06 教育も終盤!模擬戦後のお話
二日間投稿できませんでしたすいません。
『君にはかなりの闇魔法適性と戦闘技術があるようだ』
そうなのか。
闇魔法適性は自覚あったけど、戦闘技術があるとは思わなかった。
でも言われてみればそう……なのか?
とりあえずあるといわれたならあるんだろう。
『よって、明日から成体と同じように扱うつもりだ』
『え?』
どういうこと?私まだ生まれて6年も経ってないんだけど。
てか戦場に行けと?
驚きのあまりつい念話が出ちゃったじゃないか。
そりゃ知能は成体とあんまり変わらないけども。
それにしたって早すぎる。
体の大きさが違うしそのせいで戦闘力も違う。
私と同格ぐらいの竜が相手にいるとは思えないね。
何があったかというと、説明せずともわかるだろうが模擬戦後に呼び出された。
理由は成体と同じように扱うとつたえるため。
当時私はかなり驚いた。
何せ異例の事だからだ。
といっても異例の事だと知ったのは少し後になるが。
というのも、竜は歴史について学ぶのは終盤だ。
魔法やブレスを覚え、学ぶものが無くなってきてようやく学び始める。
この時地形についても学ぶが、非常に大雑把なものだ。
私は当時、当然歴史や地形、ブレスすら学んでいなかったが故に驚いた。
こんな知識しかないのに戦場に出るなど無理だと。
最低限ブレスを教えてくれと。
あんまりだ。
同格の相手がいない戦場に出て何をしろというのだ。
竜にとって戦争とは一対一の戦いが大量にあるようなものだ。
竜は特に理由がなくとも同格の竜と戦う。
それは竜が戦闘好きだからだ。
とはいえ、格下の相手にこちらから襲うことはない。
竜にとってそれは誇りを傷つけることで、最悪同種の竜に殺されかねない事だ。
また、明らかに勝ち目のない相手に挑むこともない。
竜にとってそれは自らの価値を自分で貶める行為で、勇敢だと思われることはない。
ただし、戦いを挑まれたら承けなくてはならない。
たとえ勝ち目がなくても、挑まれた戦いは承ける。
竜は決して逃げないのだ。
竜にとって逃げることは闘志を否定することで、存在意義を否定することと同義だ。
そのぐらいは知っている。
長くなったが、そういうわけで同格の相手がいない戦場に出ても意味がない。
意味がないというか、することがない。
流れ弾を避けるぐらいしかない。
実に面白くない話だ。
そんなことわかっているだろうに。
『同格の相手がいないと思うかもしれないが、そうでもないのだ。』
私の考え読めるんですか?
まぁたぶんある程度読めるんだろうね。
竜は念話魔法で会話をする。
魔法を使うための魔力は常に空気中から吸収し、体内に溜めている。
竜が食事をしないのは、魔力で生きているからだ。
つまり魔力が枯渇すれば死んでしまう。
魔力の使い過ぎには注意しなくてはならない。
で、念話魔法を日常的に使い始めると物事を考えるときに無意識に魔力が混じる。
念話魔法は意思を魔力に込めて相手に送る魔法らしいので、思考に魔力が混じると相手に考えが読まれることもあるらしい。
が、相手の考えを読むのは難しいらしいし、鍛えれば思考に魔力が混じらないようにすることもできるらしい。
むしろできなかったらこまる。
長くなったが、そんなわけでたぶん考え読まれてるらしい。
まぁ読まれて困るわけじゃないけど、近いうちに魔力が混じらないようにする練習をしておきたい。
で、なんだっけ。
同格の相手がいるって?
いるのか。
弱い成体の竜なのか、同じぐらいの年齢の竜なのか。
同じぐらいの年齢だったら勝てるかどうか怪しい気がする。
同じ年齢で同格ってことはかなり頭良いんじゃないだろうか。
あ、増長してはダメだな。
『そういうわけで明日、他の者達にもそれを伝える。その後色々あると思うが、適当にその場の指示に従って動いていれば問題ないだろう』
雑じゃないかな説明。
なんかあんまりな気がする。
例外ってこともあって不安が絶えない。
竜なんだし不安もなければいいのに。
あ、どうでもいいけど竜以外の生物がいてみんな竜より弱いってことぐらいは知ってる。
結構初期に教えられた。
あー、どうも面倒そうだ。
この年齢で戦場に出られるんだから喜ぶべきなんだろうけど、あんまり喜べないのはなんでだろう。
面倒なことは嫌いなんだ。他の竜もたぶんそうだと思う。
そうだよね?
