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たった一つ

作者: 結月

 歯車が一つなくなっただけ


 たったそれだけなのに私の人生はぽっかり穴が開いたように寂しかった。


 たった一つ。


 だから、足りない部分は動く。


 だけど、そのたった一つが足りないだけで動かなくなった部分もある。


 代わりの歯車をはめてみた。


 はまらない歯車ばかり・・・


 はまる歯車も中にはあるが、何かが違う。


 不安定でない信頼性がない。


 なくなった歯車は、戻っては来ない。


 もし、ぴったりはまる歯車が見つかっても、私の心は元には戻らない。


 一生。


 お互いを見つけても、すでに遅くてきっと大きさが変わってはまらなくなっていて


 元には戻れないんだと思う。

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