機械生命体
長~~~~い説明回なので、後書きに要約を追記
サブタイトルも変更
とあるVRMMOがある。
多種多様な種族を選択し、その造形をも創作し、そのVRMMOのSFといえる世界において、未知なる惑星へと開拓や冒険、それらを巡って争いごとが起きたりもするが、種々様々な冒険活劇や軍事戦記にスペースオペラすらも絡み合ったりもしたりするという・・・
そんな"ごちゃ混ぜ"ともいえる題材のゲームである。
そのVRMMOにおいて、自身の分身として設定できるのは、よくあるお伽噺に登場する様な、多種多様な神話に登場してくる様な、そういった架空の物語に出てくる亜人といえる種族など、豊富に種族が用意されていた。
例えば、リアル嗜好ともいわれる人間タイプ、そこから獣人と言われるタイプ、精霊魔法が得意とされる妖精人タイプに、見た目は甲冑を着込んでいるかの様な外骨格型となる昆虫人タイプ。
さらに、そんなファンタジー世界ではよくあるそれらとは別にSFチックな異星人系とも言われる物もいる。
そのSF的な例を挙げるていくと、昔ながらの架空的存在ともいえる古風なSFの代表ともいえる火星人風なタコの様相をしている種族に、肌の色が地球人とは異なっているが情報処理系が得意とする頭脳特化タイプ、身体の構造そのモノが地球の生命体とはまったく異なり、まるで単一元素で構成された様な種族など、それは本当に多岐にわたって種々様々な存在が用意されていた。
その中から自身が選んでいるのは、SFチックな種族の一つ───
それは"機械生命体"
この"機械生命体"という種族は、SFでいうところの"科学分野"を基本とした兵器を主として使いこなし、他の種族ではほぼ扱えない超重兵装すらもたやすく装備して使用できる点である。
他にも有用な特徴を上げるとするならば、他種の生物系では有効ともなる生物兵器に対しても耐性が異常に高い、というか、そもそも有機質な生命体ではない為に全て無効ともいえ、標準的な物理への耐久値は他の生物系(無機質、機械生命体以外を個人的にそう総称している)以上の堅牢性を誇り、ゲーム開始当初は物理防御系を極めるならば、無機質系一択といわれるほどの種族であった。
ここまで聞けば、良い事尽くめに思われるだろう。
だがこのゲーム、SF世界の中に"よくあるファンタジー成分"を織り交ぜてきており、ファンタジーの代名詞ともいえる魔法や魔術という代物が存在する。
そして、その魔法に関して言えば、"機械生命体は魔法や魔術に関するモノが一切使えない。"というのが、運営が設定した種族的な特性を持つのが大きな特徴でもあり、それが大きな欠陥とも言えるモノとして存在していた。
他にも欠陥と言える様なものもある。
例えを上げるなら、魔法や魔術で言う所の"雷撃属性"系の攻撃を直撃すると生物よりもアッサリとスタン状態(体が動かなくなる)に陥りやすいとか、そのままでは水に対して全く浮力を得られない為に、専用の浮揚装備などで対応しなければ、浮かぶことすらできずにズブズブと簡単に沈んでいくしかないとか・・・
まぁ、色々と他の生物種族では耐えれたり、いとも容易く行える事ですら、補器がなければ行えないというものがチラホラとあるにはあった。
そうして、過去のバージョンアップで、当初は機械生命体と同じ様に魔法と言われる物が使用不可だった無機質系の種族で、岩人や氷人とかいわれる元素種族と呼ばれる存在は、その元となっている元素が自然界のなんたらかんたらで、エレメンタル的などーたらこーたらで、そのために魔力がうんたらかんたらとあるらしくて、そのエレメンタル的な特化型へと調整され、今では魔法と言われる物が一部、使用できる様になっていたりし、当初は"こいつら裏切りやがった・・・"と思った事もあったりしたが、まぁそこはおいておこう。
その結果なのかどうなのかはっきりとは明言はされなかったが、ユーザー間において確認された内容が"機械生命体は魔法に関するすべての物が、一貫して一切使えない=恩恵すらも受けつけない"という制限が発覚し、その制限が足を大きく引っ張っぱるという羽目になり、人口比率がぶっちぎりの最下位へと押しやったぐらいの不人気種族に陥った。
