明日までどうするか
とりあえず、仕事に関してのスタートラインは整った、とは思う。
思うのだが、こんどはその明日までどうするか。
懐具合は"とても"というわけではないがよろしくない。
これ以上、無駄に費やす訳にはいかない為、夜街に出るという選択肢も無い。
活動分は、先ほどから数えて減っているかどうかの微妙な消費量にはなっているし、というか戦闘的や作業的な行動をとらなければ、街中では省エネな状態でそうそう大幅に減る事はない。
そのため、そういった食事による摂取は今のところ保留としても問題はないだろう。
とにもかくにも、収入がない現状では出費に対して節約を心がける必要がある。
特にわかったこととしては、食費が半端なくかかる訳でもあるし、そうなってくれば拠点としては支払いを抑える為には野宿なりしなければならないのだろうが、この身体で野宿ってなんだか…
メンテナンスユニットやベースに立ってるとかならいざ知らず、機械生命体がたき火を前にし、身を屈めて野宿する姿というのは、なんというか、違うな。うん、違う。こればっかりは"ナシ"だ。ナシ。
自分のロボ道が、それは違うと告げている。
やはり、専用のメンテナンスベースユニットに駐機しているのが完璧だが、そんな物がこんな場所に存在しないのは明白である。
ならば、次は・・・寝っ転がれる場所というのが次の候補だな。仰向けになってカーゴにのっかって運ばれるとか、うむ、これはこれで完成されたスタイルであるな。
となると、そういう場所になりえそうなのは…
普通に考えれば宿か?
だが、生物基準の店があの狭さだったからなぁ・・・また、あの四苦八苦しながら入らなけりゃ不味いのか?
というか今頃気づいたが、先ほどから通りすがる人たちが、こちらをチラリチラリと見上げては、そくざに伏せてはいたりするが、ほとんどが見上げてくるということは・・・住人の身長は2mもないのか。
自分が頭一つどころか、胸ひとつ分飛びぬけてる恰好じゃないか・・・見晴らしは良いのだが、なんというか、珍しい目で見られていたりする所がなんともはや・・・
それに、さっきから腰の隙間あたりに手をいれこんでくる小さい奴らもいたりするが、たぶんこういうところでいうならば物取りか何かだろうが、たいていは倉庫に各種格納させているために、スリなんて無理だっていうのに何度も挑戦してくる奴らがいたりする不思議である。
あ、また別のガキんちょがやってきては、手を突っ込んでは何かやってきている始末である。
実際に物取られているわけでもないし、取られる様な構造でもないし、ほっとくか。
それよりも、横になれる宿を探すのが先だな。