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08 教育修了も近い?ブレスの準備

 

 『まず、ブレス袋の中に闇弾を作ります。あ、まだやらないで下さい』


 ブレスの放ち方の説明が始まった。

 疑問が解消されるといいんだけど。

 てか、闇弾なんて作って大丈夫なんだろうか。

 ブレス袋とその周辺は魔法に強いらしいけど、闇弾はかなりな威力がある。

 まだやってはいけないらしいし、結構危険なのかもしれない。


 『その時、闇弾を打ち出さずにブレス袋の中に浮かせて保たせます』


 なかなかな高等技術。

 やるなと言われてるからやらないけど、難しそうだし面白そうだ。

 しかし、浮かせて保つということは、ブレス袋も闇弾が直撃したら危ないということだろうか。

 たぶんただ単に周りにあたると崩れるということだろうけど。


 『この時の闇弾の威力と大きさがブレスの威力と範囲に影響します』


 当然だと思う。

 でも前見たブレスは闇弾そのものではなかった。

 当たり前かもしれないが。

 威力は闇弾の数倍あったし、速度と範囲もすごかった。

 範囲がすごいということは闇弾を分解するんだろうか。

 それはそれで難しい気がする。

 威力を消さずに分解などできるのだろうか。


 『次に、闇弾を徐々に大きくしていきます。当然ですが、大きくなりすぎてブレス袋にあたらないようにします』


 大きくするのか。

 分解ではないらしい。

 これも加減が難しそうだ。

 ブレス袋に感覚があるんだと思う。

 経験してるわけじゃないから想像だけど。

 ブレスは意外と難しそうだ。

 実戦入りしている竜は皆ブレスが使えるから、もう少し難易度が低いかと思っていた。


 『ある程度大きくなったら、闇弾を(ほぐ)します。ここが最も難易度が高いかと思います』


 解す?

 どうやってやるのかの説明がほしい。

 恐らく想像でとか言われるだろうけど。

 細かいことはまたあとで言うのだろうか。

 今は流れを確認するだけなのかもしれない。

 そういうことにしておくか。


 『闇弾が解れるとある程度自由に変形できるようになるので、のどに流し込むように送ります』


 ほうほう。

 自由に変形できるのか。

 うまく使えばかなり便利そうではある。

 で、のどに送ると。

 ブレスは意外と精密作業なのか。

 道理で溜めが長い訳だ。

 時間がかかるのも当然なのだろう。


 『そして、送った直後に思いっきり息を吐き出します』


 やはりブレスは息だったらしい。

 でも、何故それであれほど威力の高いブレスになるのだろうか。

 この状態では闇弾以下か、良くて同程度の威力しか出ないのではないだろうか。

 あ、説明がまだ終わっていないのか。

 最後にとか言ってなかったからな。

 この後説明されることに威力の理由がある気がする。

 あるはずだ。


 『その時の息が最も肝心で、魔力を込めて息を吐いて下さい。そうすることで闇弾の威力が増し、高威力のブレスとなります』


 なるほど。

 原理はわからないけど、魔力を込めた息で威力が増すらしい。

 でも、そうなるとブレスの魔力消費量はかなりな量になるのではないだろうか。

 実戦で乱発することはできそうにない。

 最後の切り札に近いのかもしれない。

 むしろ、そうでもないと物理攻撃を学んだ意味がない。

 ブレスの撃ち合いだけでは面白くないだろうし。


 『あとは口を開いてブレスを放つだけです。この時の放ち方を工夫すると、威力と範囲をある程度調節できます。』


 放ち方を工夫するといいらしい。

 つまりあれか?

 口が大きく開いてた方が低威力広範囲に。

 口を小さく開いてた方が高威力低範囲に、みたいな感じか?

 よくわからないけどたぶんそうだと思う。

 ただ、小さくしか開いていなかった場合、最悪の場合口の中にブレスが溜まって自爆しそうな気がする。

 いきなり実戦や模擬戦で使うのはやめた方がいいかもしれない。


 『ではブレス袋に闇弾を…と、言いたいところですが』


 言いたいところですが?


