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会談?

 案内されて待たされる恰好でいた部屋の入口、その入口の扉からノックと共に「失礼します」という言葉が聞こえた後、静かに開かれては部屋の中へと入って来る存在が三つ程が目に入る。


 一つは先ほどの受付対応をしていた犬頭の生物(ナマモノ)

 そのあとに続いて入ってき二つのうち一つは、みるからに獣の人であるという主張を強くしてくる存在とヒューマンタイプの種族だった。



「お待たせしました、アーネスト様。こちらが当組合(ギルド)登録人事部担当のイリアスと、ハンター組合(ギルド)副所長のテオーネです」



 受付の人から紹介されたのは二つの存在。


 まず初めに先ほどの獣人受付から紹介された一人目は、イリアスと名を紹介された獣人ですと強く主張としたという存在であった。

 何しろ、その見た目がはっきりと獣人と主張してくるぐらいに見た頭部が虎。


 それはもう立派に見事に虎のマスクを被ったレスラーばりの体躯というか、タイガーという存在そのものを主張しており、その虎の頭に衣類と皮鎧の様なものを着ているという恰好である。

 もうこれは(アーマー)を着ているタイガーという直球的な印象でしかないのだが、やはり獣のサガなのか、何かしらの威圧的な感じでこちらを睨みつけているという感じであった。



 そしてもう1人。

 副所長として説明された生物(ナマモノ)は、テオーネと名を紹介されていた。


 見た目はそのまま こちらは普通にヒューマンタイプの女性であるのだが、赤毛のクセのあるショートカット的な髪型に、赤い瞳。

 そしてその身体付きはしなやかさを主張するかの如くの動作ではあるのだが、雰囲気的には今にもまるでソコにいないというぐらい、存在が希薄とでもいうぐらいの雰囲気の不思議な感覚をうけるのだが、この存在が、先ほどの連絡を入れてきたヒョウさんが、印をつけていたそのものでもある。



「ええっと、アーネストと申します」

「人事部のイリアスだ」

「副所長のテオーネです。よろしくお願いします。では、早速ですがガーランの素材の件を…」



 相手からの紹介の後に自身の挨拶が済んだ後、それぞれが椅子へと促される恰好で座り、さっそくとばかりに用件の話が切り出されようとしていた時、



「その話の前に、少し良いだろうか」



 そう言葉が言い終わる前に遮ってきたのは、副所長と呼ばれる背後に立っていた虎人からであった。

 さらにその虎人は、矢継ぎ早に言葉をつづける



「率直に言う。ハンター組合(ギルド)への登録移管は出来ないか?」

「え?」



 たしか、港湾工事の助手の方からは、先に登録さえしておけば勧誘は無いみたいな感じで言ってたはずなのに、いきなり直球でなげつけて来ているという状況だった。



「ええっと・・・」

「イリアス。早急すぎだ」

「しかし・・・」

「イリアス」

「……わかりました」



 存在が希薄な生物(ナマモノ)から窘められ、いきなりテンションを下げている虎人がいたりするが、その状況はまるで猫の様にしょぼくれて‥‥‥あ、虎ってネコ科か。



「すまない。イリアスが失礼をした」

「いえ、気にはしていませんので」

「そう言ってもらえば助かる。それでだ。買い取りの件に関しては、通常、組合員でないのならば流通経路に乗せる為の手続き、いうなれば手間賃を引かせてもらう形になるのだが、まずはその点を理解してほしい」

「ああ、はい、わかりました」

「組合員であるならば、その手間賃を免除する恰好にはなるのだが」

「いえ、手間賃を引かれたそれで構いません」

「そうか。わかった」



 とりあえず、手続きに関しての概要を教わったが、手間賃を引かれるという説明を受けていた。

 が、目の前にいる存在希薄の人物といえば、尾行をしていた人物という事で、何かしらの思惑があるだろうと、厄介事のフラグ建築をしないようにと、関わらない様にと選択していた。



