空
呼ばれているという狩人組合に向かう道中、いつものガキんちょ達に出会っては"タカリニ来たか?!"という警戒をしてはみたが、普通の挨拶と昨今のウワサ話を聞かされた。
何でも、子供ぐらいの大きさで虫の様に這いまわる黒い魔物が町中を徘徊するという怪奇な事が起きたそうで、しかも自分たちが住んでる近くにも表れたらしいが襲われるという事はなかったそうだ。
何ともゴシップ記事ともオカルト記事ともいえる話であるが、子供サイズ並みの大きさで黒い虫の様に這いまわるマモノという時点で、出会いたくないという心境を決意させてくれる。
「という事で、ねーちゃんも夜は気をつけろよな。じゃ、オイラ達は仕事いってくる!じゃまたな!」
「お、おう・・・いってら」
そう言って元気いっぱいといに駆け出して去っていくガキんちょを見送っては、聞かされた話の内容に"さすがファンタジーな世界"という世にも奇妙な話があるものだと。
ただ、子供サイズの虫という存在は、ちょっと・・・うーん・・・
昆虫類や甲殻系は機械的機能美に通じるものがあるが、それ以外の多足類やらは流石に遠慮したい。
特に先ほどのファンタジーな話に出てきた"子供サイズの黒いアレ"とか、正直に言えば出会う事は遠慮したいものである。
そんな"中途半端な大きさのもの"に出会ったら最後、確実に精神的によろしくない影響が出てきてしまう。
まぁ、虫などの多脚かつ俊敏に動くという機構的な構造というのは、参考に値すべき機能美を有しているともいえなくもなく、興味が無いというわけではない。
多脚による安定性は見るものがあるともいえるし、安定性と高速性、または地形による阻害も少なく機動性が一定以上を保持できる多脚戦車というのも、やはり有用な部類であるとは思える。しかし、この世界でいう昆虫系魔物というのは未だ拝見することがなかったともいえるな・・・そういえば、海生系魔物とか触手系とかしか出会ってなかった様な?2ndキャラを破壊してくれた蝦蛄みたいな海生魔物?は、ちゃんとしたパンチ力があったから、ああいう能力を持ったままで人型とかの大きさになると、大きさによる分の威力向上もさることながら、あそこまで向上するのならば魔物というか怪人という表現が正しいのかもしれないのでは?と思える。なんというか暴カニ男的な・・・あ、これは違うか。そもそもだ、地形に左右されずに一定の駆動力を有する機能を追求していた多脚戦車の運用性を向上するための動作というものが、結局は既存に存在している地を這う・・・
『アーネスト様・・・アーネスト様?』
『・・・んぉ?あぁ、ヒョウさん?何かあった?』
怪人的な内容から思考を再び多脚戦車の浪漫を追求しようとて試みた兵装の一つを思い出しかけていた時に、ヒョウさんから声がかかってきていた事に気づいた。
『考え事の最中のところ申し訳ありません。ですが、シー殿の件、いかが致しましょう?』
『あー、そういえば、その存在をすっかり忘れてた』
『アーネスト様・・・それは流石に・・・』
『まぁ、こう広い街中じゃぁ、歩いて探すのも大変だしな・・・手がかりがあるならばいざ知らず』
『そうですね、推定700k㎡の範囲の広さ。港湾設備や工場地区を含むと、さらに大きくなる敷地を捜索するに、現在の装備では大幅な時間が必要になるかと』
『といういか、この街って、とんでもなく広かったんだな』
『高台からの観測により、ざっとした推測値ですが、おおよそはそれぐらいになるかと』
想像の範囲外の大きさを聞かされては、そんな範囲をしらみつぶしで住所不定Sを探すという行為はちょっとやりたくないなぁと思い立ち、トロル族並な生命力を持つSの事だからほっといても、いい様な気がしないでもない。
なにしろ、某G虫並の生命力や行動力で何とかしでかしそうでもあるが・・・
『まぁ、もし、アイツに何かあったとしても、自分で何とかしそうでもあるけどな』
『シー殿に、そこまでの能力は・・・否定できませんね・・・』
『だろ?』
『しかし、シー殿の行動力を抑制しないと、回りに何かしらの問題を及ぼすのでは?』
そう言われては、思い返してみる。
こちらが2ndの時、故障品Sが回りの目を気にする節がマッタクもってない、いや、持つ気すらない唯我独尊の行動力を発揮する存在に変貌する。
そうなった場合、周囲へ何かしらの影響が発生しないとは言い切れない。
というか、何かしら起きると断言すらできる。
『うわ・・・たしかに可能性が・・・そうなると早めに回収する必要があるか・・・はぁ・・・』
『捜索するにあたり、シー殿との通信接続をDisable設定をされたのは、今となっては・・・』
『いや、あれはアイツが悪いからな?いつの頃からか、こっちの耳が腐ってしまうレベルのポエム的な慕情を延々とたれ流され続けたら、そりゃそうするって話で』
基本的に、支援ユニットとは通信が行えるのだが、シーに関してはその設定を無効にしてある。
なぜなら、2ndで遊んでいた時に見つかったら最後、腐ったSからはとめどとなく流されてくる慕情あふれる言葉を投げ続けてくる。
それらをゴミ箱としているドラム缶に入れても、そこからあふれすぎて零れ落ちて周囲を水浸しにし、さらにその周囲を泥沼と化しては、通常の連絡機能に人為的(?)障害を及ぼすDoS攻撃と同義だろうという事に嫌気がさしたためである。
"元から絶つ!"という事で、罰と称して強制的にDisable設定にしたときにも、「お姐様から、直接手を下されるなんて・・・」と、恍惚な表情で喜んでた変態Sにドン引きすらしたけれど・・・
とりあえず、一応は管理下に置いておかなければ何をしでかすか分からないほどに、予想のはるか斜め上を突き抜けてくる存在になることが確定している存在という事には変わりはない。
色々と事を起こす前に、回収するに越した事はない。
ないのだが・・・
『捜索するにしても、こう広範囲の索敵を行う場合は、やっぱり空から探したほうが早いよねぇ・・・』
『私も、そう判断します』
飛行できる3rdに切り替えて捜索するという方法もあるだろうが、今朝方、2ndしか選択できなかった事を思い出す。
この件に関しても、きっちりと"O・HA・NA・SHI"しないといけない事は確定しているが、3rdキャラが使えないという事になると、飛行が行え尚且つ捜索が出来るとしたら3rdの支援ユニット、通称「オタカ」さんという存在ぐらいしかいない。
観測射撃の観測主としてのセンサー各種が搭載され、上空からの偵察用の機能もあり、なおかつ先遣調査用に計測器諸々をも搭載し、早期警戒機としても十二分すぎる機能を持たせている。
他にも空を飛べる道具は「在る」にはあるけれども、"高度な索敵や観測機能を持ちながら、なおかつ自立するユニットとして"という条件がなくなってしまう。
『オタカさん、呼ぶしかないかぁ・・・』
『そう、判断します』
『やっぱそっか・・・はぁぁぁぁぁぁ・・・・』
シーとは別のベクトルで、苦手な存在を呼ばなければならない事に、大きなため息しか出なかった。
思い付きの別作を垂れ流しながら、少し書き貯めしたのを放出




