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 どうしようもないぐらいに駄目すぎる駄少女S(シー)から何とか状況把握を行う事が行えた後は、外出用に四肢へと外装となる装甲を取り付けては準備をしていく。

 その際、



「やはりお姐様は身体のラインを醸し出す物が最適です!」



 どこからかともなく取り出した軽装装甲ウェットスーツアーマーを渡されたりしていた。

 そういえば、これも耐久値が落ちて所々破れていたりしたなぁと、今更ながらに思い返しては素体へと取り付けていくが、



「予備は無かったと思ったが・・・コレはどうしたんだ?」

「もちろん、丹精込めて直し(・・)たんですよ?以前からこうなる事を妄想して準備してましたし」



 と、直したという部分にかなり含みがあるよう‥‥というか、今妄想とか聞こえたんだが?おい、どういう内容を妄想してたんだよ・・・


 ま、まぁ・・・他にまともな女性型素体向けの装備品と言えば、何故か露出度が高そうな衣服系統が多く・・・というか、なんであんな露出度が高い衣装が多いのかと、しかも魔力を扱う事が出来る種族であるならば性能が高くなったりするとか、物理法則の訳が分からない仕様なのばかりという。


 いや、まぁその魔法系の補助を受けてどーとかという説明文が表記されてはいるので、無理やりそういう仕様だと納得せざるえないのだろうが、正直、影響受ける事がない種族だとただの布とか皮とかの服になるだけなのだが‥‥何故にその種族にも着用が可能なのかと‥‥‥



 それらを選択するよりかは、身体全体を保護する機能がある分、こちらの方がマシだろうと思いながら着用をすませては、軽く動作状況の確認をするべく身体を動かそうと、昨晩の宴が催されていた場所に来てみたのだが‥‥


 そこに広がるのは飲みつぶれている一部の生物(ナマモノ)達が騒音製造装置へとなり果てていた。

 そんな騒音製造装置の傍からは、



「もう、朝ですよー、起きてくださーい」



 という元気印をそのまま体現しているとでもいうべき少女が、騒音製造装置の活動を停止させるために(いそ)しんでいた。



「あ、アーネストさん!おはようございます!昨晩は色々と(・・・)ご馳走さまでした!」

「あ、あぁ、おはよう」



 そんな中、こちらに気づいたのか元気よく挨拶をしてくれたのだが、その言葉の中には"色々と"という部分に、色んな意味合いが含まれているような‥‥無いような‥‥そんな気がしかけたのだが



「お姐様、あの子は一体誰なんですか?お姐様に近づく害虫か何かの(ゴズッ)…メズゥ‥‥」



 先ほどの挨拶の合間という気を許した一瞬に、いつの間にか自身を壁として除き見る格好の様に、それでいて相手からは見えない部分では、さっそく臀部をその手の平でお触りしているガラクタS(シー)が、まるで殺意を抱くかの様な発言を仕掛けたのと、その行動に停止コードを打ち込むべく、軽く(生物(ナマモノ)では即死かもしれない)脳天へ拳骨を垂直に落しておいた。

 今度は装甲がある分、故障になる事はなかったが・・・こいつ、こんなに堅かったか?



「痛いです‥‥お姐様‥‥」

「痛くは無いだろ」



 両手で直撃をくらわせた脳天部分を抑えているジャンクS(シー)なのだが、生物(ナマモノ)でもない種族のために、サポート用であってもその堅牢度は準拠されていたはずである。たぶん。

 そんなやり取りを見ていた元気少女はといえば



「あの‥‥そちらの方はお連れの方ですか?そうなると、ご宿泊はお二人という事だったのでしょうか?そうなると、お支払いの方は‥‥」



 その元気少女は笑顔ではあるものの、その言葉と視線にはプロ的な何かしらの金勘定の計算が始まっていており、ある意味"逞しいな"と感心するとともに、あぁ・・・そうなると前金の予算で足りなくなるよな、という懐具合の不安へと陥れてきていた。



「ま、まぁ、そうなるが…昨晩のアレ(・・)で何とかならないか?」

アレ(・・)で、ですか…」



 ここでいうアレ(・・)とは、昨晩提供した物の事であり、おすそ分けのレベルを超える量をも渡している。

 それで旨く行けば良いが‥‥という期待を込めての交渉であったが、元気娘はというと



「うーん、二人分の宿泊費と食費となると…」



 腕組をする格好で元気少女は思案に入っており、何かしらの思案をしていたが、すぐにその行動は終わり、



「私だけじゃ判断できないので、おかーさんと相談しておきます。それからで良いですか?」

「ああ、よろしく頼んでほしい」

「わっかりました」



 と元気よく返事を返してくれた元気少女は、再び騒音装置を停止させるべく今度は井戸水を使用して冷却させるという手段をおこしており「さっさと家に帰ってください!仕事の邪魔です!」と、なんというか、ほんと、逞しいなぁという印象をさらに受けてしまう状況になってきていた。