「ふむ、警戒をさせている様だが、我々としてはアーネスト殿に害を加えるような事は考えていない」

「・・・・・・」

「そうだな‥‥‥まずは私たちの現状から話すべきだろう。すまない、アーネスト殿。貴殿はハンター組合ギルドの事についてどこまでご存知だろうか?」

「ハンター組合ギルドの事?」

「ああ」

「たしか‥‥‥」



 存在希薄の方から、ハンター組合(ギルド)についての質問が来たのだが、以前、助手の方から聞いた内容を覚えている範囲での回答を行っていく。

 その説明を、存在気迫の方は相槌で聞き続け、虎人の方も寡黙なまま頷きで相槌をうちながらこちらの説明を聞いていた。

 そうして、自身が知っている内容が概ね間違いがないという確認が取れると、



「どうだろうか。理解をしているというのならば話は早い。少なくともハンター組合(ギルド)としても、有望な人材を野に埋もれさせ続けるのはもったいないとは思える」

「そのため、我々の組合(ギルド)移管を行ってもらえればと願うのだが」

「そうおっしゃられても、今は職安組合(ギルド)に世話になっていますし。それにそこから職にも有りつけましたし‥‥‥」

「それでも我々としては、移管をしてまで来てもらえるのならば、実力的に第四層位から始めるという事も可能だ。どうだろうか」



 説明が終わるや否や、最後の方は虎人の方から迫られる恰好で興奮気味に主張してくるのだが、この虎人、完全に交渉というかそういう類には向いていない感情型とでもいうのだろうか…

 そもそも第四層位なるものをあげてくるが、それが一体どういうものかがよくわからない。たぶん階級制度みたいなものだろうとは思うが‥‥‥

 存在希薄の方からは、ヤレヤレとでもいった感じで軽く首を横にふり



「イリアス」

「は・・・はい・・・」



 と、その感情的になっている虎人を止めるかの様に、存在希薄な人が静かな一喝といった所で、前のめりで説明をしてきていた虎人を制してきていた。



「申し訳ありません。彼、イリアスはハンター組合(ギルド)登録員の管理をしている部署の物で、私の立場的にも内情を言いうのは辛い話なのですが……、現状、我々の管理下だけでは対処が難しい依頼というのが存在はしており、それらを彼なりに何とかしようと憂いてるだけなので、悪気というのは決して無い事をご理解をいただきたい」

「あぁ、はい、それは、まぁ、わかります」



 悪気はないというのは解らないでもないが、あまりにも強引すぎる形のために、はっきり言えば印象は悪い。

 これ以上虎人の方からの発言は控えさせた方が良いんじゃないかとさえ、こちら側から思ってしまうほどに、会話というか交渉とでもいうのは不向きなんじゃないかと思えるほどでもあった。



「それでいかがでしょう、こちらとしては、そうですね…先ほどの無礼の件もありますし、失礼ついでと言ってしまえばそれまでですが、第八層位と買い取りに上乗せを含ませる形などで、先ほどの非礼に対しての保証を行わさせていただきますが」

「だ、第八層位ですと?そ、それは所長の許可が必要なのでは?」

「私が取り付けます」



 何かしらの裏のやり取りがある様なのだが、先ほどから気になっていた単語があるので。



「すません、その"層位"って何でしょうか?」

「ん?ああ、アーネスト殿はハンターではないですから、説明が必要ですね。すいません。では、層位というは‥‥‥」



 存在希薄の方から、"層位"に関しての説明がなされたのだが、いうなればハンター組合(ギルド)における序列または階級を指しているとの事で、実力に見合う層位が記されていること。


 序列最下位は第一層位となり、経験と実績からその実力が認められるとより上の層位へとくらいが上がり、それに見合った高額の依頼を受ける事ができるようになると。


 そういう実力に見合わない人材による事故を少しでも防ぐためにと作られた制度というのが本音なのだが、その実力が高くなれば、国に認められ騎士爵位や男爵位といえる地位すらも手に入れる事が可能になるという事でもあった。


 ただ、この層位は国が変われば制度も多少変わる為、厳密にいえば今いる自国のみに適用されるものと思ってほしいという事であった。


 それで、先ほどの第四層位では、素人からようやく脱却した実力という形であり、第八層位となると、専門的な対応ができるというさらに高い人材であるという証みたいなものという事だった。



