ウソ?他のヤツから貰わなかったのか?」


「そんな何人もの第二ボタン貰ってもしょーがないじゃん!」


「いや、オレ以外にも第二ボタンあげたヤツがいるのかなって」


杉下は【お前バカじゃないの!】って言うような顔をしていた


このやり取りで、杉下は僕に気があるんじゃないかという雰囲気は何となく解った


でも僕は波多野が好きだ、こればっかりはどうしようもない


でも、杉下の巨乳を見ているうちに(オッパイ触りてぇなぁ!)という下衆な考えしか無かった


まぁ性の事で悶々としていた頃だから致し方ないと言えば致し方ないのだが、悲しい男の性だ


「小野っちどうした?」


こういう時って女は、男が胸に目線が行ってるのはわかってるのだろうか?


「いや、何でもない。杉下、連絡くれてありがとうな」


「小野っち…さっきからアタシの胸ばっか見てない?」


バレてるのかっ?


「へっ?」


「小野っちでしょ?アタシがクラスで一番胸が大きいって言い触らしてたのは?」


あれ?僕だっけ?


杉下は身を乗り出して、ヒソヒソ声で僕に耳打ちした


「修学旅行の時、お風呂場覗いた時、アタシの身体見たでしょ?」


あぁ~、あの時か!いや、違うだろ、身体測定の時だろ!オレは風呂場覗けなかったんだし、一晩中正座だし…


「風呂場じゃねえよ、身体測定の時だよ、風呂場のは結局誰の裸も見ること出来なかったし」


「えっ、身体測定の時も覗いてたの?」


「身体測定の時だけ!な」


「何で男子ってそんな事ばっか考えるのかなぁ」



その様子を思い浮かべて不覚にも勃ってしまった

(何でこんな時に勃つんだよ!)


杉下は風呂場を覗かれた事を思い出して赤面し、僕はその事を思い出して勃っている事を悟られないようにして平然を装っていた

でも修学旅行の風呂場は覗けなかった、これはマジ!


「あぁ、オレか言い出しっぺは!」


「そうだよ、小野っちが悪いんだからね!」


情けない…


「悪かったよ、あん時は」


「もうあれからかなり経つからいいんだけどね」


あれ以来、杉下=オッパイが大きいと学年で注目を浴び、男子から色眼鏡で見られるようになったらしい


「いや、ホントにごめんなさい」


この時、杉下はオッパイばかりに注目が行って恥ずかしかっただろうな

体育の時間なんか、杉下が動く度に男子はガン見していたからな


「もういいよ、過ぎた事だから」


腕を組ながら、杉下は憮然とした表情を浮かべた


「それよりね小野っち」


「うん」


「あの…もうそろそろ出ない?」


何だかんだで二時間ぐらい経つ

僕らは席を立った


「小野っち、いいよ自分の分は払うから」


「大丈夫、大丈夫。誘ったのはオレだから」


僕が料金を払った


「いいの?じゃご馳走さまでした」


店を出て杉下はペコリと頭を下げた


「んじゃ、今度は杉下が奢ってくれよ」


今度なんてあるんだろうか?


「小野っちまた会ってくれる?」


杉下はうつむきながら僕にポツリと呟いた


「またって、会えるじゃん!たかが学校が違っただけで会わないなんて事はしないよ」


「ホント?」


「うん、また連絡くれれば行くよ」


「今度は小野っちが連絡してよ~」


杉下は笑いながら、僕の方に顔を向けながらそう言った


「わかった、んじゃ必ず連絡するよ、しーゆーあげいん!だ」


そして僕は杉下と別れた


でもどんなタイミングで連絡すりゃいいんだ?


卒業してから女のとこに電話かける時のドキドキ感はハンパねぇからなぁ、ケータイの無い時代だったし…


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