 そんなやり取りの後、すぐ傍では殴られた部分をさすりながら、こちらの様子を伺う恰好になっていたスクラップS(シー)だったのだが、いまのやりとりで状況を察したのか



「えっ?あの?お姐様?宿泊費っていう事は…代金が足りないのですか?」

「お前の分がな」

「えっ?えぇっ?」



 こちらを見上げながらも、驚いた格好で聞いてくるので、状況を完結に説明する事にする。



「今までの電子決算が使えないからな、今の手持ち資金だと食費も考えればカツカツに近い」

「そ、それじゃぁ‥‥」

「シーには、すぐに帰ってもらわないと不味いかもしれないな」

「えぇぇ!!お姐様に会えなくなるのは嫌です!断ります!断固拒否です!」

「そうは言うが、予算がな‥‥」

「ぐぬぬぬぬ‥‥」



 サポートとして呼び出すという行為は可能という事は発覚しているので、帰還させる事も可能なのだろうと思われるし、帰還したとしても必要な時に呼び出せばよい。


 もともとVRMMOの時でも、呼び出せば召喚という形で現れるし、帰還の指示をすれば再び帰っていく存在でもあったのだが、"帰りたくない"という主張をしてくる存在としては、次の言葉は予想の範囲内ではあった。



「な、なら、私も宿代を稼ぎます!それなら、お姐様と一緒にいられますよね!?」



 "まぁ、そうなるな。"という印象でしかなかった。



 なにせ食費も含めれば宿代をけちらなければならないほどに切羽詰まってきている状況で、さらに一人分を捻出するのはかなり厳しい状況でもあったのは事実である。

 そうなると、コイツの事だから何かしらの理由付けと解決策を探すための一つの手段に"そういう話になるよな"というのは、とてもとても想定と推測のできる行動の範囲内である。


 ただ、働くにしろ、自身が結構手間がかかった事を考えれば、このジャンクS(シー)を雇い入れてくれる場所が素直に見つかるのかどうかという話にもなるのだが、さてはてと思っていた時



「働き口を探しているのなら、うちで働かない?丁度人手も欲しかったのよね」



 こちらの話の途中から会話に入ってきたのは、いつの間にか現れていた元気少女をふくよか(・・・・)に成長させた人物であった。



「ほ、ほんとうですか!?」

「アーネストさんに、だいぶ懐かれているみたいですし」

「そうです、そうなんです!帰りたくないです!お姐様と一緒がいいです!」



 おいそこ、自分でその部分を認めるなよ。

 それから再び抱き着いてきては何気に相手から見えない場所を揉みくだすな。

 意気投合するな。

 そして、それよりもだ。



「あんな小さな子を放り出すって?」

「ひでぇなぁ…」

「慕って来たっていうじゃねーか、そんな子をねぇ…」

「家出したっていうじゃねーか」

「そんな子を放りだすってのか?」

「マヂかよ‥」



 と、いつの間にか騒音装置から野次馬へ転職した見物人が増えており、その口々からは、妄想から推測された内容と、先ほどから「お願いです、お姐様!お傍にいさせてください!!帰りたくありません!」「あんなお家には戻りたくありません!お姐様と一緒が良いです!」という内容を大声で懇願している姿を見てしまえば、"何かしらの事情によって追いかけてきた家出少女"というのが作り上げられたのか、あっけなくも周囲にいる外堀が埋まってしまえば、周囲からは冷ややかな視線を投げかられてくる始末であった。



 この状況から"帰れ"という主張を行ってしまえば、どこからどうみても酷い人というレッテルを張られることでしか、アザトイS(シー)勝てる要素が見当たらない。

 まさに"世論は怖い"という事を実体験してしまっている訳で‥‥



 まぁ、返すのはどちらにしろ簡単に済ませれるが、ホームによるメンテナンス機能が失われた以上、この支援(サポート)ユニットが必要不可欠な存在であるのには間違いない訳で‥‥

 それに、機械の定期メンテナンスを怠るという行為は、自身にとってみればこの上ない"ナシ"な状況であり、それよりも、この排他的な状況を打破する方向というのを考慮すれば、自ずと結論はひとつしかなくなる訳で‥‥



「ハァ‥‥わかった、わかったから‥‥そう、しつこく懇願するな‥‥」



 と、敗北宣言を告げるしかなかった。

 その宣言を告げた途端、周りから歓声ともよべるモノが上がっていた。



「ありがとうございます!お姐様!!」


「嬢ちゃん!頑張れよ!応援するぞ!」

「おう、俺も応援するぜ!」

「ありがとうございます!みなさん!」

「かわいい子は大事にしないとな!」



 周りの男たちと、ふくよか(・・・・)な女性と、元気少女に囲まれては、頭をなでられて笑っている少女S(・・・)

 だが、その歓声が投げかけられている最中、小さいモノではあったのだが、はっきりとした音声を自身の聴覚はしっかりと拾っていた。




計画(プラン)通り、これで、お姐様と‥‥グフフ」



 と。





 やっぱり、返した方がよかったかもしれない。クーリングオフとか使って‥‥



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