 『まずは闇弾を普通に作り、それを空中に浮かせて保ち、その後それを消す練習をします』


 ブレス袋の中に作る前の練習かな。

 消すのは緊急時だろうか。

 ブレスは溜めが長いから、溜めてる最中に攻撃されたらすぐに消す必要があるのかもしれない。

 ブレス袋の中に闇弾が入っている状態で動いたらどうなるかわからないし。

 さすがにそれで自爆はないと思うけど…


 さて、とりあえずやってみよう。


 闇弾を作る。

 動かないように。


 動かない闇弾を想像する。


 ボッ


 できた。

 案外あっさり。

 というか、闇弾を動かさずに作るとこんな音がするのか。

 基本闇弾は作ると同時に打ち込むから初めて音を聞いた。


 で、浮かせて保つのはできたから、これを消せばいいのか。

 ええと、分解?解体?

 そんな感じだろうか。


 ボゥ


 うん、消えた。

 何ともあっさり。

 簡単なのは私だけらしい。

 周りの竜は皆苦戦してそう。


 『相変わらずお前は闇魔法系得意だよな…』


 念話魔法を教えてくれたやつだ。


 『特にこれといったコツがあるわけではないよ』

 『今、聞かれると思って先に答えただろ?』

 『それはたぶん気のせい』


 察しがいいな。

 いや、別に教えてと頼まれたら教えるけども。

 念話魔法を教えてくれた恩は忘れない。

 たぶん。


 『闇弾を消すのは、分解する想像をすればできると思うよ』

 『嫌味か?』

 『え?なんで?』


 嫌味のつもりは全くないんだけども。


 『まだ止まった闇弾も作れてないんだよ』

 『あー…ごめん』

 『別にいいけどさ』


 そういうことでしたか。

 申し訳ない。

 案外この授業、難しいらしい。

 それをあっさりできる私はすごいに違いない。

 はいそんなことないですすいません。


 『なんていうかなぁ…こう、炎が燃えてる感じ?』

 『炎?見たことないからわからないんだが。お前見たことあるのか?』

 『ん?うん。……あれ?でもどこで見たんだろう』

 『まあ知ってるってことはどっかで見たんだろうさ』


 んー…竜であるから完全に忘れることはないはずなんだけど。

 本格的な疑問に出会ったかもしれない。

 ま、とりあえず今は彼に教えてあげるか。


 『こんな感じ』


 百聞は一見に如かず。

 見て覚えるのが一番だ。


 『うーん……お』

 『できたじゃん』


 あっさりできたらしい。

 念話で説明してもうまくいかないもんだな。

 念話の応用で記憶をそのまま伝えられないんだろうか。

 難しそうではあるけど。


 『これをそのまま保持っと。よし、これで分解…』


 いったん作れれば保持は比較的楽なんだと思う。

 彼ができるんだからそうに違いない。

 悪口ではない。

 決して悪口ではない。


 『よっし!できたぞ!』

 『おー、おめでとう』

 『やっぱお前の説明はわかりやすいな。闇魔法系だけは』

 『だけってひどくない?』


 だけじゃない。

 説明する機会ないけどきっとすべてにおいて説明上手に違いない。

 そうであるはずだ。

 そうでないと困る。

 いや、闇魔法系だけなのは自覚してるけどさ。


 『皆できるようになったので、ブレス袋の中で同じことをやってみて下さい。ただし、作ってしばらく保持できたら大きくせずに消して下さい』


 ブレス袋の位置を思い出しながら、大体そこだと思う部分に闇弾を作る。

 さっきと同じように想像する。


 …


 ……


 ………


 うん、できない。

 位置を思い出すからかな?

 ブレス袋の中ってだけの想像でやってみよう。


 あ、できたっぽい。

 ほんと、想像力って大事だな。


 で、ブレス袋は感覚があるのか。

 だから距離もわかるわけだ。

 大体の距離感はつかめる。

 とりあえず指示通りに保持、消去。

 うん、思いのほかうまくいった。

 最初は苦戦したけど。


 『お、珍しく一発でうまくいったぞ』


 念話魔法の彼は一発でできたらしい。

 珍しく。

 それはもう奇跡的に珍しく。


 決して自分が一発でできなくて悔しいから言ってるわけじゃない。


 さて、大体ブレスを打つ練習も終わりに近づいてきたんじゃないだろうか。

 次はたぶん闇弾を大きくして解す練習。

 で、それが終わったらブレスを試し撃ちするはずだ。

 うん、なんか少し楽しみだ。


 闇魔法が得意分野で良かった。

遊んでたせいで遅くなりましたすいません。

詳細は活動報告にて。


あと、ブレス勉強長くなって申し訳ない。

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