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09 教育修了も近い?魔法もブレスも危険

 

 さて、ブレスの勉強もそろそろ終わりになるはずだ。

 きっと次は闇弾を大きくする練習に違いない。

 実際どうかはわからないけど、それ以外やることがない気がする。


 って、なんでこんな予想してるんだろう?

 そこまでさっさとブレスを使いたかったわけじゃなかったと思うんだけど。

 ま、いいか。


 『皆さんできるようになったので、次の練習に入ります』


 よし。

 なんだかは知らないけどとりあえず気合を入れとこう。

 さっきは負けたからな、あいつに。

 なんか悔しいと思うのもかなり久々な気がする。


 『次は、闇弾を解す練習をします』


 ええ!?

 大きくする練習だと確信していたのに。

 どうも調子が悪いな。

 いや、これは調子の良し悪しとは関係ないか。

 とりあえず、しっかり話を聞いておこう。


 『解す時は、闇弾が柔らかくなるのを想像するといいかと思います。闇弾を浮かせて作り、解してある程度動かしてみてから消して下さい』


 地味に工程が多くて難しそうな気がする。

 念話魔法の彼は難しいんじゃないかな?

 これで負けたら悲しいな。

 いやいや、なんで競ってるんだ。

 いつも通りのんびりやろう。


 さて、柔らかくなるのか…


 ……


 お、できた。

 地味に時間かかったけど、問題なくできた。


 おお、結構思い通りに動く。

 浮いている水を動かしてる感覚に近いかな。

 なかなか面白い。

 これで遊んでるだけでも時間潰せそう。

 あ、でもそろそろやめとこう。

 なんかこれ続けてると爆散しそうで怖いんだよね。

 理由は特にわからないけど、勘だ。


 で、消去と。

 奴はどうだ?

 どんな感じだ?


 『お前に教えてもらってから多少闇魔法できるようになったぜ!』

 『それはよかった』


 だそうです。

 でもこっちの方が早くできたもんね。

 私の勝ちだ。

 くだらない勝負だけど。


 さて、他の竜達はどうだろう?


 んー、やっぱり結構苦戦してるらしい。

 そりゃ難しいからな。

 お、あそこの竜はできてる。

 …ん?なんか嫌な予感がするのは気のせいか?


 たぶん気のせいだろう。

 勘に頼ってもいいこと起きるとは限らないしね。


 …うん、なんか心配。


 いやいや、とりあえず忘れよう。

 忘れられないのが竜の短所な気がするけど。

 とりあえず闇弾を大きくするのを先に練習しておくかな。

 こっそり。

 ばれたら大変で…


 ズドゴオオォォン


 なに!?

 なに今の!?

 あ、まさか。


 皆混乱してる。

 竜もあわてるからなぁ。

 いや、のんきなこと思ってる場合じゃない。

 とりあえず何かしないと。

 たぶんこの場で教師以外唯一理由がわかるのが私だと思うし。


 まずは、さっき闇弾を解すのに成功してた竜に近寄る。

 さっきの爆発の中心はここ。

 で、もちろん一番危険な状態なのはそばにいたこの竜。

 さすがに死にはしないと思うけど、結構な爆発だったし危ないかもしれない。


 とりあえず診てみる。

 うん、応急処置は教師の竜に任せればよさそう。

 どのみち私のほうが回復魔法は苦手だし。

 というかほとんどできないし。


 周りの竜はほとんどがかすり傷程度で済んだらしい。

 何よりだ。


 とりあえずどうにかなりそうだ。

 でも、まさかここまで威力が高いとは。

 皆呆然としてるけど、当然だろう。

 まさか、解した闇弾が危険だとは思わないだろう。






◆◆◆






 とりあえず色々やって一段落。


 解した闇弾の操作のやりすぎで爆発することを教えなかった教師は他の教師と代わった。

 負傷した竜はとりあえず問題なく回復。

 竜はこういう時に頑丈でいい。


 爆発の範囲は竜三匹分ぐらい。

 威力は闇弾の二~三倍。

 実践でうまく使えれば十分火力になるぐらいだ。


 魔法は危険だ。

 普段よく使っているが故に忘れがちだが、相当危険なものだ。

 最上位の闇魔法はさっきの爆発の十数倍の範囲と威力があるらしいし。

 竜は恐ろしく頑丈だからいいが、そうでなければ自爆が多発するんじゃないだろうか。

 とりあえず、そのことに注意しながら魔法を使った方がいいだろう。


 で、他の竜はというと。


 ちょっとした事故ぐらいの気分らしい。

 まあ普通そうだと思う。

 私ほど真剣に考えている竜もいるまい。

 実際その程度といえばその程度のことだし。

 竜が頑丈であるが故だけども。


 むしろ真剣に考えている私はかなり異常なんじゃないだろうか。

 自覚はないけど、そう思った方がいいかもしれない。

 思った方がいいというか、ほぼ確実に異常だよな。

 まあとりあえずその二点を頭においておこう。


 で、ついにブレスを放つ時が来た。






◆◆◆






 『これからブレスの訓練を行う。適当な順に並んで、順番にブレスを一発ずつ撃つこと』


 順番は適当でいいらしい。

 意外と大雑把だった。

 で、ブレスを撃つわけだけど、いきなり普通に撃つらしい。

 細かい注意とかないのか。

 あってもいいと思うだけど。


 そういえば、実際牙がどうにかなったりしないんだろうか。

 なるなら先に言うか。

 てことはならないってことか。

 ま、そうとも限らないけども。


 お、最初の竜がブレスを撃つらしい。


 最初だから仕方ないんだけど、魔法の操作に集中しすぎて周りが見えてなさそうなのが気になる。

 実戦でそれだとかなり危険なんじゃないだろうか。

 まあ頑張ってどうにかするんだろう。


 撃った。

 やっぱり結構な威力。

 だけど、撃った竜が辛そう。

 やっぱりブレスは自爆に近いんじゃないだろうか?

 なんか少し怖いな。


 次の竜。

 無事終了。


 さっきの竜より派手に見えたけど、あんまり辛そうじゃない。

 何の違いだろうか。

 撃ち方の問題か、適性の問題か。

 もしくは偶然か、練度の問題か。

 とりあえず次の竜を見てみよう。


 撃った。

 派手ではなかったけど、威力が高かった。

 撃った竜は辛そう。

 というか痛そう。


 これあれだ。

 撃つ時の口の開き方の問題だ。

 前予想したのはあってたらしい。

 これはどっちで撃つべきか…


 と、まさかの次私だった。

 こんな前に並んでたのか。

 考え事をしてるとこういうのが駄目だな。

 さて、とりあえず痛いのは嫌だから威力低めの範囲重視にしよう。


 まず、ブレス袋の中に闇弾を浮かべる。


 大きくする。


 ん?

 もしかしてこれ、圧縮できるんじゃないか?

 試してみよう。


 大きくした闇弾を、威力はそのままに小さく押し込める。


 できそう。

 一応周りへの警戒もしておくかな。


 何度も大きくして押し込める。


 繰り返す。


 そろそろいいかな。

 あんまり威力あげると自爆するかもしれないし。


 先に息を吸い込み、魔力を込める。


 そして闇弾を解し、素早くのどに送り込む。


 一気に口を開いて息を吐き出す!




 意識が飛びそうな音とともに


 地面が大きく抉られ、私は後方へ吹き飛んだ。




 飛びながら思ったこと。


 魔法もブレスも危険だ。

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