そういうことにしておこう。
◆◆◆
『よし、皆そろったな。』
場所はいつもの訓練所。
でも今は訓練をしに来ているわけではない。
皆は半分ぐらいは予想がついてて、もう半分ぐらいはよくわかってないっぽい。
ちなみに私は説明役の竜の隣にいる。
『今日から彼は、成体の竜とほぼ同じ扱いをする。理由は戦闘力がかなり高いからだ』
ざわめきが起こる。
念話で。
まぁかなり例外的なことらしいし当然かもしれない。
あ、でもあれか。
こんなやつが?って理由で驚いてるのかもしれない。
そんな気がしてきた。
そう思われても仕方ないね。
念話魔法とか一番できるようになるの遅かったからね。
でも模擬戦だとほとんど敗けなかった気がするし、戦闘力は驚かれるほどでもないと思うんだけどなぁ。
あ、増長してはいけないね。
『一足先に戦場に行くわけだが、彼はまだ地形と歴史、ブレスなどの学んでいないものも多い。そのため、そういった授業の際はここに学びに来る。来なかった場合は、戦死したと思えばよい。』
え?冗談だよね?
なんか物騒なこと言ってるんですけど。
まぁいつ死んでもおかしくはないけどさ。
同格相手だし。
それでも竜だから早々死なないとは思うんだよなぁ。
でもあれか、超強い竜の流れ弾当たって死ぬ可能性もなくはないのか。
それだけはやめてほしい。
気づいたら流れ弾で死んでましたとか洒落にならない。
名誉も何もあったもんじゃない。
いや、名誉とかどうでもいいけどさ。
『以上だ。次の授業まで彼と話すなり好きにしろ。どうせ次の授業は彼も受けるがな』
あ、そうなのか。
次の授業受けるのか。
なんだっけ?ブレスだっけ?
ブレスなら学んでおかないと。
ブレス使えるかどうかはかなりでかいからね。
ブレス使えないで戦場出ると同格の相手いないね。
『お前がいなくなったら俺は誰に教えてもらえばいいんだ…』
念話魔法教えてくれた竜が話しかけてきた。
てか最初に言うことがそれですか。
おめでとうとかなんでお前がとかないんですか。
『一応教師が教えてくれるでしょ。一応』
『ほとんどの教師の説明がわかりにくいんだよなぁ。確実にお前の説明のほうがわかりやすいわ』
そりゃどうも。
教師の説明が分かりにくいのは同意しよう。
実際彼の説明のほうが分かりやすかったし。念話魔法。
なんでかわからないけど教師の説明はわかりにくいものらしいな。
『君の念話魔法の説明もわかりやすかったよ』
『あれ以外教えてやれてないけどな』
そうなのだ。彼は念話魔法だけはうまくいったらしいがそれ以外どうもうまくいかないらしい。
とはいえ一応教えられればすぐ理解するので大丈夫だとは思う。
教師に教えられても理解できないらしいが。
教師、立場無し。
その後、彼と少し話した。
が、なんと彼以外誰も話しかけてこなかった。
私どうも人気ないらしい。
孤独だ。
なんかさみしい。
いいんだどうせそんなもんさ。私なんてそんなもんさ。
気にしてなんかいない。
絶対気にしてない。
…はぁ。
どうでもいいが、このあたりの記憶から鮮明になってきている。
どうも、年齢的問題らしい。
とにかくそんなわけで私は成体の竜と同じような扱いになった。
わけではなく、まずは今までと同じようにブレスを学んだ。
ブレス。
竜の持つ最大の特徴ともいえる、超高威力の技。
そのブレスを学び始めた。
本文でさらっと龍が説明してくれてますが、今回から思考が多くなってきてます。
ので、ストーリー的中身はさほど変わりませんが、文字数が多くなってます。
その代り更新が遅いです。本当にすいません。
詳細は活動報告にて。