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次?

 食事という形でのエネルギー補給作業を終えては、店を出る際にウェイトレスから「もう来ないでください」というお言葉を頂戴したが、まぁ、店から客がいなくなるという事態を引き起こしたというのは、少なからず自身のせいだろうというのは解らないでもない為、迷惑料も含めて少し多めに支払っておけば大丈夫だろう。



 というか、ただ飯を食べていただけというのに理不尽である。



 さて、とりあえずの"食事"という方法によるエネルギー補給は、結論から言えば、"アリ"であることが判明した。



 結論からと言わなければならない理由、それはエネルギー変換効率がすこぶる悪いという点と、固形物を摂取した際の気持ち悪さに耐えられればという話である。


 まず、変換効率という点をみてみると、どれぐらい摂取すればいいのかを確かめるべく、とりあえず合計20人前を平らげてみたのだが、いくらまっても満タン(FULL)になる事はなかった。


 全体ゲージの半分となる目安を超えたところぐらいで、ピタリと目盛りが止まってしまっていた。

 これは、20人前で大体四分の一程度しか回復していない事になる。




 変換効率悪すぎでしょ、この身体




 つまり、のこり半分を満たして満タンにするには、さらに20人前以上、ざっと目測でいえば40人前が必要という事になり、スッカラカンに近い状態だと80人前必要となる目算である。


 一体全体、どれだけ摂取しなければならないのかと。


 VRMMOの時は、補給用のエネルギーパックが普通に店売りされているから、食料を食事で摂取しても足りなけりゃエネルギーパック的なもので補えていたために特に気にはしなかったが、実際、こうもリアルに体験すると、食事による補給がこれほどまでに変換効率が悪すぎる物だったのか、いや、またはエネルギーパックが効率が良すぎるモノだったのかと今更ながらに感じてしまう。


 次に、あの気持ち悪い感覚、異物が混入して這い回るとでもいう違和感ともいえる嫌悪感が、もう食い物いれたくねぇ…という意識と精神に対して、鞭を思いっきりふってくる事である。


 強いて例をあげるなら、服と身体の間に活きの良いウナギが数匹入り込んで暴れているとでもいうか、ウナギならまだマシで、それらがワームとかその類とか、それぐらい気持ち悪い感触がすごかった。



 今後、あの感覚に耐えなければエネルギー補給が出来ないのかと思えば、少し憂鬱な気分に・・・



 少量だけなら耐えれるだろうが、20人前を摂取するだけであれだけの精神的ストレスを感じてしまうという事に、正直"うんざりする"という表現しか出てこない。



 なんだよ、国民的な青狸型のロボットなんて、焼き和菓子だけでも十分事足りていそうなはずなのに、その差は一体なんなんだ?糖分か?糖質なのか?そんな砂糖使った料理なんか周りでみかけなかったぞ?もしかして、砂糖って貴重品だったりするのか?いや、糖質というなら炭水化物でも構わないだろうが、パンが良いのか?それとも・・・ううむ・・・ここは今後に要検証と。



 そんな結果を踏まえてはいたものの、エネルギー補給に関して食事として摂取するという方法に問題も残ってはいるのだが、一応の目途はたったにはったのだが、いま、さらなる問題が浮き彫りになった事に気づいた。


 それは、餞別で渡された資金が半分以上も減ってしまっていた点である。


 迷惑料渡さない方がよかったか?いや、それじゃぁ礼節のなってない失礼なロボになるだろう、それは駄目だ。ロボは紳士でなければならない。それはロボ道として絶対事項の一つだろうし、致し方ない件であるだろう。



 それにしても、これだけ一気に資金がなくるとは‥‥‥



 毎回あの量の摂取が必要となるという事は、満タンにする為にはそれはそれは膨大な量が必要になるという事になるわけで。

 そうなると、それに支払う対価としての金額が問題になる訳で。

 元々ゲーム内部での持参していた通貨は、デジタル支払い的なクレジットカード仕様だったために、生の現金なんて持ってないのは当たり前で、ついでに確認してみたら、システムデータの資金の部分にその数値が表示されているかとおもいきや、その部分の表記ががっさりと消え去っているという始末であった。



 これからを現金支払いの世界であるという事を考えていくと、かなりまずいというのが予想できる。



 このままでは野垂れ死ぬ。

 いや、野垂れ停止?する可能性が否定できない。


 それだけは勘弁である。


 せっかく手に入れた機械の身体、夢にまでみた機械の身体になれたというのに、これはもう本格的に仕事探しをしなければまずい。


 いや、というかロボ的な存在が仕事(ワーカー)か・・・うむ、かなり映えるな!




 工事作業に、運搬作業に、建設作業‥‥‥いいねぇ、重機の変わりとしての機械、いい、それはとても良い!素晴らしいではないか!フゥハハハハハハ!まさに我が世の春になるのではなかろうか!そう考えれば考えるほどに、笑いがこぼれてしまう。ならば、ここはやはり工兵的なユニットを…あ、しまった、ブルユニットは別キャラだった…クレーンユニットにショベルユニットも倉庫キャラにいれたまんまだったか…迂闊!これは迂闊!しかし、しかしだ!まぁ、普通に重量物の運搬などなら、1stでも行けるはずだろうし特に問題にはならないだろう、とは思う・・・。

 まぁこればっかりは出たとこ勝負でいいか。




 とりあえずは、こういうファンタジー世界でいうところのお約束的なハローワークといえば、そうアレだな。まずはそこに赴いてから決めても遅くはないだろう。

 たいてい、そういう代物の中にそういったものが紛れ込んでいたりするはずであろうし、ならば、この街にもきっとあるはずだろう。



 よし、善は急げともいうし、さっそく探してみなければ!




〇周囲の状況

通行人の親子

「おかーさん、あの人笑ってるよー」

「指さしちゃいけません!」


通行人A

「(なんだアレ・・・かかわったらヤバイ類だよな・・・)」


通行人B

「(なんだアイツ・・・気持ち悪い笑い方してるよ・・・近寄らんとこ・・・)」


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