その制限が足を引っ張った一例をあげてみれば、その魔法に関する特性仕様の為か"補助系魔法すら一切受け付けない"という仕様にもなっており、身体強化ともいえる強化系魔術の恩恵を一切受けれない。
そんな仕様が存在するという事は、続々と追加されていくイベントやクエストに登場してくるボス級、さらに難易度の高いレイドボス級ともいえる相手は、その補助系魔法ありきの調整がなされていたりした。
そういうバージョンアップしては追加されていった結果、火力インフレ状態のレイドボスとの戦闘に突入するという状況が否応なしにも追加される形になってもいった。
そうすると、その追加されていくインフレ状態のボスというモノが、プレイヤー側も"強化補助を受けた状態を前提とした調整"が成されてしまっている為に、そのボスからの攻撃を被弾すると、補助の恩恵を受ける事ができる種族は耐えれたとしても、その強化魔法の恩恵が一切うけれない機械生命体だけが"とんでもないダメージ"を受ける形になってしまったのである。
ほかの種族では、強化魔法を使えばソロ余裕とか言われてる相手にすら、"一撃くらう=瀕死(ミリゲージしか残らない)"という、俗称"ミリゲー"と呼ばれたりしたスリリングこの上ない仕様へ化けてしまい、さながら、最高難易度クラスのアクションゲームへと早変わりしたものである。
そんな難易度は一部のユーザーには"やり込み要素"としては人気を博したが、それは一部のみであり、それ以外の機械生命体を使用する一般ユーザーには、ゲームから遠ざかるか種族離れの理由には十分であった。
そんな状況に慌てたのは運営側であった。
強化魔法ありきの調整という事を"やらかして"しまった運営側も不味いと思ったのか、後手ではあったのもののパッチ調整で"機械生命体専用"と称した"エネルギーシールド"や、"エネルギーフィールド""エネルギーブースト""専用ウェポンベイ"などなど、それらしい種族機能をいろいろと追加したりしていったのだが・・・焼け石に水、時すでに遅しといったレベルであり、高性能強化魔法ありきの火力と防御力のインフレ化したボスには到底追い付ける事にはなる物ではなかった。
簡単にいうなれば、エネルギーゲージがあれば、"一撃くらう=瀕死(ミリ残る)"から"一撃くらう=重症(センチ表記になるかならないか分のゲージは残るよ!)"になった程度になり、さらに言えば活動エネルギーか枯渇していたら、そんな機能が働くこともなく"相変らず瀕死ゲー"になるという仕様でもあった。
そうして、焼け石に水を繰り返した運営側は、その手の調整を根本的におこなう事も出来なくなったのか、表層的(いうなれば見た目だけデコレーションできる幅を増やしたり、造形調整が専用で行えるようにしたりなど)な部分しか行われなくなり、完全に忘れさられた状態ともいえる何もない状況が幾年も続く事になった。
そうして、おざなり対応しか発生しない"そういう存在"へとなった為か、メインとして使用する人口が徐々に少なくなっていき、ついには匙を投げたといわんばかりに、バージョンアップの告知が発表されたとしても、一部種族だけ調整が微々たるものから、まったくなされる事もない、いつの間にか音沙汰すらもなくなっており、最近では、バージョンアップが告知されたたびにユーザー間において"機械生命体に愛の手を!"や"いつもの事でした!"というのが一種のお約束的なネタと化していったぐらいである。
・・・とまぁ、自分的にはそういう欠陥や癖も含めて"機械生命体"という存在が大好きであり、いや、大好物であり、そのVRMMOでは自らがその生命体として動かせれるというのに加えて、メーカーが途中から配布し始めたアバター製作ツールを使えば、見た目も機能もある程度は思いのままというか、他の種族以上に細部に渡って造形カスタマイズできたりとしたのが続けていた本当の動機でもある。
それに加え、コレクション趣味も相まって、武器や兵装に興味というか最強部類と言われる武器の一部、魔剣とか魔術具とかを装備できても使えない、装備する事すらできない武器群を趣味で通り集めてたりしていた。
