狩人組合《ハンターギルド》
先ほどの賑わいを保ったまま、目的地となる狩猟組合へと案内される恰好になった自分がいるのだが、その道中は同道する生物たちからは、こちらへのアプローチが開始されていたのだが、その回答をどうしようかと考えてみるというか、それ以前に目と鼻の先ともいえる距離にその目的となる建屋があった。
パッと見た目といえば、煉瓦と木造二階建てという佇まいの一階部分がまるで増設されている恰好であり、その各階には普通に窓ガラスといものが存在し、さらにその隣には大きな入口を兼ね備えた倉庫の様な建屋が併設もされている。
増設されている方といえば、扉が開きっぱなし状態で固定されており、その大きい扉から覗ける中身といえば、よくある酒場ともよべるカウンターやらテーブル席やらが存在するのが見て取れ、雑音という騒がしさが聞こえてくる。
正直な話、"これ、第一印象としてはふつうの酒場じゃないか?ここ"というレベルである。
本当に此処なのか?と、周りの同道していた生物に疑問をぶつける恰好で視線をめぐらせたが、"間違いない"という雰囲気をだしていた。
「受付が、本当にここにあるのか?」
「あー、直接受付の方にいくなら、その横手の方からが良いかもな」
「こっちは酒場の入口みたいなもんだしな」
「まぁ、酒場を突っ切って受付にもいけるが‥‥‥って今の時間じゃぁ混み混みか」
たしかに、入り口から中をみてみるとかなりの客がひしめき合っている恰好であり、まさに混雑という様相をしていた。
そのため、その正式な入り口(?)の方を教えてもらっては、その言葉の通りに横手の方を覗いてみると、なにかしらの看板あり、その建て看板には、ハンター組合文字が、建物からぶら下がっている看板には、何かしらの獣の絵と剣らしきものが記載されていたりしていた。
あれらを見る限り、たしかにココがその目的地であることは間違いなさそうではある。
「こちらは、受付にいくからここで」
「ご同行しますぜ?」
「いや、それは・・・」
「馬鹿かお前、そういうのに首を突っ込むモンじゃねぇのが礼儀ってもんだ」
「あぁ・・・まぁ、そりゃそうか」
「コイツの首はオレたちが引っ張っとくから、機会があれば飲もうぜ」
「・・・わかった」
「うしっ」
アルコール成分的なモノが一体どういう影響を及ぼすのかを試していないという好奇心が生まれてしまったために、一瞬、逡巡してしまったが了承する事にしておくと、殆どの生物からは歓喜の様な掛け声が上がったが、何か負けた感じがするので
「そうだ、おごってくれるなら何杯でも付き合うよ」
「「「えっ?」何杯も?」あの量を‥‥‥」
「‥‥‥冗談だ」
「ほっ・・・」
「よ、よかったぁ・・・」
「あんたが言うと、冗談に聞こえねぇよ‥‥‥」
「ま、機会があればということで、それじゃ」
「おう、そんときゃよろしくな」
そんな軽口のたたき合いを終わらせてから別れては、手を挙げての挨拶されながら、酒場の入口からはなれては、お約束的な展開が起きそうな…そんなハンター組合へ行きますか。と、受付側の入口へと向かった。
* * *
ハンター組合の入口。
その入口には、棒状の取っ手が取り付いてある少し大きめの片扉が存在していた。
意を決してその棒状の扉を掴み、その扉を引‥‥‥けない?ああ、これは押すタイプか。よし、と再び気を確認し、今度は押し‥‥‥開かない。
鍵でもかかってんのか?と、疑問に思っていたら、その片扉は横方向へとスーっと移動して開いていき‥‥‥数名の鎧恰好の生物の集団が、その扉から出てきた。
「あっと、すまない」
そういいながら、条件反射的に彼らの進路から立ち退き、相手からはそれぞれに一目向けられただけでその場から去っていった‥‥‥が、「大きかったな」「巨人族って奴か?珍しいな」などと聞こえてきたりはした。
が、それよりもだ。
ここも横かよ!引き戸かよ!!
なんなんだ?組合というのは引き戸が基本なのか?