 そもそも、海生魔物は陸生魔物の討伐よりも難易度が高く、ガーランを仕留めた実績から専門的な区分として第八層位から初めても問題ない実力があると判断するとのことであった。


 というか、あのガーランって、かなりとんでもない魔物になるのか?と聞いてみると"モノによっては大型船を破壊し沈没させる程の災害級に匹敵する魔物"という立ち位置のため、大型が一匹でも出たら災害的な被害がでてもおかしくはなかったとのこと。



 うぉぅ・・・なんだそれ・・・



 まぁ、だいたい層位に関しての話は分かったが、上の階級から始れるという事らしいが、正直な話、勧誘してくるという事は、それだけ人材が足りない、つまりこちらに何度も厄介事が回ってくる回数が多くなる。という事が想定できる。


 絶対的にそうなる可能性が高いだろうなというのは推測の範囲内でもあるので、ここは上乗せが無くても、当座で頂いた資金がある為に、断る方向ですすめた方が良いだろう。と、結論づけ



「それでも、やはりその移管に関しては、お断りさせていただこうと」

「しかし、その実力があれば・・・」

「イリアス。アーネスト殿にも考えがあるのだろう」

「ですが…」

「イリアス」

「はいっ・・・わかりました・・・」



 存在希薄の冷たい視線と制する声を聴いた虎人は、こうべを垂れる格好で口を閉ざす。

 その状況を存在希薄が確認にしてから、再びこちらへと向き直り



「アーネスト殿。部下が大変失礼いたしました。移管の件に関して、こちらとしては現状ではお話することはありませんのでご安心を」

「・・・はい」

「では、イリアス。早速、査定の方を滞りなく行うように」

「……わかりました」



 虎人が力なく席を離れてトボトボという感じで部屋を出ていく中、存在希薄な方からは話が続けられる。



「査定が終わるまで、しばらく待っていただくとして……先ほどの説明の話がありましたが、こちらと現在就労されているそちらの業種との相互援助の話はご理解されていると思ってもよろしいのでしょうか?」



 これはアレか?

 暗黙の了解的な奴の事を指しているのだろうか?



「そういう話がある。という事で聞いてはいます」

「それならば話は早い。こちらとしてもアーネスト殿の実力をお借りしたい事が起きる可能性が無いとも言えません。もし、その様な事が起きた際に、ご協力をお願いさせて頂いてもよろしいでしょうか?もちろん、職安組合(ギルド)や港湾事業の方には、話を通してからという形で、ですけれど」



 これがアレか。助手の方が言っていたお願い(・・・)という奴か。


 確か、お互いの事になるために、多少なりともは融通しておく方が後々よかったとかあった事を思い出し、また、港湾事業や職安組合(ギルド)を介してくるという事ならば無茶な話も振られないとは・・・思える。

 ここで断るのもやぶさかではないが、そうなるといまの職場での肩身がどうなるのかが読めない、ならば無難な内容が望ましいだろうと判断し



「なんとも言えませんが、こちらの上を介してからという点と自分で出来る範囲でなら……」

「おぉ、それはありがとうございます。そう言ってもらえるならこちらも助かります」

「あくまでも、こちらの上を通してからで」

「えぇ、えぇ、解っています。では、そうですね‥‥‥先日持ち込まれたガーランの素材、あれの買取の件、少し色を付けさせていただくよう話を進めさせましょう。さすがに全額という訳には行きませんが、それなにという形で対処させていただきますよ」

「そ、そこまでしてもらわなくても」

「いえいえ、ご協力願う時の支度金みたいな物と思っていただければ結構ですよ、これは私の裁量権の範囲から回しますので、大丈夫ですよ」



 そういって存在希薄はこちらが断りをいれようとする前に、ニコニコという恰好の笑顔のまま、扉近くにいた受付の犬頭の生物(ナマモノ)に対して耳打ちをし、受付がこの部屋から出ていき、扉が閉まると存在気迫はこちらへと笑み絶やすことなくコチラに向かい直し




「それでは‥‥‥そうですね、査定が終わる頃まで世間話(・・・)でもしませんか?」




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