なにしろ、よくあるアイテム図鑑を埋めればプレゼントというものがあった。
というメーカーがばら撒いた餌に見事に引っかかっただけともいえなくもないが・・・、態々課金して倉庫最大枠をふやすだけ増やしてまで集めたりしていた自慢のコレクションたちが存在したりもする。
それらコレクションを収拾する為には、一人のアバターがもちえるアイテム枠では足りなくなってしまった為に、追加で倉庫用のアバターまで作りだしたのが、それでも足りないという恰好でさらに収拾保管する為にとまた一人と作成し、当初はそんな倉庫キャラクターだったのだが、それだけではとそれぞれに育成方針は異なる方向で育成しはじめ、それに加えて外観も全く別ものにもしてある。
そんなこんなで倉庫キャラ含め、総勢ともいえる6thキャラまで全てが機械生命体で固めているのは当前である。
個人的にアバターにキャラクター設定までも作って遊んでいるユーザーもいるらしいのだが、そういうのも遊び方の魅力であるのだろうが、そこまでRPプレイする必要があるのかは自分としてはどうでもよいことでもあるが、一応はかくキャラ事のコンセプトを決めて作っては育てあげたキャラクターたちである。
その中で、一番のお気に入りはやはり重武装型である1stキャラであろう。
1stキャラといえるこの機械生命体のコンセプトは、ロボは重武装で重装甲なんですよ!重火器つかってヒャッハーなんですよ!最初の一撃は譲ろう。で、受けた後に被弾痕が軽微な状態から反撃をするというのが良いね!ロボなんだもの!
と、いうのが初期のコンセプトだったのだが・・・
昨今の追加されるインフレしたボス戦でそれやると大顰蹙買ってしまう。
なにせバフを貰う事前提で調整されている相手の火力を、そのバフの影響を一切うけれない機械生命体が、最初の一撃を譲ってしまえばどうなるのか?
確実に"瀕死"or"死"に繋がるものである。
いきなり戦力ダウンを余儀なくされる形となるのは自明でもあり、そういう討伐クエストに参加した際には、当初から自分の事を頭数に入れていない仲間内から「まーた廃品になってるのな」「ほんと、お約束だな」とネタ枠にされ続けてもいたぐらいで、そのたびに"チクショーメ!"と何度心の中で叫んでいたことか・・・
* * *
さてはて、そういうVRMMOなのだが、今回の新章として大型の新パッチが当てられる事になっていた。
数年ぶりに"機械生命体"にも追加機能が施されるという事で、(というか、数年ぶりってどれだけ放置され続けていたのか)多少なりともの期待はしたのだが、今迄が今迄、放置における放置されていた種族である。
前情報で提示している大まかな内容に、どういう調整が入ったのかは未体験の為に期待するのはよそうという、悲観的な情報交換が当たり前である機械生命体である。
何せ放置を当たり前状況をしてくる運営なのだから過信するのは禁物である。
その放置っぷりから機械生命体という種族は、放置「され」種族、(運営から)見放された種族とかいうレッテルすらあるぐらいなのだから・・・
そんなこんなのあるVRMMOの機械生命体ではあるが、新章という形で追加された新しいパッチが配布されたVRMMOへ、とりあえずは1stキャラともいえる重武装キャラで開始しようと、ログインしてスタートさせたと思ったら・・・先の現状である。
本当に、何が何やらわけがわからない
これ、新章のオープニングか何かですか?
〇要約
この物語における、機械生命体とは・・・
・電撃が弱点だよ!
・デフォルトだと水にも浮かないよ!
・魔法や魔術、それらの類する物が使えないし反応もしないよ!
・生物では耐えられない環境や毒に耐えられるし効かないよ!
・ノーマルだと生物系より能力は基本的には高いよ!
・けど"ゲーム上"ではパワーインフレに置いてけぼりにされたチャ〇ズ状態だよ!
・打開する為に運営が付け焼刃の機能を増やしたけど、役に立たなかったよ!
・だからか運営が"諦めの境地"に陥って調整という匙をぶん投げたよ!
・後期だと(変人か変態か偏固しか扱わない)不人気種族(全体の数%争い)だよ!
‥‥‥見事な説明?だ!