取っ手が棒状だから、まだあっち(職安組合)よりマシだけど‥‥‥
心の中で突っ込みを入れつつ再度その扉に手をかけ、こんどは横へスライドさせる恰好で開けると、スムーズにスィーっと開いていく扉。
開いた扉から建屋の中へと入り、今度は扉を閉めようとするも勝手に扉が閉まっていく。
‥‥‥何気にこってるのが何か腹たたしいとも思ったが、勝手に閉まる扉だったために周辺を軽く確認してもそういう機構らしい機構がなさそうである。
それなのに勝手に閉まっていくというのは一体全体どういう構造になっているんだ?ワイヤーなり重しなりありそうな感じなのだが、外見からはそれらしいものが見当たらない。
「いらっしゃいませ」
そんな興味を掻き立てられてたところに、背後から唐突に声がかけらた事で、ここに来た理由を思い出す。
とりあえず、手続きをするだけなのだから…と割り切り、その入口から受付に向かって入っていくと、その受付の真向かいには、先ほど見えていた酒場らしき場所で管を巻いている生物たちがこちらへと視線を向けては肴のアテにしている風だった。
なにせ、聞こえてくる音声といえる代物といえば「でけぇ・・・」「でかいな」「牛人…いや、角は無いしハーフ?」「なら巨人族か?」「埋もりてぇ」「巨人族なら手を出したら」「わぁってる…」「おうお前ら、あの姉ちゃんな‥‥‥」「お前知り合いなのか?」「ついさっきな、でだ‥‥‥」という声を聞き取れていたりしてはいたが、その内容はこちらを観察しているという印象で、以外にも絡んでくるという事はなさそうだった。
「いらっしゃいませ。ハンター組合に何か御用でしょうか?」
受付のひとつに到着すると、その印象とは場違いな妙に品のある声で案内をしている生物が存在していた。
いや、生物なんだろうけれど、どこをどうみても犬?というほど、犬顔の人物がそこに存在していた。
正直に言えば、久しぶりに対面した獣人系生物だった。
その見た目はみるからに猟犬ともいえるハンターを主にしていそうな犬種の頭部に、少しおしとやか系ともいえる事務的な制服ともいえる衣装を身にまとっている生物ではあった。
その衣装からみるに、たぶん性別的には女性なのだろうとは推測する程度だが、獣人系の生物は街中でも見かけてはいたが、こうはっきりと面と向かってみるのは初な為に、性別云々はよくわからないといった所だった。
そういえば、ゲーム時にも獣人アバターを使用している仲間内というのはいたが、その中でとびぬけて強かったというか仲間内で一、二を争う奴がいたが、そいつはちょっとオカシイ思考なのか、なぜか獣人アバターグループ(通称モフリ派閥)から、アバター作るのに何故そこを選んだ?という突っ込みが入る生物を選んでいた。
なにせ、その見た目はどうみてもヤモリだった。
ヤモリなのに、片手剣と盾と鎧姿で最前線で戦い続けているのは、傍目からみると異様だったな。
あと、トカゲとか言ったら「トカゲじゃねぇ!」と突っ込みが返ってくるのがお約束だったけか。
っと、それはさておき、さっさと要件を終わらせよう。
そう思っては、再びその犬の受付嬢(?)に向き合う恰好で要件を伝えていく。
「ええっと、港湾の方からガーランの件で来たのですが」
「港湾の‥‥?ああ、はい。伺っております。申し訳ありませんが、確認の為にお名前と身分証明になるモノを提示して頂けますでしょうか?」
「ああ、はい。アーネストといいます」
身分証明としての就業証明書を一緒に提示すると、その獣人はまさに"できる人"といった形でこちらと証明書を手にとってはカウンターの中の端末らしきものへと通しては確認し
「はい、確かにご本人と確認しました。申し訳ありませんが、これから手続きの確認の為に面会をして頂く必要がありますが、お時間を頂けませんでしょうか?」
「面会?」
「はい。今回の件が件ですので、確認もかねてという事だそうで」
「・・・それは構いませんが」
「ご理解の程、ありがとうございます。では、ご案内しますので、どうぞこちらへ」
そう丁寧に説明されたのち、通路から2Fへと案内されていくといくつもの扉の前を通り過ぎ、突き当りの扉の前からその部屋の中へと案内される。
その部屋の中といえば、テーブルに椅子がある程度の会議室とでもいう代物だった。
「では、面会人を呼んできますので、そちらの席でお待ちください」
そう告げる獣人の受付は、そのまま部屋を後にしていった。
何というか、事前に何かあるんじゃないかと構えていたのだが、いきなりお偉いさんのところに連れていかれるとか思ったりしていたために、何か拍子抜けというか、警戒するのも何だかと思っていたのだが…‥
そんな考えをよぎらせ、何が起きるんだ?という事に思案を巡らせていたとき、
『アーネスト様、ご連絡したい事が』
と、通信が一つ入る。
通信先ともいえるのは、今現状だと、たった一つの存在しかない。
『ヒョウさん?いまでないとまずい?』
『はい』
『用事がこれから始まるから手短にできる?』
『それならば大丈夫です』
『それで、何?』
その声は事務的というか、淡々といった口調でもあったのだが、ヒョウさんの方から連絡が入ってくるとなると、何かしらの緊急事態でも入ったのか?と少し気にはなる。
『アーネスト様を尾行していた人物の一人が、その建屋の裏口から中に入っていきました』
『……はい?』
なぜ尾行していた生物がこの建屋に…‥?
言われてすぐさまMAP表示を開けると、確かに建屋の中には今朝方に印を付けていた存在を示す表示が一つが存在し、他の印をつけていた二つは建屋の外に存在はしているのが確認できていた。
ただ、建屋の中に入ってきていた印をつけた存在は、建屋内の別の二つの光点と共にこちらへと向かってきているのを確認できていた。




