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だってオレ天才だから!

その前に少し1学期の事を書いてみたいと思う


中3の1学期は毎日が楽しかった、何でって、期末テストで学年8位になった程、僕は優秀だったから


この時期だけにも限らず、僕は一年生の頃から成績だけは良かったんだ


塾なんかには行った事がない、ましてや家で勉強をした記憶すらない

ただ普通に授業を受けて、テストを受けるだけ、それでこの成績だ


当時、少年ジャンプで北斗の拳が連載して、トキになりすましたアミバが出て来て時のストーリーだったんだけど、アミバは口ぐせのように


「オレは天才だ~」って言ってたんだけど、僕はまさにそのアミバと一緒で、特に努力などする事も無く、テストでいい点数を取っていたんだ


こうなると、もう調子に乗るよね


自分より学力が劣る者を小バカにし、悪さしても、しおらしくしていれば、先生達は僕の事を成績優秀の生徒ってな感じで見ていたから、決して主犯格とは思われてなかった、だって成績がモノを言うのが学校だしね


言い出しっぺは僕なんだけど、女子が家庭科の授業を受けている時、ネズミ花火に火を点けて、家庭科室の扉をソッと開けて、何個も放り込む


中では【シュルルルルル、バンバンバンバン!】

ってな感じでネズミ花火が暴れながらグルグルと回ってるんだから、女子はビックリするよね


それを遠目で見ていてはゲラゲラ笑ってたり、身体検査の時は、保健室で行うんだけど、保健室の窓は決して中が見えないような曇りガラスになってるんだけど、誰かが言ったんだけど、そこまでは覚えてないが、外側からセロテープを貼ると、不思議と中の様子が丸見えになって、随分と興奮したなぁ


今思えば、バカ丸出しなんだけどね…


で、結局はバレて職員室に呼び出されるんだけど、呼ばれるのはいつものメンバー


そしてその中で一番成績優秀なのは僕


先生達は期末テストで8位になった僕が自ら率先してそんな事するワケがない、ってな感じでいつも言われるのは


「誰にそそのかされた?お前はあんなに勉強が出来るのに、こんな事をするなんて信じられん!」

みたいな感じで、頭が良いと何でも許されるんじゃないか、そんな気がしてきて、僕はどんどんと頭に乗った


授業でも誰かが先生に指されて答えを言うが、全然違う


「ったくバカなんだから、少しはオレみたいな天才を見習えよ」


こんな事言われたら誰だってムカつくよね?


だから1学期の終わり頃は僕はシカトされてた…


そりゃそんなヤツがいたら誰だって相手にしないよね…


でも、僕はそんな事はお構い無しに軽口を叩いていた


しまいにゃキレて、授業中にケンカになりそうになった事もあった


あの頃の僕は、今思い出してもチョーバカヤローなヤツで、地球は自分中心で回ってる、なんて事すら思ってたフシがあるんだから、身の程知らずもここまでくると、そのうち誰かにボコボコにされるのがオチなんだが…


ボコボコどころか、クラス全員からシカトされたんだよ


最初は楽しかった学校生活も、シカトされりゃ楽しくないよね…


(なんだ、コイツら!結局オレに嫉妬してんだろ!)


僕より頭の良いヤツはいっぱいいたけど、僕はそういう連中は最初から相手にしてなかったし、勉強しか出来ないつまらないヤツ!って感じで話すらするつもりも無かったよ


で、1学期が終わる頃、2学期に始まると、校内で水泳大会があるんだけど、平泳ぎや自由形、背泳ぎはエントリーするヤツはいたけど、バタフライはさすがに誰もエントリーしなかった…


だって授業でバタフライなんて教えてくれないもん


だからバタフライなんざ棄権でいいだろ、バカくせぇ、なんて思ってたら、中野ってヤツが当時野球部のエースで特待生として野球の名門校へ進学するんだが…


「小野っちやりゃいいんだよ!天才なんだろ?天才ならバタフライだって出来るだろうが、なぁ?」


その一言を皮切りに、教室内では、僕が一斉に的にかけられた…


日頃バカにしていたヤツラにこんな事言われるなんて、と思ったが、どうせシカトされてるんだし、いざとなったら当日バックレればいいや、って思ってつい安請け合いしてしまった…


「いいか、オレはバタフライやったこと無えけど、もし泳ぎきって一位になったらテメーら全員土下座な!」


売り言葉に買い言葉で、ついそのケンカを買ってしまった…


その瞬間、物凄い後悔と不安感が僕の身体を包んだ…


(泳げなかったらどうしよう…)


終業式、トボトボと1人で歩いて帰り、どうやったらバタフライなんて泳げるんだ?

そんな事で頭が一杯だったよ


物凄く後悔したし、何であんなに人を小バカにしたんだ?って…

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